第九章
大広間にて。
「首尾はいいな?」
「はい。大丈夫でございます」
「俺の計画はこれでまた一歩前に進む……ぬかるなよ」
「はいお任せくださいグール様……」
そういうと男は闇に消えた。それと同時に大広間の扉が開いた。
「グール。戦況はどうなっている?」
「これはこれはガルフ様。それでは説明いたしましょう」
「なにかたくらんでそうだな?」
ガルフと一緒に入ってきたリックがグールに釘をさした。
「リック殿。たくらんでいるとは人聞きの悪い……これでも反乱軍の参謀なんでね……いろいろと策は練っていますよ……いろいろとね」
一瞬怪訝そうにグールを見たが、グールが説明の準備をし始めたので渋々席に着いた。
「さて。ここにルワーノの地図があります」
テーブルの上に大きな地図が開かれた。真ん中の辺りに少しだけ青、国土の右半分が緑、左半分が赤で塗られていた。
「この青の部分が今回我が反乱軍が制した部分、緑の部分がガルフ様がリーダーになったことによって反乱軍に参加した勢力、赤い部分がキングルドの勢力となっています」
「ふむ、戦況は悪くはないんだな?」
「ただ、今回はキングルド不在中での反乱だったため半分しか味方についておりません……がしかし」
グールは赤い部分を指差した。
「この赤い部分は元シャインテラスの領地まだ手はあります」
「向こうの反ルワーノ勢力を取り込もうというのか?」
「その通りですよリック殿」
「だが上手くいくとは思えないな」
「どうしてだ?」
「いいかいガルフ? いくら俺達がキングルドに逆らっている勢力だとしても結局はルワーノなんだ。彼らはあくまでシャインテラス国として再建したい連中なんだからキングルドを倒したら次は僕達が敵になる」
「それはそうだな」
「ガルフ様。リック殿。ちゃんと策はありますよ……」
「ほぅ……どんな策なんだ?」
「俺もリックと同じ意見だ。知りたいね」
「ではご説明しましょう。今彼らには前の私達と同じようにカリスマ性を持ったリーダーがいません。そこでガルフ様に向こうのリーダーと接触してもらい協力を持ちかけるのです」
「なるほど……ガルフのカリスマ性を利用するんだな?」
「その通りですよ。その際には護衛としてリック殿にも付き添ってもらいますが・・・」
「僕はガルフより弱いぞ?」
「ですが今の反乱軍の中ではかなりお強い方なので……念のためと言うものですよ」
「確かに一人で行くのは危ないな。仮にも今は敵なんだから……」
「わかった。リック、一緒にいこう」
「そうそう、相手のリーダーの名前はリリィ、場所は……」
バアン!
「大変ですグール様! ロブンテロがキングルドの軍勢に攻め込まれました!」
「なんですって?」
「なぁグール……もしかしてその場所って……」
「ええ。ロブンテロです。しかしキングルドに先を越されたみたいですねぇ」
「これは一刻も早くいかなくてはいけないみたいだな……すぐにでも出発するぞリック」
「はいよガルフ」
「ガルフ様。おそらくこの襲撃で相手は場所を移すでしょう。こちらでも調べておきますがとりあえずロブンテロに向かってもらいます」
「わかった。そのリリィってやつ会って話をつけてくればいいんだな?」
「大丈夫。いざとなったら僕が話すから」
「二人とも頼みましたよ……」
グールは地図を片付けると用事があると言って出て行った。
「さてリック。とりあえずロブンテロに行ってみようか?」
「ちょっとグールの動きが気になるけど……仕方ないね」
「確かにな……」
「……そうしたら準備をしてくるよ。一時間後に正門で待ち合わせしよう」
「分かった」
ガルフとリックはそれぞれ準備の為に自分の部屋に戻った。
「……必ず……平和に……」
ガルフは静かに、そして強くそう思った。
|