第三十話:もはや忙しいのが日常になったよ
なのはの大怪我から三ヵ月後。二月。
なのはは完全回復。以降はマメに休みを取るようになった。これでワーカーホリックとも言われはしまい。
で。後の問題は特にないんだが………
「何、この書類の量」
「何って。当然でしょ?京谷二等空尉だよ?」
「にしたってこの書類の量………山登りできるぞ?」
「してみる?」
「謹んで遠慮しよう。つーわけでフィオネ」
「えー。またー?」
「翠屋のケーキとシュークリームセットを好きなだけ「いっちょやりますか!!」」
現金なやつだな。
「「ユニゾン・イン」」
俺とフィオネのユニゾン。それは魔力量が増える、ってのもあるけど。実は、処理能力が格段に上がるわけよ。
んー、例えていうなら………スーパーコンピューター10台分くらい?
書類を電子化して、それを処理していく。この山だと200枚くらいありそうだな。
だが!それはフィオネとのユニゾンで解決済みさ!
これくらいなら普通に十分かからず終わる。
マルチタスクも慣れたものだぜ。
本当に十分かけずに終わり、一休みでもしようというときに、ヤツは来た。
『京谷。僕だ』
「………なんでお前はそう狙ったように来るのかなぁ」
『狙ってるからな』
「フィオネ。今すぐアースラ撃沈させるぞ」
「りょーかーい」
『冗談だ。………頼むからそのイイエガオと手に持ってる剣を仕舞ってくれ!頼むから!!』
「で。なんのようだ」
『ああ。実は先日、第48管理世界でロストロギアが発見されてな』
「ああ。アレだろ。発見してゲットしたはいいけど。その後ロストロギアと管理局員が忽然と消えたっていう」
『………君はどうしてそう秘匿指定の掛かっている情報を知ってるんだ?』
「悪いがこっちには優秀な仲間がいるのだよ」
『仲間?君にいたのか?というかその前に、お前が仲間を持つことが信じられないんだが』
「よぅし。今のは明らかに喧嘩売ったよな」
『冗談だ。で。その部下と情報と、どう繋がる』
「ぶっちゃけハッキング」
『なっ!』
「んなわけなくて。まあ、その方法はこちらの秘匿情報だ」
『ハァ……。まあいい。本題に入ろう』
何にも疑わずにいてくれたクロノ感謝。
本当にハッキングしてたけどね!しかもログとか全然残さないようにしてね!!
『単刀直入に言う。君に出てもらいたい。今回のロストロギア。通称吸血鬼を捕獲してくれ。場合によっては破壊も許可する』
「吸血鬼って………」
『まあ。仮称みたいなものだ』
「ハァ……了解」
そういって通信を切った。
そのとき、俺の部屋のドアが開いた。
そこにいたのは、黒めの紫のロングヘアーを垂らした、外見6歳くらいの少女だった。
「のう京谷」
「なんだ」
「先ほど吸血鬼という言葉が聞こえたのじゃが………」
「ああ。それか。気にすんな。ただのロストロギアの仮称だ」
「そうか。行くのか?」
「ああ。これも仕事だ」
「………のう。妾も行っては駄目か?」
「………」
どうっすっかな。
おっと。ここでこの子の紹介をしておかなければ。
この子の名前は神月紫苑。
こんななりをしているが、俺よりも何十倍も歳食ってる。
吸血鬼、なのだ。
ネギまでいえば吸血鬼の真祖だった。
俺との出会いは……まあ後々語るとして。
紫苑は出会った当初はランクBに満たない、まあ言っちゃ悪いが弱い部類だった。
そこで出たのがあの『修練の門』。メルヘヴンのARMも出せないかな?と思ってたとき、出したのがコレだった。
………まあ。これでARMも出せることが分かった。
まあそれは置いといて。
『修練の門』に入ってたおかげで、今や紫苑のランクはAAAまで上がっていた。もちろん、魔力もそれくらいだ。
だけど。正直まだ不安なんだよな。
「京谷」
「ん?」
「心配、してくれるのは嬉しい。じゃが。妾とて、もう十分に修練は積んだ。実戦にも慣れておきたい」
「………分かった。来いよ。紫苑」
「うむ!」
「よし。じゃあ紫苑、フィオネ!行くぞ!」
「「御意、我が主」」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
と、いうわけで来ましたよ~。
今俺らがいるのは第29無人世界。現地名称『プライムル』。
特にコレといった特徴もないが、ただひたすらに荒れ果てた野が広がっていた。
この星では、雨が降ることが稀なのと、獰猛な生物が闊歩しているということで人間が住んでいない。まあ住もうと思えば住めるかもしれないが。
「で。紫苑。フィオネ。アレがロストロギアだと思うか?」
「おそらくの」
「多分、いや間違いなくアレでしょ」
俺がアレといったのは、なんか緑色に発光した人型のモノだった。
しかし、不気味だ。
「正体探るか。開匣。霧フクロウ。形態変化。D・スペードの魔レンズ」
俺の右目を覆う片眼鏡は、敵の本章を見抜いてくれた。
……間違いないな。アレだ。
「さて。どうするか。アレには触れられない」
「何故じゃ?」
「アレは触れたものを片っ端から取り込む性質がある。取り込まれたものは分解され、アイツの魔力になる」
「うわー……結構エグイ」
「じゃがそうなると我らの攻撃も通らぬことにならぬか?」
「いや。取り込むといっても生物限定のようだ。もっとも。取り込んだ生物の数が半端なく多いから。AAAくらいの実力は持ってないと駄目だな」
「なら。妾が行こう。ジョワイユーズ、セットアップ」
『Jawoul!』
紫苑が騎士甲冑を纏った。それは漆黒の、ドレスのような騎士甲冑だった。
「大丈夫か?」
「心配せずとも良い。主はちと過保護じゃ」
そういうと、紫苑は一歩前に出た。
……過保護、ねぇ。それはフェイトだけかと思ってたよ。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
フフッ。まったく。京谷は過保護過ぎる。
じゃがまあ。あれはあれで京谷の良きところか。
さて。妾は目の前の発光生物に目をやる。フィオネの言ではないが。エグイのぉ……
「ジョワイユーズ。遠慮はいらぬ。サンダーフォース」
『よろしいので?』
「構わぬ。どうせ破壊対象にしかならぬ。京谷が受けた命も、破壊を許可するとある」
『了解しました』
鎖型アームドデバイス・ジョワイユーズ。
戦乱の時より共に戦場を駆け抜けてきた、頼れる友。
その形状は鎖。鉄鎖術に必要な形態じゃ。
ちなみに鉄鎖術というのは読んで字の如く、鎖を使う武術のことじゃ。
そしてジョワイユーズに魔力を通し、雷を纏わせた。
妾の変換資質『電気』。それを使っての一点集中攻撃。
「鉄鎖の騎士。神月紫苑。参る」
妾は飛び上がり、ジョワイユーズを標的目掛けて振るった。
「サンダー……フォォォォォォス!!」
青紫色の雷があのロストロギアを打ち抜き、爆発を起こした。
爆煙が辺りを包む。
「ふむ。反応はあるかの?」
『いえ。見当たりませんね』
意外にあっけなかったのぉ、と思っていると、京谷が怒鳴った。
「何やってる!!俺らを殺す気か!?」
京谷のほうを見ると、京谷がいつぞやの盾を出していた。
「お前なんでこっち向かって攻撃撃つんだ!?」
「なっ!そんなはずはっ………」
「あっちだぞ!!」
京谷が指差す方向を見ると、確かにそこにはロストロギア、吸血鬼がおった。
何故じゃ?ちゃんと攻撃はしたはず……
「ジョワイユーズ。妾は外したか?」
『いえ。確かに直撃でした』
「ふむ。おかしいのー」
催眠か?いや。そのような効果は妾には効かぬし………
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
無視かよ。まあいいけど。
「で。京谷」
「なんだ?」
「アレって結局タネはなんなの?」
「ああ。アレか。さっき見て分かったんだが。攻撃対象の変更かそこらへんだろ」
一瞬だけ魔レンズ越しに見ていなかったため、その正体が分からなかったが、攻撃の軌道が途中で変わっていた。
もう一回撃ってくれれば分かるけどな。
そう思ってると、紫苑が二発目のサンダーフォールを撃った。今度は強めに。
(逃さねぇ)
魔レンズ越しに見た攻撃は、当たる前にこちらへと向かってきた。
俺はそれを『織天覆う七つの円環』で防いだ。
「さしずめ……ベクトルの変換ってところか」
「なにそれ?」
「自分の肌―――肌かどうかは知らんが―――に触れた攻撃をそのまま別な方向へ流すようだな」
「じゃあ攻撃なんて効かないじゃない」
「ここは紫苑に任せよう。何しろアイツから志願してきたからな。今回の任務の同行」
「倒せる方法、あるの?」
「外部はともかく内部の構造までは同じじゃねえだろ。内部に攻撃叩き込んで、爆発させりゃいい。反射されても、中で暴発して自爆だろ」
「それは生物の場合でしょ?」
「さっき魔レンズで見た。殆ど生物、特に哺乳類に酷似していたよ」
「………京谷ってさ。まだ十二だよね?なんか発言が大人っぽい。というより歳食ってる感じ」
「ほっとけ」
そりゃ今年で23だけどさ。
さて。紫苑はどうすんのかな。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
京谷め。奴のからくりに気がついておるな。が、それを敢えて教えないのは妾を試しておるな。
ならば。その期待に応えてやろうではないか。
「ジョワイユーズ!カートリッジロード!!」
『Cartridge Load』
二発ロード。それにより、ジョワイユーズに纏っていた雷が威力を増した。
狙いは……奴の口腔部分!!
戦闘中に間抜けに口を開くでないわ!!
「閃雷飛翔!!」
妾は鎖を振りはじめた。唸りを上げ、妾を囲むようにジョワイユーズが舞う。
鎖の鎧。端から見ればそう言えるじゃろう。現に京谷もフィオネもカルトも、他の皆そう言うておる。
そして、常人では最早鎖の原型すら見えないほどの速さでジョワイユーズを振るう。
「雷・翔・砲!!」
ジョワイユーズは音速並みの速さで、奴の開いた口の中に入った。
次の瞬間、奴の体が爆発した。
また爆煙が辺りを包んだので、ジョワイユーズに確認をとも思ったが、その前に煙が晴れた。
そこには、緑色に光る結晶体がいくつも散らばっておったわ。
妾は京谷の元に降りた。
「どうじゃ?きっちりと主の期待に応えてやったぞ」
「……特に期待はしてなかったんだがな」
「なっ!じゃあ何故黙っておった!?」
「いや。知らせるまでもないと思ってな。お前も気付いてたと思ったから」
「それでも言わんかー!!」
こ、こやつは……まあよいか。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
さて。俺らはロストロギアの残骸を拾い始めた。というより、もうロストロギアではなくなっていた。魔力反応が完全に消えてるし。
「お前……さっきの攻撃に封印術式でもかけてたのか?」
「いや。あれは触れたものの魔力を雷にしてあたりに放出する魔法じゃ。じゃからこんなに被害がデカかろう?」
ロストロギア人間の立っていた位置から半径一キロは黒く焦げていた。
俺とフィオネ?魔力で雷相殺してたけど何か?
「もうちょい穏便にことを運べよ」
「無理じゃ。それにこれはおそらく魔力貯蔵用のロストロギアじゃろう。コレくらい破壊しないと復活しそうで怖いわ」
「何だそれ?」
「三百年ほど前にミッドの連中が開発し、途中で挫折した技術じゃ。魔力の低いものでも戦闘で前線に出れるように、敵の魔力を吸収して自分のものにするということじゃった」
まるでネギまの『敵弾吸収陣』みたいだな。
「で。それは何で挫折したんだ?」
「魔力を片端から吸収するのでな。敵味方の区別がなかったのじゃ」
「うわっ。それってすごい本末転倒じゃないのよ」
「じゃから挫折したのじゃ。敵はともかく味方の魔力まで吸い取っては敵わぬのでな」
「その点さえクリアできればすげー発明だったのによ。ロストロギアになって今の時代の俺らにまで迷惑かけるなよな。ったく」
「大方、取り込んだ魔力と自我を持つ生物の取り込みすぎで、自我を持ち行動した、といったところじゃろう」
「マジ死ね。当時の学者」
「もう死んでおるわ。たわけ」
えーと。クロノに通信、っと。
「おーい。クロノー。終わったぞー」
『………どうしてそんな間延びした返答が出来るんだ君は』
「んー。今回は俺の仲間がやったからなー」
『で。ちなみに捕獲したのか?』
「んにゃ。無理だわ。アレって触れたものを生物限定で取り込む性質があるから破壊した。後で報告書にまとめとくよ」
『ああ。頼む』
俺は通信を切ると、転移魔法を作動させた。
すると。今度は別なところから通信が来た。
『あ、あの京谷』
目の前に現れた空間モニター(一応通信用としてのデバイス)に映し出されたのは、白い髪と赤い瞳を持つ少女だった。
「どしたスノウ」
『いえ…その………非常に言いにくいのですが実は………』
その先は述べる必要がなかった。なぜならその後ろで殺気をみなぎらせている二人の修羅がいたからだ。
「………理解したよ」
『一応止めはしましたが………』
「いやいい。アレを止められる術はまだ持たないだろ。今すぐ帰るから」
『ありがとうございま『ヴオオオォォォォォォイィィィ!!今日こそケリつけてやる!!表出ろおおぉぉ!!』……』
『ふぅん。いいよ別に。勝つのは僕だけど』
「カルト……アリス……」
………頭が痛い。
紫苑。フィオネ。その頑張れ視線を止めろ。腹立つ。
あぁ。これでまた始末書、書くのかな(遠い目)
作者「……ふぅ」
京谷「何でイキナリため息だよ」
作者「喉痛めた。夜更かしし過ぎた」
京谷「夜更かしというより。風呂上がったあとにまでパソコンで執筆してるのが原因だと思うがな」
作者「さて。このたびは様々なご指摘をありがとうございました。あと秋風様。京谷は鬼畜です」
京谷「誰が鬼畜だコラ。にしても今まで具体的な指摘が来なかったのが奇跡だぞこの作品」
作者「うん。だから今度からはきっちりとしていきたいと思うんだ」
京谷「あと俺の思考が厨二なのは作者が厨二なのでご了承願います。っつかお前さっきまでどこに行ってたんだ?」
作者「前回フィオネがあの『天地乖離す開闢の星』で壊したものの賠償金と慰謝料を各世界に送った。ちなみに金塊1t分。家が壊れた方はこちらで新築の家を」
京谷「どこからそんな金が………まあいい。感謝コーナーだ」
作者「神崎はやて様。九尾様。こんな小説作ってごめんなさい様。AA様。RX21XX様。綾崎様。水玉様。一般読者様。笑う男様。ポンジュース様。キラー様。c.m.様。秋風様。マンゴープリン様。朱様。神楽蒼夜様。鈴人様。本当にありがとうございます」
京谷「一日投稿してなかったからすげー人数になってるな。神楽様からはすげー贈り物。エリクサーとかのセットじゃん。これで不死身だな」
作者「お前は基本的な攻撃じゃ傷つかないものな。あっ。生チョコどうも。好物です」
京谷「キングゲイナー!!」
作者「お前どこに行く!?…ってあー。もう行っちゃった。仕方ない。死神さーん」
死神「はいはい。代理ですね」
作者「はい。お願いします。おっ。秋風様のとこのケーキだ。美味そうだから京谷が帰らないうちに食べましょう」
死神「そうですね。こちらはガンダムの武装ですね。って。何故か上空でストフリが暴れてますけど?」
作者「元の世界に送り返そう。ほいっと。あっ。バイオゾイド他多数だ。これも元の次元に、っと」
死神「さて。贈り物をくれたほかの作者様たちには感謝感謝です。さすがに今回は多くて捌ききれませんが。ありがとうございます。これは皆様へちょっとしたプレゼントです」
作者「そして出てきた新キャラ。次回にて全貌が明らかになります」
死神「なんかリボーンのキャラに似てるのは気のせいでしょうか?」
作者「気のせいだよ。さて今回はこれにて失礼を」
+注意+
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