『鬼さんコチラ、手の鳴る方へ』 そう言ってからかうと、ソイツは怒りを露にした なんて、単純なんだろう 走って、走って 曲がり角をいくつも通って 一つの細い路地に飛び込む そして、追ってきたソイツを待ち伏せ 単純な奴だった 最初、出会ったときは、頭の良い奴だと思ってたけど 全然違った はっきり言って、残念だった 『鬼さんコチラ、手の鳴る方へ』 小声で歌うと、つい笑みがこぼれる わざわざ捕まりに行くような遊びの歌 だけど私は、捕まったりしない だって、私がソイツを捕まえるんだから 『鬼さんコチラ、手の鳴る方へ』 鬼は私で、ソイツの足音を聞いて追いかけていく ジャリッ、と砂を踏むを音がした ソイツが路地に入ってきた音 そして、ソイツはこの世から消えた 私はため息をついた 『所詮、この程度ってことでしょ?』 何も聞こえないソイツに、私はそう言った