ファイル256:女名探偵VS顔なき殺し屋『前編』
京都府警
内海祐『京都府警警部』
「愛子さん、なんですか?このファイル。妖・・・虎洞・・・?」
瀬藤愛子『京都府警刑事部長』
「カン・フートンと読むらしい。」
祐
「ハァ・・・それでこれは?」
愛子
「中国マフィアの殺し屋よ・・・」
祐
「こ、殺し屋!?そんなものがどうして・・・」
愛子
「実は、ソイツが最近日本に上陸したらしいという知らせと共に、中国警察が送ってきたのよ。」
祐
「どうして殺し屋なんかが日本に・・・まさか、日本で殺しを?」
愛子
「まだわからないわ。だいたい、本当に入国したのかも未確認だからね。」
祐
「ハァ・・・しかしなんですか、このファイル。妖虎洞ってのはあだ名で、本名、性別、年齢全て不明。身体の特徴もほとんどないとは・・・」
愛子
「向こうではこう言われているらしい・・・『妖の足音を聞いたら目を閉じよ、姿を見たら命を失う』と・・・そんなワケで、ヤツの目撃情報はほとんどないというワケよ。なんでもソイツは中国マフィアのトップ直属の殺し屋で、組織内でもソイツの素顔を知っているのは4・5人もいないという話よ。中国警察も手こずっているらしいわ。」
祐
「しかし、妖虎洞ってあだ名だけじゃ、こっちも動きようがないですね。何も起きなきゃいいけど・・・」
愛子
「ええ。今は、『妖、来日』の情報が誤りである事を期待するのみだわ。」
祐
「そういえば、今日美保ちゃんは来てないんですか?本部長もいないし・・・」
愛子
「琴葉はフランスに避暑に行ってて、美保ちゃんはホテルでゆっくりしてるそうよ。」
祐
「そうなんですか・・・2人とも頼もしいのに、残念ですね・・・」
愛子
「ええ・・・」
京都プリンセスホテル
ジャーッ・・・
美保
「♪♪〜♪♪♪♪♪〜」
美保
「フゥ・・・スッキリ・・・ん?『中国マフィアの殺し屋・妖虎洞、日本に来日か!?』・・・ハァ・・・物騒な世の中になったものねぇ・・・下の売店にでも行ってこようっと・・・」
京都プリンセスホテル イベントホール
プルルル・・・
「おっと。」
「あなた・・・こんな時に電話切ってなかったんですか。」
「ああ、これは仕事の緊急連絡用でな。もしもの時のために切っちゃいけないんだ。外で話してくるよ。」
パタン・・・
「失礼しました。知り合いの結婚式の最中でしたので・・・はい?トイレに行け?」
「・・・あの・・・ここで何を・・・」
『Mr.黒崎、我々が何も気づいてないと思っているのかね。オマエの裏切りに対し、ボスは厳罰を持って処するという命令を下した。』
「ちょっと待ってくれ、誤解だ!話を聞いてくれ!」
『Mr.黒崎、判決はすでに降りているんだよ・・・』
「では、お届け先は白野邸でよろしいですね?」
美保
「はい、よろしくお願いします。」
「ありがとうございましたー。」
美保
「トイレに寄ったら、部屋に戻ってルームサービスを頼もう。なんか、お腹空いちゃったし・・・」
ズルル・・・
ドサ・・・
「完成任務了(任務完了しました)。」
『干得好。車巳経停在預定的地方(車は予定の場所に置いてある)。』
「好。」
ピッ。
カッカッ・・・
タッ。
スルスル・・・
ガチャ!
「!」
スッ・・・
カッカッ・・・
「・・・」
美保
「!!これは!?し、死体・・・」
ドン・・・
美保
「ダメだわ、もう死んでる!急所を刃物で一突き・・・恐ろしく鮮やかな手つきだわ・・・これはプロの仕業・・・?これ、真新しいわ。じゃあ犯人はまだ・・・?」
バッ!
美保
「このトイレには誰もいない。けど、私が入った時には誰とも会わなかった。!通風口のフタが開いてる!それじゃあ・・・」
タンッ!
スルスル・・・
美保
「うっ。せまい・・・」
ピタ・・・
美保
「(いる!誰かが動いてるわ・・・)」
「京都プリンセスホテルで殺人事件発生。犯人はホテル内の通風口を逃走中!!」
愛子
「美保ちゃん、ムリをしないで通風口から出て!!すぐに警察が到着する。」
美保
「ダメよ、この通風口はホテル中に張り巡らされてるの。全部の通風口を塞がないかぎり逃げられちゃうよ。犯人の顔を見た人がいなさそうなの。せめてヤツがどこから出たのかぐらい突き止めておかないと、捕まえられないよ。」
愛子
「犯人の顔を見た人がいない?」
祐
「愛子さん、まさか・・・」
愛子
「ええ。美保ちゃん、あなたは非常に危険な状態に陥ってる可能性があるわ。ただちに通風口から出て!!」
美保
「大丈夫、また連絡します。」
ピッ!
愛子
「あ、美保ちゃん・・・切っちゃった。内海君、急いで!!」
祐
「はい!!」
美保
「!3つに分かれてる・・・どっち?」
カンカン・・・
美保
「こっちだわ。」
カンカン・・・
美保
「また分岐。右だわ・・・」
カンカン・・・
美保
「また、右・・・!!(ヤバイ!!罠!?)」
ヒュッ!
ズダン!!
美保
「キャッ!!(クソ、追跡者の気配を感じて、確認のために一回りして見せたんだわ。)」
ガガガガ・・・
美保
「(来る!ヤツの狙いは正確だった!夜目が効くんだわ!だったらこれで、どうだ!!)」
ピカッ!
「!!」
美保
「動きが止まった。今だわ!!」
パシュ!
ドッ。
「恰。」
美保
「やったか?・・・!!うっ・・・」
「見たな・・・私の顔を。」 |