FBIから来た女:3〜猛火・赤の章(63/111)縦書き表示RDF


オリジナルキャラクター・ファイル21

三千院伊澄(さんぜんいん いすみ)

美保の親戚の三千院家の1人娘で、三千院流陰陽道を極めた巫女さん。
普段はあまり喜怒哀楽の『怒』の感情があまりないが、一度怒らせるとアバラの1本や2本は軽く折ってしまう。
物静かな人ほどキレると怖いというが、まさにその通り。
そのため、親戚の中でも最強に近い少女だといわれ、恐れられている。
美保と同じ高校に通っているが、朝が早い上に女子寮生であるため(山王学園には女子寮がある)、あまり実家には帰っていない。
それでも休みの日には、みんなとの団らんを楽しむために家に戻って来る。
美保と同じく胸が大きい。
中学生の頃、白羽弥生と一緒に銀一を誘惑して、美保をハメた事がある。
名前のモデルは、『ハヤテのごとく!』の三千院ナギと鷺ノ宮伊澄。
しかし、彼女達とちがって方向音痴ではない。
敵と戦う際には主にお(ふだ)を使い、とどめを刺す時『南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)』と唱える。
白羽弥生と共に戦うと、最強のコンビとなる。
FBIから来た女:3〜猛火・赤の章
作:ユーリ



ファイル285:殺された人気アイドル『後編』



「さて、行くか・・・」


「どこに行くんですか?内海さん。」


「塩澤っ!?」


「ヘッヘーン、いーもの見つけちゃった♪」


「つ・い・て・く・る・な!!」


「そう言われると、余計行きたくなるでしょ?愛車にカメラをセットしてどこまでも付いて行きます。」


「・・・」





ゴォォォォ・・・

ピピピピ・・・

ピピピピ・・・


「はい。」

『内海警部、今どの辺りかな?』


「二条通りを東へ出たところだ。」

『そうか、じゃあそこから烏丸の方に入れ。JRのガード下を左だ。』


「わかった。」

ゴォォォォ・・・





『そこで止まれ。』

キキッ!

『降りろ。』

バタン・・・


「(市場か・・・)」

『左後方にある台車に袋を乗せろ。それを押して左回りに移動しろ。』


「わかった。」

ズルズル・・・


「こりゃスクープだー。」





ルルルルル・・・

ガチャ!

「はい、高藤。」


「あっ、京都テレビの高藤ディレクター?ボクです、塩澤!」

「おー、塩澤君か。この間の現場VTRは助かったよ。」


「スクープですよ、また!現役の刑事が勝手に蓮台寺シズクの遺体を持ち出しているんです。映像を送りますよ。」

「何っ!場所を言え!ウチのカメラマンをそっちに出す!」


「ダメですよー、ボクの独占ですー!」

「わかった、その画像買おう。」


「そうこなくっちゃ。」





ガラガラ・・・

『そこを真っ直ぐ行って、左だ。』

ガラガラ・・・

祐・伊澄
「!」


「(トラックがこんなに・・・)」

伊澄
「(『木を隠すなら森の中』ってワケね・・・確かにここなら、大きな物を運んでも怪しまれないわ。)」

『そこに置いて止まれ。』


「美保ちゃんを返せ。」

『後だ、死体を受け取った後に返す。言う事を聞かないと、爆弾で彼女をぶっ飛ばすぞ。遺体が本物かどうか確かめたい。袋を開けて顔を見せろ。』


「ここでかっ!?」


「ウヒョー。」

クルッ・・・


「あっちへ行け、塩澤。犯人との取り引きのためにここで遺体の確認をさせなきゃならない。死人にだって人権はあるだろう?」

伊澄
「それに美保が人質にとられているのよ・・・犯人をムダに刺激したくないわ。」


「イヤです、報道は自由であるべきです。不良警部と女子高生にんな事言われたって、やめませんよ。それに今この映像は、京都テレビを通して全国に伝わっているんです。みんな何が起こっているのか知りたいんですよ。」

祐・伊澄
「何?」



「ちょっと、TV見て!」

「はいっ!」

「この声は内海と伊澄ちゃんだろ!?内海と伊澄ちゃんと織田はどうした!?」




「死体っていうのは、個人の最大級のプライバシーだろ!オマエが死後見せ物にされたらどんな気分だ!!シズクちゃんのファンがそれを本当に望むか!?」

伊澄
「カメラを止めなさい、塩澤さん!!早くしないと、美保の命に関わる!!」


「止めません。」

ボタッ!

ゴンッ!!


「!!」


「!!」

伊澄
「マ、マグロッ!?」

織田
「イヤーすまないね兄ちゃん。そんなところにボサッと立ってるから。」


「(織田!!)」

伊澄
「(ありがと、ここまでしてくれて・・・)」

織田
「おっといけねぇ、仕入れが遅れちまう。んじゃゴメンにゃ、兄ちゃん。親方にどやされっぞー。」



シャーッ・・・


「これでいいか?」

『ああ・・・OKだ。袋を閉めてその場を去れ。』




「おい塩澤、平気か。立て。」


「うーん・・・イタタタ・・・ハッ。」


「行くぞ。」

伊澄
「織田さん、発信機は!?」

織田
「今動いた!北側だ!!」


「塩澤バイク借りるぞ!伊澄ちゃんも来い!!」

伊澄
「はいっ!!」

ダッ!!


「ああっ!!」

ゴォォォォ・・・


「織田さん車あるんですよね!!追いかけるんでしょ!?ボクも乗せてって下さい!!」

織田
「えっ、イヤ・・・」


「さっきボクを殴ったでしょ、思いっ切り。」

織田
「・・・」

ギュギュギュ・・・


「!!(あのトラックだ!気づかれないように尾行を開始だ!!)」




ピチャン、ピチャン・・・

美保
「(水の音・・・そういえばずっと・・・部屋の中に水道が!?キッチンかもしれない・・・行ってみよう。)」

ズリズリ・・・

コツン!

美保
「(やっぱりキッチンだわ・・・もしかしたら!)」

ガコッ・・・

美保
「(よし、あった!包丁・・・)」

スゥ・・・

パッ!

ゴン!

美保
「(うまく床に刺さったかしら・・・不安・・・)」

ズリズリ・・・

スッ!

美保
「!(やった!)」

ビッ!!

美保
「(やった、取れたわ!!)」

ビッ!!

ビリビリ・・・

ベリベリ・・・

美保
「逃げられる!!」

ダッ!!

ズリッ、ズ・・・

ズズズズズ・・・

美保
「(何っ・・・もしかして・・・帰って来た・・・?)」

ガチャ!

キィ・・・

「!!オマエ、どうやって・・・」

ドサッ!

美保
「(あれは・・・蓮台寺シズクちゃんの遺体!?)シ・・・シズクちゃんを・・・どうする気なの!?」

スッ・・・

「・・・シズクちゃんに触れたかった・・・ずっと触れたかったんだ・・・やっとその願いがかなったんだよ・・・一緒に死んでもいいくらいだ。毎晩毎晩シズクちゃんと一緒に寝るんだ・・・オフロなんかにも一緒に入って・・・そのためには、今はまだ捕まれない。」

美保
「(に、逃げなきゃ・・・く・・・狂ってる!!)」





キキキ・・・


「!!み・・・美保ちゃん!?」

伊澄
「美保っ!!」

美保
「!!内海さん、伊澄!!」


「(なんでまた・・・!?)」

「くっ、あの刑事ついて来たのか!!」

キキィッ!!

織田
「美保ちゃん!!」


「(おー、いい絵だ。)」

「チクショウ、終わりだ!!まだ・・・何もしてないのに・・・アイツ・・・計画は完璧だって言ったのに・・・」

ピッ!

「!!」

ドォン!!!


「!!み、美保ちゃん!!」


「スゴい爆発だ!!スクープだぜ。」


「(間に合えっ!!)」

ダダダダダ・・・

ドッ!!

ズザザァ・・・

ゴォォォォ・・・


「(だ・・・大スクープだ。)」


「美保ちゃんっ。」

美保
「ハハ・・・信じられない・・・」


「どこも痛くない?」

美保
「わ・・・わかんない・・・内海さんは?」


「全身スゴく痛い。摩擦で煙出てるし・・・」

美保
「内海さん・・・」


「無事でよかった。」

美保
「内海さん・・・犯人が爆発の前に意味ありげに言ってたの。」


「何?」

美保
「『アイツ、計画は完璧だって言ったのに』・・・って。それに、爆弾が勝手に作動した感じだったわ。」


「そうか。おい塩澤、所持品見せろ。」


「ハ?何?」


「見せてみろって言ってるんだ。」


「何をいきなり。どうしてボクを?」


「いいから見せてみろって言ってんだ。」


「なっ、何言ってんの内海さん、正気ですか?れ・・・蓮台寺シズクの遺体を勝手に持ち出したアンタに、んな事言われたって出しませんよ。アンタもう犯罪者じゃないか!!」

ザッ・・・

琴葉
「遺体を使う事の許可は、私と愛子が出している。遺族にも許可を得ているわ。」

愛子
「人命優先だ、何の問題もないわよ。」


「何っ・・・」

ガシ!!


「!!」

バッ!!


「うわっ!!あっ、ちょっ、何す・・・」

カラン・・・


「ホラ鑑識!重要な証拠だ。」

織田
「あ、ああ・・・」


「オマエが今押した起爆スイッチだ。自分が疑われる事はないと考えて、所持してたんだろう。」

伊澄
「よっぽど自分の計画に自信があったんでしょうが・・・でもあなたは決定的なミスを犯したわ。だから私と内海さんはあなたを疑ってたのよ。」


「ミス・・・?オレが?何を・・・」


「シズクちゃんのファンじゃなきゃ、わからない事だけどね。知りたいだろうが、教えてやらないよ。」

伊澄
「カメラ止めなさいよ、塩澤さん。自分のプライベートも報道する気?」


「!!」

ピッ!

伊澄
「内海さん、この人殺しちゃっていい?」


「死んだら問題になる。半殺しにしときなよ。」

伊澄
「了解・・・美保の仇ぃ!!!」

ドカバキベキボカドスンッ!!!


「ギャアアアア・・・」

美保
「い、伊澄落ち着いて・・・」






「塩澤はアッサリ白状したよ。スクープ欲しさに仕組んだ犯罪らしい。蓮台寺シズクを自分で殺害し、熱狂的なファンの男をそそのかし誘拐させ、遺体と取り引きさせた。自分で大事件という『祭り』を作ったんだ・・・美保ちゃん、ケガはどう?」

美保
「もう平気よ。体がまだ少し痛いけど。」


「オレは後2週間で退院できるってさ。」

伊澄
「ねぇ、内海さん?どうして塩澤さんが犯人だってわかったの?」


「シズクちゃんは3日間のコンサートの最終日の朝、会場に入る時にファンに押されて指をケガしたらしいんだ。検死の時に治癒しかけてるキズを見つけたから、スタッフに確認を取ったのさ。だからシズクちゃんは3日目のステージには手袋をして出たんだ。んでもってこれが、塩澤が事件当日のアリバイだと言って持って来た写真。でもこれ、黒い手袋をしてないだろ?これは前日のコンサートの写真だったんだ。当日塩澤はシズクちゃんの部屋に忍び込んでたってワケだ。オレは3日間共コンサートに行ったから、ちがいを覚えてたのさ。」

美保
「そういえば、してたよね。」

伊澄
「些細な事から事件の解決が見えてくる・・・それが真実というものなのね。」


「そういう事!」












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