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FBIから来た女:3〜猛火・赤の章
作:ユーリ



ファイル273:美保と殺意のレストラン『前編』


ドカッ!!

「キャアアアッ!!」

ドサッ・・・

「ハ・・・ハハ・・・ホントに殴り倒せる物なんだな・・・冷凍肉ってヤツは・・・だいたいこの女がいけないんだ・・・おっと、こうしちゃおれん!さっさと死体を隠さないと・・・」

チラ・・・

「!」

「ねぇ、この辺でコーヒーでも飲んで休憩しない?」

「同感だな!じゃあちょうどいいからこの店にするか!」

「(きゃ・・・客!?ま、まずい!今入って来られたら、死体とはち合わせだ!!)」

「でもやってるのかしら?この店・・・中、暗いけど・・・」

「やってるだろ?『営業中』って札が出てるし・・・」

「(ク・・・クソッ!!ど・・・どうすれば・・・!?)」

「あ・・・でもあっちの店の方がキレイじゃない!」

「そうだな、あっちにするか・・・」

「(た・・・助かった・・・こんな所に入って来られたら破滅だ!!)しかし、今の客が入って来なかったのはラッキーだったな。オレの運も捨てた物じゃないな!死体を隠してさっさと・・・」

ズルズル・・・

「どこか、しばらく大丈夫そうな隠し場所は・・・そうだ、あそこなら・・・だが、1つ問題が・・・!!いい物があるじゃないか。」

ゴトゴト・・・

タタタ・・・

「?」

「何よ!あっちの店は今日定休日だって!」

「仕方ないよ・・・ま、外は暑いし、とっとと入って冷房で涼もう!」

「なんかこの店イマイチね・・・でもまぁいっか!」

「(さ・・・さっきの客が戻ってきた!?冗談じゃないぞ!今入って来られたら、ここから出られない!!)!ま、まずい・・・あの壁の血は何かで隠さないと・・・そうだ!このカレンダーなら自然な感じに・・・よし!こいつを掛けて・・・」

ガタ・・・

「(!!来た!!あ・・・あとは凶器の冷凍肉を・・・!!)」

カラン、カラン・・・

美保
「やってるやってる!でもあまり冷房効いてないわね・・・」


「お・・・なにかおいしそうな匂いがしてるじゃないか?」

ジュー、ジュー・・・

「いらっしゃいませ!どうぞ!お好きな席にお座りください!」

美保
「けっこういい感じじゃない?思ったよりも・・・」

ギッ!

「!!(あ・・・あのイスは・・・)」

美保
「どうしたんですか?マスター?」

「えっ?」

美保
「なんか顔色悪い気がするけど・・・照明のせいかしら?」

グラッ・・・

美保
「とっ・・・」

チラッ・・・

「あ〜っ!!」

はっし!!


「おっと!何やってるんだ?美保ちゃん!」

美保
「ゴメンゴメン、内海さん!」


「すみませんね、マスター!おどかして・・・」

「い・・・いえ・・・おケガがなくて幸いで・・・」


「マスター、この店はあなた1人で?」

「え、ええ、そうです・・・」

美保
「フーン・・・ねぇ、内海さん!なんかこの店、生臭くない?」


「そういやそうだな?なんていうか血腥(ちなまぐさ)い匂いがプゥーンと・・・」

「イヤ、それはあのー、実はたった今までトリを(さば)いておりまして・・・少々店内が血腥くなっております。申し訳ありません。」


「ヘー、じゃあ今焼いてるのはそのトリか?」

「い、いえ!!これは・・・」

ジュー・・・


「!!」

くわっ!!

「(な・・・何か気づいたのか!?)あ・・・あの、お客様!何かご不審な点でも?」


「君・・・この肉は・・・まさか・・・」

「(バレた!?)」


「リブロース・・・!!」

「ハ?」


「牛のリブロースは高い!!高いけどおいしいんだよ〜これが!!こんな高級肉を丸ごと焼くなんて豪勢だね、マスター!ボクも1度かぶりつきで食べてみたいものだ!」

「ハァ・・・(お、脅かしやがって〜!!何なんだよ、今の『くわっ!!』は!?)」

美保
「そういえば何だっけ?海外のミステリーで、冷凍肉を凶器にして殺人をするてのがあったわよね?内海さん!」


「あ〜あったあった!何てったっけ?」

美保
「題名忘れたけど、確かその凶器を煮るだかして刑事に食べさせちゃうって話だったわよね!」


「そうそう!そうだったそうだった!」

美保
「犯人はどんな人だったっけ?」

「(コ・・・コイツら・・・全部わかってて言ってんじゃねぇだろうな?)あの〜、お客様ご注文は・・・」


「ああ・・・忘れてた。じゃあホット2つ!当店自慢って言うぐらいだからおいしいんだろうな!さっきの肉といいコーヒーといい、なかなかこだわってそうじゃないか?この店は・・・」

「はい!かしこまりました!!」



「(さて・・・オレ、コーヒーってインスタント以外入れた事ないんだよな・・・とりあえずヤカンに湯をわかして、その中にコーヒーの粉を入れて茶こしでこすんだっけ?)」

キョロキョロ・・・

美保
「フーン・・・なるほどね!」

「(なっ・・・何だ?『なるほど』っていったい・・・あの娘・・・)」

ドドッ!

「あ!(うわっ!1カンほとんど空けちまった!見るからに濃すぎるぞ!!イヤ、待てよ!ここで超〜マズイコーヒーを出せば、ヤツらも退散するのでは・・・)」



「お待ちどうさまでした。」

カチャ・・・

コク・・・


「うっ!!」

ガシャン!!

美保
「ど・・・どうしたの?内海さん!」

「(フン!まずかろう!!それに懲りてとっとと帰れ!!)」


「おっ、おっ・・・おいしい!おいしすぎるっ!!苦みばしった大人の男の味だ!モロ、ボク好み♪」

ドタッ!!


「こんなおいしいコーヒーを入れるには、豆を大量に使わなきゃいけない。マスター、アンタ欲のない人だ!儲け度外視してるでしょ?」

美保
「そ〜お?私はメチャメチャ苦い気がするんだけど・・・」

「ハ・・・ハァ・・・(オ・・・オイッ!?アンタ舌死んでるぞ!?まちがいなくっ!!そんな物、おいしそうに飲むな〜っ!!体に悪いぞ、体に!!)」

美保
「もっとミルク足してみよ・・・」

チョロロ・・・

「(フゥ〜ッ・・・それにしても、アイツらいったいどういう組み合わせだ?)」

美保
「内海さん!こんなコーヒーばっかり飲んでると、しまいに胃やられちゃうわよ!」


「バーカ!ボクの胃は鉄でできてるんだよ!こんなコーヒーぐらいで・・・」

「(口の聞き方から見て親子じゃなさそうだが、教師と生徒でもない・・・かといって兄妹(きょうだい)にしちゃ年が離れ過ぎてるし、友達ってのもなー・・・まさか、援助交際(エンコー)!?)」

RRRRR・・・

美保
「!内海さん、携帯!」


「ああ!」

ピッ!


「はい!こちら京都府警捜査1課、内海祐警部ならびに白野美保刑事!!」

「(けっ・・・警部〜!?しかも捜査1課って殺人担当・・・!?それに、あの()も刑事〜っ!!?)」


「何ぃ!今日女が1人殺された!?」

くわっ!!

「(ヒィィィ〜、オオオオ〜オレじゃありませんオレじゃ・・・)」


「はい・・・昨日の事件と同じ手口・・・」

「(よ・・・よりによって殺人課の警部達がこんな所に来るなんてー!)」


「何!?容疑者が逃走した!?」

ガバァッ!!

「(やった!緊急事態発生!!そら警部さん達さっさと帰れ!アンタらの犯人(ホシ)が逃げちまうぜ!!)」


「はい!?え?すでに再逮捕したんですか、愛子さん!!」

「(えっ!?)」


「何だ!脅かさないでくださいよ!で・・・そうですか!犯人は観念して全面自供しましたか!・・・って事は、今日のボク達の仕事はなくなっちゃったね!アッハッハッハッ・・・」

美保
「ハァ〜?」

「(そっ・・・そげな〜っ!!)」


「悪いね、美保ちゃん!今日は用事はこれでチャラだわ!」

美保
「まぁ、犯人捕まってよかったけどね!でもひとごこちついたら、何かお腹空いてきたなぁ・・・内海さん!この店で何か食べていこうよ!」


「そうだな!ここのコーヒーもおいしかったし・・・ゆ〜っくりゴハンでも食べてくか!!ゆ〜っくりゆ〜っくり・・・」

「(だ〜!!長メシですか〜!?)」

美保
「よーし、食べましょ!マスター!メニューもう1回!」

「は・・・はい、ただいま〜・・・(つ・・・ついてねぇ〜!か、神様〜!!もう殺人(コロシ)なんてしませんから、どうか許してぇ〜っ!!!)」












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