ファイル261:10年前のリアンと平次『2』
リアン
「アタシは知りたいんや・・・アイツの正体を・・・この暗号の答えいうヤツをな!」
『タカツキの
怒りを
鎮めよ』
平次
「そやけどそやけど、またあの人に変な魔法かけられたらリアンちゃん、死んでまうかもよ?」
リアン
「魔法?」
平次
「ホラ、さっき呪文かけられてあのドア開かなくなってしもたやない!」
リアン
「アーホ!よう見てみいよ!ドアの横にモップが立て掛けてあるやろ?モップの柄には釣り糸が付いとって・・・その糸は上につけられたフックに通されとる・・・アイツはアタシらがこの図書室に入った時に、釣り糸を操ってモップをドアに突っ返させて、開かなくしただけや・・・アイツが最初におった本棚の上からな!アタシらを怖がらせようと色々言うてたけど、アイツは魔術師なんかやない!トリックのネタを隠し忘れた、ただのドジな手品師や!」
平次
「すっごーいリアンちゃん!!まるでホームズみたいやで!!」
リアン
「ま・・・まぁね・・・」
平次
「ほんならほんなら、ホームズさん?その暗号、何て書いてあるかわかる?」
リアン
「い、意味はまだわからへんけど・・・読み方は・・・タカツキの怒りを鎮めよ・・・やな・・・」
平次
「おこりをちんめよ?ホンマにそう読むん?」
リアン
「あ、ああ・・・怒るって字はよく小説に出てくるし、鎮って字は、キースさんのCDに鎮魂歌いうのがあって、読み方聞いたから間違いあらへんよ!」
平次
「もしかしたら、大人なら意味がわかるかも!オレや和葉ちゃんのオヤジや、リアンちゃんのお兄ちゃんに聞いてみよか?」
リアン
「アーホ!大人には絶対言うなや!!これはアタシとアイツの・・・勝負なんやからな!」
アハハハハ!!
幹彦
「じゃあその頃の刃ちゃんは、『怒りを鎮めよ』をおこりをちんめよって読んだんかー!」
マリア
「かわいいなぁ!」
刃
「アハハ・・・」
健太
「アホやないのか、その頃の刃ちゃん!!」
風月
「仕方ないでしょ?その頃の彼女はまだ幼かったんだから・・・」
刃
「(−ってか、あなたも読めないでしょうが!)」
マリア
「それでそれで?その後どうなったん?」
健太
「早く教えろや!」
幹彦
「刃ちゃん達は、ちゃんと家に帰れたんか?」
刃
「え、ええ・・・一応ね・・・」
服部静華
「コラ平次!!こんな時間にどこ行ってたんや!?」
平次
「ちょ、ちょっと学校に忘れ物して・・・」
静華
「ウソ言うな!!どうせまたリアンちゃんやろ!?」
平次
「う、うん・・・」
静華
「やっぱり!最近影を潜めていると思たけど・・・リリーちゃんたら、どんな教育してるんやろか?」
平蔵
「あの家族らしく、放任主義てヤツやないのか?」
静華
「あら、平蔵これから仕事?」
平蔵
「ああ・・・ついさっき高槻港の倉庫で殺しがあったて、和義から応援の呼び出しもろたよ・・・」
静華
「もぉ、気ぃつけてや!最近なんだか物騒なんやから・・・」
平蔵
「オマエこそ、戸締まりはしっかりしとけや!例の派手な女泥棒が荒らし回ってるていうしな・・・」
静華
「もちろん!これでも刑事の妻やから!」
平蔵
「ほな、平次を頼んだで!静華・・・」
リリー
「うん、うん、わかった!リアンちゃんにはコッテリお説教しとくから・・・ゴメンな、静華さん!お休み・・・」
カチャ・・・
リリー
「さぁて・・・白状するまで寝かさへんよリアン・・・夜の学校に男の子連れて何してたんかなぁぁ?んー?」
リアン
「そ、そやから言うたやろ?忘れ物を取りに行ってたて・・・」
リリー
「それ、答えになってると思てんのか〜!?」
ユーリ
「まぁ、いいじゃないか!無事に帰って来たんだし・・・」
リリー
「そやけどなぁ、ユーリ兄・・・」
ユーリ
「それに刑事の尋問じゃないんだから、怒ってばかりじゃ何も話してはくれないさ・・・まずはその怒りを鎮めて・・・冷静になってだなー・・・」
リアン
「それ、どんな字や!?」
リリー・ユーリ
「え?」
リアン
「『いかりをしずめる』って、どんな字か聞いてんねや!!もしかして、こんな字!?」
『タカツキの
怒りを
鎮めよ』
ユーリ
「あ、ああ・・・この字だが・・・」
リリー
「どうしたん?この紙・・・」
リアン
「あ、イヤ、先生が作ったあ・・・暗号で・・・」
リリー
「ひどい先生やね・・・こんな難しい漢字・・・」
ユーリ
「だが、ナゾナゾ好きの面白い先生のようだな・・・」
リアン
「ナゾナゾ?」
ユーリ
「あ、そうだ!このゴールデンウィークのどっかで海にでも行ってみるか?特訓続きで疲れてるアスカとサスケとローズや、ジョディと我が娘リラにもいい骨休めだと思うし・・・」
リリー
「あ、ええな♪」
リアン
「(海・・・。!!)」
矢笠
「高槻港?その暗号は高槻港へ行けという意味なんか?リアン君!」
リアン
「ああ!『タカツキの怒りを鎮めよ』っていうのは・・・高槻町の碇を沈める場所、港に行けっていうナゾナゾやろうからね!」
平次
「そやけどリアンちゃん、昨夜は『おこりをちんめよ』って言うてなかった?」
リアン
「そ、そうだっけか?」
矢笠
「しかし大丈夫か?その暗号を渡した女は夜、学校に忍び込んで君を待ちかまえていたんやろ?一応警察に言うておいた方が・・・」
リアン
「この暗号を解いてからでも遅くはあらへん・・・これが解けたら正体を教えるてアイツ、言うてたし・・・ゴメンな矢笠博士・・・朝早うからこんなんに付き合わせてしもてさ・・・」
矢笠
「イヤイヤ、逆にうれしいよ・・・久々に君ら2人が仲良うしてるのを見られたから・・・」
リアン・平次
「え?」
矢笠
「小学校に入るまではいつも和葉君と3人で遊んでおったのに、最近パッタリやったから心配してたんや・・・ケンカでもしたんやないかてな・・・」
リアン
「そ、そんな事あらへんよ・・・な・・・なぁ?」
平次
「う、うん・・・」
高槻港
平次
「うわー、パトカーいっぱいや・・・」
リアン
「な、何かあったんか?」
平次
「そういえば、昨夜オヤジが言うてたよ!ここで『殺し』があったて・・・」
リアン
「ほんならまさか、その犯人が昨日のアイツ・・・」
矢笠
「それはないよ・・・事件があった時間は昨夜のちょうど、君らが学校に忍び込んだ頃やったし・・・犯人は明け方に捕まったてニュースでやっとったからな!それより問題は、昨夜のその女が君らをここに来させて何をどうせいと?」
平次
「ここで待ってれば、あの人来るんやないかなぁ?」
リアン
「イヤ、赤や・・・アイツ言うてたんや・・・『そうそう、私は血が好きでねえ、赤い物には目がないのよ・・・』って・・・」
矢笠
「だとしたら、どこかの赤い場所で待っているのかも・・・」
平次
「ほんなら、アレなんやない?パトカー!光るトコ赤いよ!」
リアン
「さっき博士が言うたやろ?この事件はアイツとは関係ないて・・・アイツはパトカーがここに停まるなんて知らなかったハズや・・・」
矢笠
「となると、最初からここにある物で・・・赤い何か・・・」
キョロキョロ・・・
リアン
「!・・・消火栓!!」
タタタ・・・
平次
「そ、そやけど、誰もおらへんみたいやで・・・」
リアン
「ん?めくれてる・・・」
ビリッ!
リアン
「赤く塗られた紙が消火栓に貼ってあったんや・・・」
平次
「また、難しい字が書いてあるね・・・」
矢笠
「どれどれ・・・」
『ニジョウの無実を晴らし
御老公の肝を潰せ』
矢笠
「ニジョウの無実を晴らし・・・御老公の肝を潰せ?」
矢笠
「ウーム・・・最初に書いてあるニジョウが二条町の事やとはわかるが・・・その後の『無実を晴らし』っちゅうのがなんともわからんなぁ・・・多分また、ナゾナゾのようなものやとは思うが・・・」
平次
「そやけどその後の御老公っちゅうのは黄門様の事かなぁ?」
矢笠
「ウム・・・」
リアン
「なぁ、博士・・・無実って、犯人やないて事やんな?」
矢笠
「ああ・・・」
平次
「犯人なら黒なんやけどなぁ!」
リアン
「え?」
平次
「オヤジらがよう言うてるよ!『アイツは黒や!犯人や』って!」
リアン
「黒やないっちゅう事は白・・・しろ・・・シロ・・・城!!二条城や!!」
矢笠
「おお!ほんなら、さっそく二条城の城跡に!」
リアン
「イヤ、向かうんはその城のそばの水門や!」
平次
「え?水門?」
矢笠
「城やないのか?」
リアン
「御老公っちゅうのは水戸黄門の事で、肝は内臓の事!それを潰せっちゅう事は、真ん中を取れっちゅう事・・・っちゅう事は、水戸黄門の真ん中の『戸』と『黄』の字を取れば・・・」
矢笠
「なるほど、残る字は『水』と『門』!二条城のそばっちゅう事は・・・二条水門か!!」
二条水門
矢笠
「・・・とまぁ、二条水門に来てみたが・・・」
平次
「どこにもないよ!怪しい赤い物・・・」
矢笠
「やっぱり先に城跡の方に行ってみた方がよかったんと・・・」
リアン
「そやったら、最初の『ニジョウの無実を晴らし』だけでええハズや・・・その後に水門の事が書いてあるっちゅう事は、絶対、この水門のそばか水門と城跡のどこかに・・・赤い何かが・・・」
カンカンカンカンカンカンカンカン・・・
リアン
「(ふ、踏切!!)」
平次
「なぁ博士・・・何か見つかった?」
矢笠
「イヤ・・・」
リアン
「(待てよ・・・この警報機が赤くなる前に見つかったら意味がない・・・赤くなってから見つかる場所は・・・遮断機!!ん?まためくれてる!!)」
ビッ!
リアン
「!?」
『カラスマの(証)を消し去り
濁った声で孤独を
噛みしめろ』
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