ファイル318:業火の中の断末魔(クリーバー)『26・百合は散りてなお美しき』
阿笠邸のリビングで、ユリ達3人は食事をしていた。
もちろん食事は、ユリが1人で作ったものである。
ユリ
「ど、どう?味・・・元太君の口に合えばいいんだけど・・・」
元太
「ああ、おいしいよ。」
ユリ
「そう・・・(よかった、おいしいって言ってくれて・・・)」
愛する元太においしいと言ってもらえて、ユリはとても上機嫌のようだ。
阿笠
「ユリ君、もうそろそろお風呂が沸くぞ。入るかね?」
ユリ
「私、やる事があるから・・・元太君が先に入って・・・」
阿笠
「だ、そうじゃ。元太君、入りなさい。」
元太
「あ、ああ。」
元太が湯船に浸かっていると、入口の扉がガラッと開く音が聞こえた。
元太
「何だ?博士か・・・?」
しかし入って来たのは、バスタオルで体を隠したユリだった。
元太
「ユ、ユリちゃ・・・じゃなかった、ユリ!!何やってるんだよ!?」
ユリ
「何って、元太と一緒にお風呂入るのよ。」
元太
「一緒に入るって・・・オレ達今は小学生同士だよ?ユリ、恥ずかしくないのかよ!?」
ユリ
「恥ずかしくなんかないわ。愛しのあなたと一緒に入れるんだもの・・・」
元太
「・・・」
ユリ
「上がって来て。背中流してあげるから。」
元太
「あ、ああ・・・」
ユリに背中を流してもらっている間、元太は赤面しっぱなしであった。
ユリ
「さ、湯船に浸かろう。」
ユリと元太は湯船に浸かる。
やはり元太は赤面して、ユリから目を背けている。
ユリ
「どうしたの?」
元太
「イヤ・・・ユリって大人なんだなぁって・・・」
ユリ
「元太だって大人だよ。私と一緒に入って大丈夫なんだもの。さぁて、私も元太に背中流してもらおうかな?」
そう言ってユリが湯船から立ち上がった時、何の偶然かバスタオルが落ちた。
ハラリ・・・
ユリ
「あ・・・」
元太
「〜っ!!!」
ユリの体を間近に見た元太は、湯船に沈んだ。
ドボン・・・
ユリ
「キャ〜ッ!!しっかりして元太〜っ!!」
阿笠
「まったく・・・いくら君が大人だとはいえ、子供相手にアレは過激過ぎるぞ!!」
どうやら阿笠は、ユリがやろうとした事を知っていたようだ。
ならば、保護者としてユリを止めるべきだと思うのだが・・・
ユリ
「やっぱりね・・・」
ユリはショボンと落ち込んだ。
阿笠
「まぁそう落ち込むでない。とりあえず、もう寝たらどうじゃ?」
ユリ
「う、うん・・・」
ユリは2階に上がっていった。
ユリは2階で寝ていた。
ユリ
「あ〜あ・・・せっかく元太との関係を進展させたかったのに・・・」
だから、元太にはまだ早いって・・・
ユリ
「明日起きたら、元太に謝ろう・・・」
その時、元太の叫び声が聞こえた。
元太
「うわぁぁぁぁぁっ!!」
ユリ
「!?」
ユリは部屋を飛び出し、足早に階段を駆け降りていった。
ユリ
「げ、元太君!!」
ユリが降りて来た時、元太は得体の知れない何者かに首を絞められていた。
元太
「ぐ・・・」
ユリ
「あなた、誰!?」
「オレはファミリア様の刺客、ブラッドスパイダーよ!!」
ユリ
「博士はどこ!?」
ブラッドスパイダー
「博士?あぁ、あそこでグッタリしているジジイの事か・・・」
ブラッドスパイダーが指さした方向には、阿笠が倒れていた。
ユリ
「博士・・・許さない!!」
ユリはスタンガントンファーを取り出すと、ブラッドスパイダーに打撃を加えた。
スパイダー
「ぐっ!?」
ユリ
「あなた、絶対に許さないんだから!!」
スパイダー
「フン、やるな・・・」
そう言うと、スパイダーは元太を糸で絡めとり、外に飛び出した。
ユリ
「待ちなさい!!」
米花公園まで、ユリはブラッドスパイダーを追いかけて来た。
元太は今、木に縛りつけられている。
ユリ
「よくも博士と元太君を・・・許さない!!」
ドンッ!!
ドガッ!!
スパイダー
「ぐぁっ!?」
ユリ
「まだまだぁ!!」
バシィ!!
ズガァ!!
スパイダー
「ぐぉぉぉぉぉ!!」
ユリ
「私の怒りは、こんなもんじゃ鎮まらないんだから!!ハァァァァァッ!!!」
ドガァァァァァ!!
スパイダー
「ギャアアアアア!!!」
ユリはあっという間に、ブラッドスパイダーを撃破した。
ユリ
「元太!!」
ユリは素早く近づき、元太を糸から解放した。
ユリ
「大丈夫?」
元太
「ああ・・・」
ユリ
「ゴメンね・・・怖い思いさせて・・・」
元太
「平気だよ、これぐらいなら・・・」
ユリ
「そう・・・良かった・・・」
その時、突然ユリと元太の足元が凍りだした。
ピキピキ・・・
ユリ
「え?え?何これ!?」
元太
「だ、誰かがオレ達を凍らせてるんだ・・・刺客はさっきのクモ男だけじゃなかったのか・・・」
ユリ
「くっ・・・元太、ゴメンね・・・私、あなたの気持ちも知らないで・・・」
元太
「いいんだよ・・・ユリがオレを好きなら、何をされても平気さ・・・」
ユリ
「ありがとう・・・大好きだよ、元太・・・」
元太
「オレもだよ・・・ユリ・・・」
ユリと元太はそのまま、凍り付いた。
カチィン・・・
そして、その何者かが氷を破壊した瞬間、ユリと元太は消滅した・・・
バリィン!!
シュウウウウウ・・・
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