アナザーエピソード:五月&月心2
辛い
いつも。私たちの親は喧嘩ばかり
なんでもない、本当にどうでもいいようなことで喧嘩をする
なんで?
なんで喧嘩するの?
喧嘩が好きならそれでもいい
でも。なんで私たちまで殴るの?なんで怒るの?
痛いよ………イタイ
私たちを巻き込まないでよ
もう………嫌だよ
月心はどうして好きって言えるの?
あんな親で。あんな………あんな…………
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
五月と月心がここに来て三日が経った。
魔法を自分たちも使えないかと聞いてきたが、正直こちらに関わるのはお勧めしなかった。
カルトは「別にいじゃねぇか」とか言ってたけど。
まあ。それでも構わない。教えても。
ただ、ねぇ。
「問題は二人の魔力資質なんだよねぇ………」
そうフィオネが呟いた。なお、二人は今紫苑と一緒にトランプで遊んでいた。
調べたところ(俺の魔法『構成把握』でね)、五月の魔力資質はなのはに似ている。
違うところといえば、普通の射撃魔法が全くといっていいほど向いていないことだ。
代わりに砲撃や集束魔法、防御結界などの適正がなのは以上だった。
月心の場合は、射撃や砲撃も普通にこなせるが、姉より資質が劣る。
代わりに治癒や防御などの補助魔法は姉以上だった。
で。二人ともミッド式。
「さしずめ。シャマル+なのはってところか」
「でもさ。これだと………」
「ああ。間違いなく局に爆弾として投入されるだろうな」
威力はなのは以上の砲撃。加えて、回復などの補助の面で利用される。
出来れば俺らの隊で何とかしたいが……人数の関係もあるし。
まだ余裕あったかな?
「うーん。どうしよ。まあ。あの二人は何かしら事情があるっぽいし」
「だね。向こうから話してくれるまで待とうか」
「ああ。にしても………」
俺は紫苑、五月、月心が遊んでるテーブルを見た。
「あっ。八切。で。5を出して、私の上がり」
「なっ!」
「あっ。次は私ね。八切で。はい革命。それから3出して。八切で、7出して。はい上がり」
「なぬぅ!?も、もう一回じゃ!!」
「「………………」」
大富豪やってんのかよ。つか紫苑弱っ。
さっきから3回連続で大貧民だし。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「お姉ちゃん」
「何?」
「私たち。いつまでここにいるの?」
「あの人がいつでもいいって言うんだから。いいんじゃないの?いつまででも」
「でも………お父さんと、お母さん心配するし………」
月心は……
「月心。どうして。どうしてあんな喧嘩ばかりの人たちを……」
「でも。私たちの、お父さんとお母さんだから」
………
「駄目。また私たちを殴るったり怒るんだよ。もう、いやよ」
「お姉ちゃん………」
やっぱり……京谷って人に話した方が、いいのかな。
「………月心」
「何?」
「京谷に会いに行くよ」
「えっ?う、うん」
そうよ。ここで諦めたら、駄目。
もう一度、京谷に魔法を教えてもらえるように言おう!
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「そうか……。で。帰りたくない理由ってのはなんだ?」
俺のところに二人が来た。
内容は、「魔法を教えて欲しい」とのこと。
とりあえず理由を聞くと、
「家に、帰りたくない」
だそうで。
そんなんで分かるかいっ!って言いたかったが、まあ我慢だな。
なにかすげー事情があるんだろうし。
「………」
「何か。言いたくないことか」
「……親が」
「?」
「私たちの親は。私たちを、平気で苛めるから」
………あー。
そういうことか。
虐待
珍しいことじゃないとは思うが、さすがに被害者を前にすると結構くるものがあるな。
「なるほど。事情は分かった。けどいいのか?」
「なにが?」
「魔法を知るのと、魔法を使えるのとでは意味合いが違う。魔法を使うのなら、相応の覚悟を持ってこっちに来てもらうよ」
「………」
「戦場に出れば人も殺す。こちらが命を失う可能性もある。それでも。君たちは干渉する?」
「………」
「………」
まっ。答えは聞かずとも、かな。
「私は、覚悟を決めます。それが間違っていても。後悔はしないわ」
「そうか。………君は?」
「わた、しは………」
かなり。悩んでいるようだな。
「まあ。そういきなり決めなくてもいいさ。時間は一杯あるさ。限られているけどね」
「……はい」
「まあそういうわけだ。んじゃ。お姉さんのほうは。さっそく始めますか」
俺は『修練の門』を開けた。
「この中で修行すれば、そこらの武装局員よりは強くなれるよ」
「分かった」
「フィオネ。教えてあげて」
「はいはーい。それじゃ行こうか」
フィオネは五月を連れてそのまま『修練の門』に入っていった。
「さて。じゃあ行くか」
「えっ?どこに?」
「君のご両親のとこ。どんなものかちょっと見てこようと思ってね」
さて。俺は月心をつれて、遠見市に転移した。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
さて。到着。
………んー。普通の一軒家にしか見えん。表札にも「赤峰」と書かれているだけで。
なのに、
「なんでこんな結界が張ってあるんだ?」
それはミッド式の結界だった。レベルとしては相当高いな。
ひょっとして魔導師か?
「さて。ちょっと挨拶に行きますか」
「えっ?」
「ここまで来て挨拶も無しは駄目だろ。向こうさんも気付いているだろうぜ」
さて。一応礼儀としてインターフォンを鳴らす。
『どちら様ですか?』
「どうも。赤峰五月さんと赤峰月心さんのお友達ですが」
『…ごめんなさい。あの二人はまだ帰ってきてませんので。今日はお帰りください』
「そうですか。分かりました。……………管理局で預かってますが」
最後に小さく呟いたら、向こうで息をのむ音がした。
すると、玄関の鍵が開いた。
『お話を聞かせてください』
「はいはい。分かりました。あっ。ちなみに月心さんはいますよ?」
こうして俺は赤峰家へとお邪魔した。
「どうも。氷上京谷です」
「五月と月心の母。赤峰燐です」
「あ………お母さん。お姉ちゃんはね…その」
「分かってるわ。管理局にいたのね」
「し、知ってるの!?」
「ええ」
やっぱり。この人も魔導師か。
「失礼。あなは管理局員、なのですか?」
「ええ。元、がつくけどね」
「元?」
「あの人と結婚してから辞めたのよ」
「……答えづらいとは思いますが。この子の姉、赤峰五月さんがあなたがたから虐待を受けていると聞きましてね」
「………ええ」
おっ。意外と素直に認めたな。
「何故ですか?」
「……理由には、答えるわ。だから。今は月心と二人にさせて。隣の私の部屋に行っててもらえるかしら?」
「………分かりました」
何かあったときのために嵐猫を潜ませておいた。
あっ。ちゃんと俺には懐いてくれてるよ。
というわけで。お邪魔しまーす。
「っと。これはまた……」
俺がその中で見たものは………
「五月はどう?元気?」
「えっ。う、うん。元気だよ」
良かった。あの子も元気で……
「………お母さん」
「ん?何?」
「あの……お父さんは?」
………そうね。今頃の時間なら家にいる時間ですものね。
「それに。お母さんも。この時間はまだお仕事があるんじゃ………」
「ッ!」
…驚いた。この子が、私の仕事の時間帯まで覚えてくれていたなんて。
「お母さん。あの。教え、えっ!?」
私は月心に抱きついた。
「ごめんね………今まで、辛く当たって………嫌な思いさせて」
「えっ、えっ!?」
私は月心を抱いたまま涙を流した。
本当なら。この子達の前では喧嘩はしたくなかった。
けど。あの人が。
あの人は、普通の。こちらの方で見つけた人。
普通の一般人。
私たちは普通に恋して結婚して、そして、五月と月心を授かった。
けどある日。
あの人が私の力を見て、私を遠ざけ始めた。
そして。あの人は子供たちまで巻き込んだ。
「ゴメンね………ゴメンね………」
私はしばらくその場で泣いていた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
俺は燐さんに呼ばれた。
「あー。何か和解(?)したっぽいですね」
「ええ。ありがとう」
「いえいえ。俺は何もしてませんよ」
俺はあの部屋で見たもの。それは五月と月心が無邪気に笑っている写真だった。
虐待している親がそういうもの写真立てに入れて机の上に立てていたのでおかしいとは思ったけど。
「旦那さんとは?」
「五月と月心がいない間に、別れたわ」
「そうですか。では今までのは全部あなたの感情の爆発によるもの、と考えてよろしいですね?」
「ええ。自分でも。本当に馬鹿だと思っているわ」
旦那さんとの衝突で、感情が抑制しきれずに、子供である五月と月心に当たっていた。ということだろう。
話によると。どうやら魔法を使うこの人を「化け物」扱いしたらしい。
まっ。分からない話でもないか。イキナリ自分の知らないものを使われたら誰だって混乱するし。そうなるだろう。
けどその子供にまで暴行を加えるのはどうかと思うがな。
「うん。それじゃあその旦那さんの場所を教えてください。そっこーで潰してきますんで。物理的な意味で」
「いえ。そういうの駄目でしょ?」
「正義のためには許されますよ」
「あなた本当に管理局員!?」
まあ。心情的にはそうしたいんですが。
さて。とりあえず五月のほうが魔法を学びたいということを伝えた。
「……そう。月心は?」
「私は……うん。私も。魔法を学びたい。お姉ちゃんを助けたい」
「だ。そうですが」
「そう………。でもね。私は反対よ。本来ならこんなことにはならないで。平和に過ごして欲しかった」
「でも。娘さんは魔法の存在を知った。そして。無意識とはいえ転移魔法、それもここから本局に転移するだけの魔力の持ち主だ。遅からず、局が見つけていたでしょう」
「………そうね。京谷君、だったかしら?」
「はい」
「ウチの子達を、お願いして、いいかしら?」
「分かりました。円卓の騎士の名に於いて」
「ありがとう」
「お母さん………」
「月心。五月によろしくね。私は、もう局員じゃないから向こうに行けないから」
「………うん」
そういえばこの人。武装局員なのかな。
「すいません。局にいたときはどのような役職に?」
「ええ。航空戦技教導隊所属にしていたわ」
「………すげっ」
まさかあの戦技教導の方にいたとは。なのはの大先輩だな。
「どうして辞めたのですか?」
「ええ。正直に言って。局の仕事が辛くなってね」
まあ。あそこは一番ハードだしなぁ。仕事。
ん?
見ると、月心が母親に抱きついて泣いていた。
「……何もコレっきりってわけじゃないんだぞ?」
「う、うん。でも……」
「………まあ。君のお姉さんも後で事情を話してここに送るよ。明後日の午前九時頃に迎えをやるから」
「………ありがとう。えと。京谷さん」
「京谷、でいいよ。月心」
「……うん」
「それじゃ」
俺はそのまま赤峰家を出て、『修練の門』の中に転移した。
ん?何でARMの中に転移できるのかって?俺に移動できないところがあるとでも?
五月は事情を聞くとボロボロ泣いて、その後で送った。
一応端末を渡しておいた。
さぁて。
「きっちりと報いは受けろよ」
俺は王の財宝からデカイ釣鐘のようなものを出した。
「宝貝『玲瓏塔』」
釣鐘のような宝貝から禍々しい幽霊が出てきた。
これは本来、怨念を力に対象を呪い殺すものだ。
だが。呪い殺してはいけない。
あくまで恐怖を与える。
どれだけ傷つけたか思い知りな。
幽霊はそのままどこかへ消えた。
「まっ。力の加減はしてあるから大丈夫だろ」
その後。どこかで一人の男が悲鳴を上げたが、それは誰も知らないこと。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「んじゃ。きっちり鍛えときますよ。というか。あなたがやらなくていいんですか?」
「いいのよ。どの道デバイスを持ってないわ」
「さいですか。んじゃ。行くか」
俺は約束の時間になったので、二人を迎えに来ていた。
燐さんは二人を順番に抱きしめた。
いいねぇ。こういう家族の愛情。
「じゃあお母さん」
「行ってくるね」
「ええ。しっかりやっていきなさい」
「「はい!」」
二人は俺のとこにきた。
「これからよろしくね。京谷」
「お願いします」
「ああ。こちらこそよろしく頼む」
確認してみたら。あと四人ほど規定人数の空きがあった。
「「じゃあお母さん」」
「はい」
「「行ってきます!!」」
「行ってらっしゃい」
そういって俺らは転移した。
紫苑とはすげー仲良くなった。大富豪でな。
ただ………
「上がりー」
「あっ。八切。で6、と。上がり」
「ぬぉー!」
紫苑。よ、弱い………
「あっ。私も上がり♪」
「も、もう一回じゃ!!」
フィオネ………。二人に懐かれていいとこ見せようと張り切るのはいいが、加減してやれよ。
作者「えー。最近花粉症が酷く、頭にまできています」
京谷「元からだけどな」
作者「では感謝コーナーを」
京谷「朱様。久住祐治様。黒羽様。九尾様。ふかひれ様。神崎はやて様。綾崎様。本当にありがとうございます」
作者「もうさ。私思うんだ。シャマルは絶対ショタ専門だって」
京谷「ああ。アレはな。ほれ。お土産コーナーだ」
作者「おっ。うまい棒だ。って量多すぎじゃない!?……さすがに私たちだけじゃ無理だな」
京谷「後で俺がなのはやフェイトにプレゼントしておく。で。これはお前用だ」
作者「救急セットと非常袋。ありがとうございます。ただ一瞬でなくなると思います」
京谷「次だ。おっ。『ブリューナク』だ。よし。使わせてもらおう」
作者「巨大向日葵か。ずっと咲いていられるように空間捻じ曲げてっと」
京谷「お前も本当にチートだよな。ってこれビーム兵器の山!?あ、危ないな。これ」
フィオネ「京谷ー」
京谷「ん?フィオネか。どうした?」
フィオネ「私のお姉ちゃん候補がいないよー(泣)」
京谷「お前アレ本気だったのか?でもリィンフォース(Ⅰ)がいるだろ」
フィオネ「むぅ。私は他の人との交流が楽しいの」
京谷「分からないでもないがな。でもいないんだから我慢しろ」
フィオネ「……はーい。で。、これは?」
作者「各ロボットアニメのライバル機体軍団、か。すげー量」
京谷「の前にこれ地盤沈下しないかっ!?」
作者「大丈夫。地球が壊れても大丈夫な設計だから。この家」
京谷「な、なんていう無駄に高いスペック」
作者「さて。次でこのアナザーエピソードは終了だ」
フィオネ「次は最後。スノウの番だね」
京谷「この中で唯一プロットを考えてた話なんだろ」
作者「イエス。さて。そういうわけで今回はこの辺で」
京谷「あっ。神埼様。絵の件ですが。この作者、絵の掲載方法が分からんとか言いやがりまして。すいません。せっかくのご好意でしたのに」
フィオネ「それでは皆様。無上の感謝をここに捧げます。また次回へ、ヤックデカルチャー!!」
京谷「意味分からねぇよ!!」
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