ファイル241:地球の神秘と陰謀(ストラテジー)『5・命がけのサバイバル2』
チチチ・・・
幹彦
「みんな、起きて!大変や!!」
繭美・健太
「あっ!!」
刃
「こ、ここは・・・」
幹彦
「ボクらは、山のてっぺんに連れて来られたんやな!」
健太
「キレイやな!」
繭美
「健太!感動してる場合?」
刃
「(雲は1000メートルから2000メートル付近に一番できやすい。となると、ここはそれよりはるか上の地点だわ!)」
健太
「ハークション!!」
繭美
「昨日の夜より寒い!」
刃
「昨夜は晴れていたから、放射冷却現象が起きたのね!」
健太
「?」
刃
「地球は太陽の光で暖められているでしょ。だけど、暖まった温度を維持するには、雲がないと温度が宇宙に逃げるのよ!」
健太
「晴れて雲がないから、暖かい空気が逃げていったのか!」
繭美
「へーっ!雲って地球のお洋服なんやな!」
幹彦
「繭美ちゃん、ゴミ袋かぶって何してるんや?」
繭美
「とっても暖かいの!刃ちゃんが教えてくれたんやで!」
刃
「頭と両手の出る穴を開けただけなの!ホラ、2人の分もあるよ!」
幹彦
「ホンマや、暖かいな!」
健太
「こりゃスゴいや!よっしゃ、山を降りるで!!」
刃・繭美・幹彦
「おーっ!!」
健太
「もうアカン、のどがカラカラや!」
幹彦
「朝はあんなに寒かったのに、昼になると暑いなぁ!」
繭美
「ウチもアカン・・・」
刃
「がんばって!ここで死にたくないでしょ?(考えてみれば、昨日から水を一滴も口にしていない。川にたどり着けないどころか、まる1日歩いても景色が変わらない。想像以上に高い場所に降ろされたみたいだわ。なんとか水だけでも手に入れないと・・・)」
健太
「グラスに冷たい氷を入れたジュースを飲みたいよー!!」
繭美
「ホンマ!」
刃
「グラスに冷たい氷!?そうだわ!!」
キョロキョロ・・・
刃
「あった!」
ガッガッ・・・
繭美
「何してんの刃ちゃん?」
刃
「水を集めるのよ!」
健太
「井戸でも掘るんか?」
刃
「ゴミ袋取って!」
ピッ!
ズボッ!
刃
「後はここにビニールをかぶせて・・・」
幹彦
「何を作ったんや?」
刃
「空気中の水蒸気を集めて、飲み水にするのよ!!」
幹彦
「そんな事できるんか!?」
健太
「のどがかわきすぎて、刃ちゃんが壊れたーっ!!」
刃
「ホラ、もうビニールの表面がくもりだした!」
ジワッ・・・
幹彦
「ホンマや!わかったで!この中に雲ができる仕組みを作ったんや!!」
繭美
「どういう事?」
幹彦
「ボクが昨日、雲ができる仕組みを話したよね?」
健太
「空気は水分をいつも含んでるけど、冷やされるとその水分を含んでいられなくなって、水となって現れるってやつやろ?」
幹彦
「そうや!見て!この透明なビニールを日光が抜け、穴の中の地面を暖めるため、地面から水分が蒸発して空気と共に上昇する。その空気がビニールシートの裏面まで上がってくるけど、ビニールは地面よりずっと冷たいから冷やされる。すると空気は水分を抱えられなくなり、ビニールの裏面に水滴をつけてしまう。」
健太
「なるほど!」
刃
「水滴はやがて中央に集まって、小さな雨を降らせる。1・2時間で真ん中のビニールコップは一杯になるはずよ!」
幹彦
「ボクも作ろう!」
健太
「ワイも!」
繭美
「ウチも!」
刃
「水がたまってるよ!!」
健太
「おいしい!」
繭美
「フーッ、生き返るー!!」
刃
「ウフフッ・・・」
繭美
「見て!空にいろんな雲が浮いてる!」
刃
「雲は空からの手紙っていわれててね、いろいろな事を教えてくれるのよ!」
幹彦
「あれ、絹雲やな!」
繭美
「絹雲?」
刃
「絹のように見えるあの雲よ!雲でも一番上にできるのよ!」
健太
「へーっ!でもあの雲のはじっこ、カールしてるで。」
刃
「これは弱い低気圧の圏内で、雲が上空に引っ張られているのかしら?」
健太
「低気圧?」
刃
「地球には、気圧の低い所と高い所があるのよ!水の温度が高い所から低い所に移るように、空気も気圧の高い所から低い所に移っていくのよ!」
幹彦
「その空気の移動が風やんな!」
刃
「あの雲がある所は恐らく気圧が低いから、気圧の高い周りの空気が引っ張られてどんどん上昇していってるのよ!」
健太
「それであの雲の端が引っ張られているんか!」
幹彦
「低気圧が通過する時、母さんは頭痛がするて言うけど、もしかして昨日ボクらの頭が痛かったんも気圧が低かったせい?」
刃
「たぶんね。普通は地上の気圧に慣らされているからね!」
健太
「なんや、頭痛は気圧が原因やったんか!」
刃
「熱帯で気圧がものスゴく下がって発達すると、台風になるのよ!」
健太
「低気圧ってパワーあるんやな!」
繭美
「絹雲の下にある、あのウロコの形をした雲は何て言うん?」
刃
「通称鱗雲。本当の名前は巻積雲よ!その下にあるのが高層雲!ヒツジの形をしているから、別名羊雲とも呼ばれてるわ!鱗雲の巻積雲も羊雲の高層雲もすぐに消える時は、その日は晴れだといわれてるの!」
繭美
「ヒツジの形がだんだん崩れてきた!」
幹彦
「じゃあ、今日は夜までずっと晴れやな!」
健太
「あのモヤモヤした綿みたいな雲が、入道雲ってヤツ?」
刃
「そう、積雲。夕方までに飛び散れば翌日は晴れるけど、入道雲が発達して積乱雲になれば、落雷と強い雨が降るの!アタシは実際に落雷に撃たれた事もあるわよ!」
健太
「ワイ、夏休みに海で大きな積乱雲に会ったで!水平線からどんどん大きくなって、雷とごっつう痛い雨を降らしたんや!」
刃
「積乱雲は普通の雲の10倍以上の大きさ!1立方メートル辺り3キログラム前後の水を含んでいて、全体では数十万トンもの水なんだって!」
健太
「冗談やろ?そんな重かったら、ドスンと落ちて来るよ!」
幹彦
「水滴の1つ1つはとても小さくて軽いから、大丈夫やで!」
健太
「なんや、そうか!」
刃
「(この分だと、今日一杯天気が持ちそうだわ!雨が降れば飲み水には困らないけど、体温が奪われ疲労が増す。やっぱり晴れた方がいい・・・)よし、みんな元気になったでしょ?がんばって山を降りましょ!!」
繭美・健太・幹彦
「おーっ!!」
服部平蔵
「一昼夜探しても見つからへんとなると・・・」
遠山和義
「まさか、誘拐!?」
和葉
「そんな!」
平次
「刃ちゃんがおるのに!」
大滝
「しかし、こんだけ捜索しても見つからへんとなると・・・」
和葉
「・・・」
平次
「刃ちゃん、どこ行ってもうたん?」 |