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ハンバーガーショップ
作:ごはんライス


 ハンバーガー店にオレたちは入った。オレは「はちゃめちゃバーガー」というのを注文した。ハンバーガーが十段重ねになった新メニューだ。斬新なのは、隠し味にダンボールが混ざってるところだろう。さすがだ。店長をムリヤリ管理職扱いにして残業代を払わない会社だけある。
「きみは何にする?」
 愛犬のキャサリーンに聞いたら「わん!」と答えた。
「ということで」
 店員さんはかなり困っていた。ずっと「え? え?」という顔をしていたので、オレはだんだんイライラしてきて射殺した。
 ちょっとかわいそうだなぁ。
 でも、しかたがない。世の中いろいろある。
 新しい店員が来た。この人はイヌ語がわかるので、キャサリーンの注文はわかった。
 しかし、また射殺してしまった。「お代」というものを要求してきたからだ。
 なぜか理由はわからないがお金というものをよこせというのだ。意味がわからん。オレたちはお金というものを渡しに店に来たのではない。ハンバーガーを食うために来たのだ。わけのわからんことを言いやがって、腹が立つ。オレが東大の教授だと思ってバカにしてやがるな。東大の教授なんて世間知らずだという先入観があるんだろう。しかしな、東大の教授だってハンバーガー店の存在理由くらい知っておる。ハンバーガー店はお金というものを渡すところではない。ハンバーガーを食うところなのだ。
 というわけで射殺した。
 ちょっとかわいそうな気がした。でもしかたがない。そういうこともある。なにしろ、格差社会なのだ。これは何と言おうとそうなのだ。
 オレとキャサリーンはトレーを持って席に移動した。
 オレたちはビックリした。
 座敷がないのだ。
 どういうことだ。ここは料理店だろう。なぜ座敷がないのだ。
 腹が立って近くの席で食っていたガキを射殺した。
 すると、ガキのお母さんが怒って、オレの前まで来ると、オレが持っていたトレーをはたき落とした。
 床に散らばるハンバーガー。
 キャサリーンが「わん! わん!」とわめきながらハンバーガーに群がる。
 オレは腹が立って、お母さんのスカートをめくってパンティをずり降ろして、拳銃を尻の中に突っ込んだ。
「あん」
 そしてすぐに引っこ抜いた。
 すると、お母さんが泣きながら「やめないで。やめないで」とうざいので、近くにあった観賞用植物の木を引っこ抜いて頭上に叩き食らわした。死んだ。
 木を放り投げた時、オレの腹がぐぅと鳴った。キャサリーンは床に散らばったハンバーガーをすべて平らげ満足げだ。奥田民生の「無限の風」を鼻歌で歌ってる。

荒野の上に立って 砂漠の上に立って
花のように咲いて ダイヤのように輝いて
(奥田民生「無限の風」より)

 オレは聴きながら涙が出てきた。腹がへってるというのもあるが、なにしろ名曲だ。聴いていると涙があふれ、ものすごいパワーがみなぎってくる。
「うおおおおおおおおお」
 オレは叫んで、店内を走り回って次々と机を倒していった。
 店員さんが「やめてください。やめてください」と叫んでオレを追いかけ回す。お客たちもハンバーガーを台無しにされてムカついて「ぶっ殺してやる!」なんて叫びながらオレを追いかけ回す。
 オレたちは追いかけっこをしながら川を越え山を越え海を越え、ついには砂漠まで来て走り回っていた。
 今でもオレたちは砂漠の上を走り回っている。(了)














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