FBIから来た女:3〜猛火・赤の章(35/111)縦書き表示RDF


オリジナルキャラクター・ファイル3

瀬藤愛子(せどう あいこ)

京都府警に勤務している刑事部長で、銀一その他3人の母親。
琴葉とは幼なじみで、昔はよく一緒に無茶をしたらしい。
部下の信頼も厚く、特に内海には普段『瀬藤の姉さん』と呼ばれている。
琴葉の性格を一番理解しており、彼女の一番の親友であるが、時々琴葉の考えがわからなくなる事もあるらしい。
銀一と美保の関係には気づいており、『銀一は将来絶対に美保のお婿さんになる』と確信している。
夫とは死別しているため、1人で銀一達を育てている苦労人だ。
4人の子持ちだが、現年齢は34歳である。
山王学園高等部の動画研究部の初代部長。

FBIから来た女:3〜猛火・赤の章
作:ユーリ



ファイル257:女名探偵VS顔なき殺し屋『後編』


「先行隊より報告、被害者の身元が判明しました。黒崎勇二49歳、外務省で中国方面を担当している人物だそうです。」


「中国!?愛子さん、これはやはり、妖の・・・?」





ガンガンガンガンガンガン・・・

美保
「(クソ!!どんどん差が詰められている・・・捕まったら、殺されちゃう!!)」

カンカンカンカン・・・

美保
「!(やった!あそこから出られる。通風口(ここ)から出られれば・・・)アアアアアア・・・」

ガッシャアアアン!!

「!!」

美保
「(やった!!)あっ。これじゃ・・・降りられない・・・」

ヒュオオオオオオオオ・・・

美保
「クッ・・・」

ヒュッ!

トッ!

美保
「うっ・・・ああ・・・」  

ドッ・・・

「(やったか・・・)!(こんなに若い娘だったのか・・・)」

ヴヴヴヴ・・・

カッ!

ダッ!

ヒュッ!!

「しまった!エレベーター!?」

ゴォォォォ・・・

「クソッ!!」

オオオオオオオ・・・

美保
「ぐぅ・・・ヤツの特徴を・・・内海さん・・・達に連絡・・・」





「探せ!!犯人は一本眉に口ヒゲの中国人男性!ヒゲ、眉は作り物ではなさそうだ!および怪しいヤツは任意同行を求めて、署に連れて行け!!犯人はまだこの近くにいる。必ず確保しろ!!」


「愛子さん、ついてましたね。ホテルが署の近くで。これなら・・・」

愛子
「ええ・・・妖虎洞も、逃げられまい!!」





医務室



美保
「え?犯人捕まらなかった!?イタタタ・・・」


「だ、大丈夫かい、美保ちゃん。」

美保
「うん・・・アイツ、通路がせまくて充分な力でナイフを投げられなかったのと、ナイフが骨に当たって深く刺さらなかったおかげで、思ったよりひどくないわ。それより、犯人は?」


「イヤ、まだ捕まってないんだ。けど、美保ちゃんから最後の電話があった時には、ホテルの周りは固めていたから、外には逃げていない・・・もう袋のネズミ同然だよ・・・」

美保
「じゃあ、私面通ししよっか?」


「え?」

美保
「内海さん忙しいのに私にくっついてるのは、私の具合がよくなったら面通し頼むようにいわれてるからでしょ?犯人がホテルのお客さんに紛れてる可能性があるもんね!」


「ありがとう、助かるよ!!」





『大失態だな、顔を見られて逃がすとは。しかも、相手は高校生の女の子だと?警察にまで面が割れて・・・『妖虎洞の足音を聞いたら目を閉じよ』・・・伝説は泥にまみれた・・・オマエの名前を聞けば、誰もが恐怖に震え上がった。オマエから逃げる事は不可能だと皆が思った。その伝説こそが、我々にとってのオマエの値打ちだったのだ。だがそれも今日で終わった・・・お前の評価は、特級から格下げになった。どういう意味かわかるな・・・これからはキツい仕事になるぞ。少しでも長生きしたければ、力を示せ・・・まだまだ自分が使えるという所を見せてみろ。まずは、娘の始末だ。それで伝説が色を戻すワケではないが、小者を脅すには充分役立つ。2流の殺し屋として使えるか?あらためさせてもらおう。』

ピッ。

「・・・」





警備室




「警察が到着した時、ホテル内にいた人間は全部ココに集めてあるんだ。まずは中国アジア系の人を集めたところを確認してくれるかい?」

美保
「・・・いない。」


「いないか〜・・・変装している可能性もあるけど。」

美保
「大丈夫。眉、ヒゲがない可能性も考えて見てるよ。」


「じゃ、この辺は?泊まり以外でこのホテルに来てたお客さん。」

美保
「いない。」


「従業員は?」

美保
「いない。」


「となると、やっぱり建物のどこかに隠れてるって事か・・・けど、ローラー作戦で調べてるのに、いまだに見つかんないんだよなー。いったいどこにいるんだ・・・」

美保
「(顔を見られた事のない殺し屋か・・・あのかっこうのままホテルから出れば、すぐに見つかる。普通の服装に着替えたハズだわ。だけど、その分逃げるのが遅れる。警察は私が通風口にいるうちに到着していたらしいし、とてもホテルの外に脱出できたとは考えられない。となると、この人達の中にまじっている可能性が高いんだけど・・・)あっちはどうなってるの?」


「ああ、女装のチェックね。別室で婦警がチェックしたけど、全員正真正銘の女性だったって。」

美保
「そう・・・(そっちの線もなしか・・・もしやとも思ったんだけど・・・となると、他にどんな手が?眉とヒゲを落とす程度じゃ、私の目はごまかせないんだけど・・・いったいどこに・・・それとも、どこかに盲点が?)」

クルクル・・・

美保
「(ん?あのカレンダー、確か・・・)!フリーダ・カーロ・・・そうか・・・ひょっとして・・・」





「長いなー。」

「まだ部屋に戻っちゃいけないの?」

「おい、我々はいつまでここにいなきゃいけないんだね。」

「ああ、もう少しご協力を・・・」

「ご協力って、あの子は帰るみたいじゃないか。」

「あ・・・ホントだ!」

「どうしてあの子はよくて、私達はダメなのよ。」

「そうだ、どういう事だ!」

「ちょっ、ちょっと・・・」




「ムリして協力してくれてありがとう。今パトカーで病院に送らせるから、ちゃんと見てもらって。」

美保
「うん、ありがと。あ、そうだ。私ちょっと・・・」


「え?」



タタタ・・・

「・・・」

カッ。





スッ・・・

「・・・」

チャッ!

カッカッカッ・・・

「・・・」

ガチャ!

「!」

美保
「ここは男子トイレよ、お姉さん!」

「!!」

美保
「男子トイレだとわかってて、堂々と入ってくるって事は・・・あなたが、妖虎洞よ!!」

ダッ!!

「動くな!!」

バッ!!

「!!・・・」






「しっかし驚いたな。妖虎洞が女だったなんて。一本眉にヒゲだよ、そりゃ男だと思うよ。もう男性客しか見てなかったよ。」

美保
「そこが盲点だったのよ。警備室のカレンダーの絵を見て思いついたの。フリーダ・カーロ・・・メキシコの女流画家よ。彼女、生来つながった眉と、口元にヒゲがあったんだけど、決して剃ろうとしなかったんだって。それで気がついたのよ。私達は男性しか見ていないって・・・」


「男が女性に変装してるのならまだわかったけど、眉のヒゲ男がま〜さかあんなナイスバディな女性とは!そうだよなー。捜査は、あらゆる可能性を考えて進めなきゃいけないんだよなー。」

愛子
「まだまだ内海君も甘いわね・・・アタシは、妖が女性の可能性もあると思っていたわよ!」


「ええっ、本当ですか!?」

愛子
「だって、『妖』って字に『女』が入ってるでしょ?」


「ハハハ・・・」

美保
「どっちもあんまり変わらないよ・・・」












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