FBIから来た女:3〜猛火・赤の章(39/111)縦書き表示RDF


オリジナルキャラクター・ファイル7

ユーリ・ハートネス

リアンやリリーの兄であり、超重力を操るレベル9の念動能力者(サイコキノ)のFBI捜査官。
同期のジョディ・スターリングとは幼い頃に家族を殺されたという点で境遇が似ており、15歳の時にアメリカで結婚し、1人娘のリラを設けた。
しかし、ジョディには頭が上がらないらしい。
怒ると建物を陥没させるほどの重力場を発生させられるが、実際にやった事はあまりない。
ジョディと結婚してからは、本業であるFBI捜査官の他に副業で小説家をやっている。
締切間際の時は『原稿に集中したい』との理由で電話線を抜くクセあり。
リリーにはそれをよく注意される。
兄弟は現在生きているリアンとリリー、ペンデュラムアッドに殺されたアスカとサスケの他に、生き別れになったローズがいる。
FBIから来た女:3〜猛火・赤の章
作:ユーリ



ファイル261:10年前のリアンと平次『2』


リアン
「アタシは知りたいんや・・・アイツの正体を・・・この暗号の答えいうヤツをな!」

『タカツキの
怒りを
鎮めよ』

平次
「そやけどそやけど、またあの人に変な魔法かけられたらリアンちゃん、死んでまうかもよ?」

リアン
「魔法?」

平次
「ホラ、さっき呪文かけられてあのドア開かなくなってしもたやない!」

リアン
「アーホ!よう見てみいよ!ドアの横にモップが立て掛けてあるやろ?モップの柄には釣り糸が付いとって・・・その糸は上につけられたフックに通されとる・・・アイツはアタシらがこの図書室に入った時に、釣り糸を操ってモップをドアに突っ返させて、開かなくしただけや・・・アイツが最初におった本棚の上からな!アタシらを怖がらせようと色々言うてたけど、アイツは魔術師なんかやない!トリックのネタを隠し忘れた、ただのドジな手品師や!」

平次
「すっごーいリアンちゃん!!まるでホームズみたいやで!!」

リアン
「ま・・・まぁね・・・」

平次
「ほんならほんなら、ホームズさん?その暗号、何て書いてあるかわかる?」

リアン
「い、意味はまだわからへんけど・・・読み方は・・・タカツキの(おこ)りを(ちん)めよ・・・やな・・・」

平次
「おこりをちんめよ?ホンマにそう読むん?」

リアン
「あ、ああ・・・怒るって字はよく小説に出てくるし、鎮って字は、キースさんのCDに鎮魂歌いうのがあって、読み方聞いたから間違いあらへんよ!」

平次
「もしかしたら、大人なら意味がわかるかも!オレや和葉ちゃんのオヤジや、リアンちゃんのお兄ちゃんに聞いてみよか?」

リアン
「アーホ!大人には絶対言うなや!!これはアタシとアイツの・・・勝負なんやからな!」





アハハハハ!!

幹彦
「じゃあその頃の刃ちゃんは、『怒りを鎮めよ』をおこりをちんめよって読んだんかー!」

マリア
「かわいいなぁ!」


「アハハ・・・」

健太
「アホやないのか、その頃の刃ちゃん!!」

風月
「仕方ないでしょ?その頃の彼女はまだ幼かったんだから・・・」


「(−ってか、あなたも読めないでしょうが!)」

マリア
「それでそれで?その後どうなったん?」

健太
「早く教えろや!」

幹彦
「刃ちゃん達は、ちゃんと家に帰れたんか?」


「え、ええ・・・一応ね・・・」





服部静華
「コラ平次!!こんな時間にどこ行ってたんや!?」

平次
「ちょ、ちょっと学校に忘れ物して・・・」

静華
「ウソ言うな!!どうせまたリアンちゃんやろ!?」

平次
「う、うん・・・」

静華
「やっぱり!最近影を潜めていると思たけど・・・リリーちゃんたら、どんな教育してるんやろか?」

平蔵
「あの家族らしく、放任主義てヤツやないのか?」

静華
「あら、平蔵これから仕事?」

平蔵
「ああ・・・ついさっき高槻港の倉庫で殺しがあったて、和義から応援の呼び出しもろたよ・・・」

静華
「もぉ、気ぃつけてや!最近なんだか物騒なんやから・・・」

平蔵
「オマエこそ、戸締まりはしっかりしとけや!例の派手な女泥棒が荒らし回ってるていうしな・・・」

静華
「もちろん!これでも刑事の妻やから!」

平蔵
「ほな、平次を頼んだで!静華・・・」





リリー
「うん、うん、わかった!リアンちゃんにはコッテリお説教しとくから・・・ゴメンな、静華さん!お休み・・・」

カチャ・・・

リリー
「さぁて・・・白状(ゲロ)するまで寝かさへんよリアン・・・夜の学校に男の子連れて何してたんかなぁぁ?んー?」

リアン
「そ、そやから言うたやろ?忘れ物を取りに行ってたて・・・」

リリー
「それ、答えになってると思てんのか〜!?」

ユーリ
「まぁ、いいじゃないか!無事に帰って来たんだし・・・」

リリー
「そやけどなぁ、ユーリ兄・・・」

ユーリ
「それに刑事の尋問じゃないんだから、怒ってばかりじゃ何も話してはくれないさ・・・まずはその怒りを鎮めて・・・冷静になってだなー・・・」

リアン
「それ、どんな字や!?」

リリー・ユーリ
「え?」

リアン
「『いかりをしずめる』って、どんな字か聞いてんねや!!もしかして、こんな字!?」

『タカツキの
怒りを
鎮めよ』

ユーリ
「あ、ああ・・・この字だが・・・」

リリー
「どうしたん?この紙・・・」

リアン
「あ、イヤ、先生が作ったあ・・・暗号で・・・」

リリー
「ひどい先生やね・・・こんな難しい漢字・・・」

ユーリ
「だが、ナゾナゾ好きの面白い先生のようだな・・・」

リアン
「ナゾナゾ?」

ユーリ
「あ、そうだ!このゴールデンウィークのどっかで海にでも行ってみるか?特訓続きで疲れてるアスカとサスケとローズや、ジョディと我が娘リラにもいい骨休めだと思うし・・・」

リリー
「あ、ええな♪」

リアン
「(海・・・。!!)」





矢笠
「高槻港?その暗号は高槻港へ行けという意味なんか?リアン君!」

リアン
「ああ!『タカツキの怒りを鎮めよ』っていうのは・・・高槻町の碇を沈める場所、港に行けっていうナゾナゾやろうからね!」

平次
「そやけどリアンちゃん、昨夜(ゆうべ)は『おこりをちんめよ』って言うてなかった?」

リアン
「そ、そうだっけか?」

矢笠
「しかし大丈夫か?その暗号を渡した女は夜、学校に忍び込んで君を待ちかまえていたんやろ?一応警察に言うておいた方が・・・」

リアン
「この暗号を解いてからでも遅くはあらへん・・・これが解けたら正体を教えるてアイツ、言うてたし・・・ゴメンな矢笠博士・・・朝早(はよ)うからこんなんに付き合わせてしもてさ・・・」

矢笠
「イヤイヤ、逆にうれしいよ・・・久々に君ら2人が仲良うしてるのを見られたから・・・」

リアン・平次
「え?」

矢笠
「小学校に入るまではいつも和葉君と3人で遊んでおったのに、最近パッタリやったから心配してたんや・・・ケンカでもしたんやないかてな・・・」

リアン
「そ、そんな事あらへんよ・・・な・・・なぁ?」

平次
「う、うん・・・」





高槻港



平次
「うわー、パトカーいっぱいや・・・」

リアン
「な、何かあったんか?」

平次
「そういえば、昨夜オヤジが言うてたよ!ここで『殺し』があったて・・・」

リアン
「ほんならまさか、その犯人が昨日のアイツ・・・」

矢笠
「それはないよ・・・事件があった時間は昨夜のちょうど、君らが学校に忍び込んだ頃やったし・・・犯人は明け方に捕まったてニュースでやっとったからな!それより問題は、昨夜のその女が君らをここに来させて何をどうせいと?」

平次
「ここで待ってれば、あの人来るんやないかなぁ?」

リアン
「イヤ、赤や・・・アイツ言うてたんや・・・『そうそう、私は血が好きでねえ、赤い物には目がないのよ・・・』って・・・」

矢笠
「だとしたら、どこかの赤い場所で待っているのかも・・・」

平次
「ほんなら、アレなんやない?パトカー!光るトコ赤いよ!」

リアン
「さっき博士が言うたやろ?この事件はアイツとは関係ないて・・・アイツはパトカーがここに停まるなんて知らなかったハズや・・・」

矢笠
「となると、最初からここにある物で・・・赤い何か・・・」

キョロキョロ・・・

リアン
「!・・・消火栓!!」

タタタ・・・

平次
「そ、そやけど、誰もおらへんみたいやで・・・」

リアン
「ん?めくれてる・・・」

ビリッ!

リアン
「赤く塗られた紙が消火栓に貼ってあったんや・・・」

平次
「また、難しい字が書いてあるね・・・」

矢笠
「どれどれ・・・」

『ニジョウの無実を晴らし
御老公の肝を潰せ』

矢笠
「ニジョウの無実を晴らし・・・御老公の肝を潰せ?」





矢笠
「ウーム・・・最初に書いてあるニジョウが二条町の事やとはわかるが・・・その後の『無実を晴らし』っちゅうのがなんともわからんなぁ・・・多分また、ナゾナゾのようなものやとは思うが・・・」

平次
「そやけどその後の御老公っちゅうのは黄門様の事かなぁ?」

矢笠
「ウム・・・」

リアン
「なぁ、博士・・・無実って、犯人やないて事やんな?」

矢笠
「ああ・・・」

平次
「犯人なら黒なんやけどなぁ!」

リアン
「え?」

平次
「オヤジらがよう言うてるよ!『アイツは黒や!犯人や』って!」

リアン
「黒やないっちゅう事は白・・・しろ・・・シロ・・・城!!二条城や!!」

矢笠
「おお!ほんなら、さっそく二条城の城跡に!」

リアン
「イヤ、向かうんはその城のそばの水門や!」

平次
「え?水門?」

矢笠
「城やないのか?」

リアン
「御老公っちゅうのは水戸黄門の事で、肝は内臓の事!それを潰せっちゅう事は、真ん中を取れっちゅう事・・・っちゅう事は、水戸黄門の真ん中の『戸』と『黄』の字を取れば・・・」

矢笠
「なるほど、残る字は『水』と『門』!二条城のそばっちゅう事は・・・二条水門か!!」





二条水門



矢笠
「・・・とまぁ、二条水門に来てみたが・・・」

平次
「どこにもないよ!怪しい赤い物・・・」

矢笠
「やっぱり先に城跡の方に行ってみた方がよかったんと・・・」

リアン
「そやったら、最初の『ニジョウの無実を晴らし』だけでええハズや・・・その後に水門の事が書いてあるっちゅう事は、絶対、この水門のそばか水門と城跡のどこかに・・・赤い何かが・・・」

カンカンカンカンカンカンカンカン・・・

リアン
「(ふ、踏切!!)」





平次
「なぁ博士・・・何か見つかった?」

矢笠
「イヤ・・・」

リアン
「(待てよ・・・この警報機が赤くなる前に見つかったら意味がない・・・赤くなってから見つかる場所は・・・遮断機!!ん?まためくれてる!!)」

ビッ!

リアン
「!?」

『カラスマの(証)を消し去り
濁った声で孤独を
噛みしめろ』












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