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FBIから来た女:3〜猛火・赤の章
作:ユーリ



ファイル235:別れのワインの惨劇事件『後編』



「!!そうか!やっとわかったわ!!そんな事が出来たのは、あの人しかいない!!!」

カツ・・・


「!」

平次
「どないしたんや、リアンちゃん?こんな所で・・・」


「平次、アタシわかったのよ・・・トリックも、犯人もね!!」

平次
「なんやと!!」


「大滝警部達をここに呼んで!!」





荻野
「主治医として情けないです・・・会長を助けられなくて・・・」

和葉
「そんな・・・荻野先生のせいじゃないですよ・・・」

『皆さん、お待たせしたな・・・やっと事件の真相がわかった・・・執務室に集まってくれ・・・』





大滝
「真相ってどういう事や、平次君!!」

平次
「確かに、一美さんがワインに毒を入れたのはまちがいないやろう・・・ただし、犬川さんはそのワインを飲まなかったんや!ただの一口も・・・」

大滝
「どういう事や?」

平次
「飲んだフリをして、窓際の鉢に捨てていたんや・・・」

和葉
「じゃ、心臓の発作やったん?」

平次
「イヤ、死因は毒による心臓マヒ・・・それはまちがいないやろう・・・」

真澄美
「何ワケのわからない事を言ってるのよ!姉さんが殺したに決まってるじゃない!!」

平次
「死んでも死に切れんやろなぁ、犬川さんも・・・最後の瞬間までアンタらを信じていたのに・・・」

和葉
「そやけど、信じてないから平次に依頼が・・・」

平次
「信じたかったんや・・・そやから2人を試そうとしたんや・・・和葉、VTRを再生するんや!」

和葉
「うん!」

パチッ・・・

大滝
「おお、これは・・・」

真澄美
「何よ、これ・・・」

平次
「全ては犬川さんの仕組んだ事やったんや・・・元々は心臓発作で倒れたフリをして、2人がどんな反応を示すか後で確認するためにこうしてVTRをセットしていたんや・・・だが、計画は多少変わってきた・・・長女の一美さんが自分を殺そうとしているのを、犬川さんは偶然知った・・・そこで急遽、毒を飲まされたフリをしたんや・・・その証拠が1つある・・・」

大滝
「証拠?」

平次
「刃ちゃんや。刃ちゃんは、一美さんがワインに毒を入れようとしているのを目撃していたんや。そうやんな、刃ちゃん?」


「うん。アタシ、それをもっとよく見ようと近寄ったら、突然後ろから口を塞がれて・・・しばらく地下室で眠ってた・・・」

平次
「ここで刃ちゃんを襲った可能性のある人物はおる。次女の真澄美さんや。真澄美さんにとって、一美さんは邪魔やったはず・・・一美さんの犯行に気づいて、それを邪魔されへんように刃ちゃんを閉じ込めたとしたら、遺産を独り占めするという意味では可能性もある・・・しかし、実は刃ちゃんを襲ったのは犬川さん本人やったんや。」

和葉
「ええっ!?」

平次
「犬川さんはおそらく、偶然一美さんを見たんや。ほんでそれをワインに毒を入れようとしているのを見てる刃ちゃんを目撃したんやろ。それで、一美さんの計画に乗じて自分の計画を実行する事にしたんや。そこで、計画を邪魔されへんように刃ちゃんを地下室に閉じ込めたんやろう・・・犬川さんが運ばれていく時地下室のカギがタンカから落ちたのを刃ちゃんが拾ったのが、その証拠や。吉村さんによると、犬川さんは地下室には出入りせえへんらしいからな・・・」

大滝
「そやけど、犬川氏の死因は毒によるものなんやろ?」

平次
「まず、まちがいないやろう・・・ただし、ワインや食事に混入されたんやなく、もっと直接的な方法で投与されたんや・・・犯人は皆の見ている前で、堂々と犬川さんに毒を投与したんや。和葉、VTRを一時停止させるんや!」

和葉
「うん!」

ピッ!

和葉
「え!?まさか!!」

平次
「そう、荻野先生・・・アンタやったらできたハズや・・・強心剤と偽って弛緩剤(どく)を打つ事がな!アンタは、犬川さんの計画を知ってたんやないか?考えてみれば、主治医の協力がなければ犬川さんの芝居も成立するはずがない・・・その場にアンタがいて診察すれば、すぐにウソやという事に気づくはずやからな・・・犬川さんは、アンタだけは信じて計画を打ち明けた・・・どういう経緯かは知らんが、その計画に便乗してアンタは犬川さんを殺す事を考えたんや・・・犬川さんの心臓が弱っていた事は皆が知っていた。主治医の診断なら、誰も疑ったりはせんからな・・・」

和葉
「でも、なんで・・・先生は遺産相続とは関係ないやろ?」

平次
「考えられるとすれば、復讐・・・主治医のアンタが犬川さんを殺すつもりなら、わざわざ手を汚す必要はなかったハズや・・・症状を軽く伝えておけば、犬川さんの性格や。引退などせんとムリを続けて、結局は自分の命を縮める事になったやろ・・・そうせずに直接手を下したという事は・・・」

荻野
「憎んでいたんですよ・・・それほどね・・・会長・・・イヤ、犬川幸次郎は・・・父の仇なんです・・・私の父と犬川は、事業を始めた時のパートナーでした・・・30年前の事です。2人で始めたベンチャービジネスが大成功したのですが、事もあろうにこの男は、父を裏切って無一文で放り出したのです・・・それからの父は惨めでした・・・いつもいつも、子供のボクに愚痴をこぼして・・・結局ボクが中学に上がるまでに母が亡くなり、父も自分で自分の命を縮めてしまいました・・・そして、医者になったボクの前にこの男が現れて・・・アイツ、ボクの事は気づきませんでした。でも、娘さん達の気持ちを試すからと今回の計画を聞かされた時に、決意が固まったんです!さんざん人を裏切っておきながら、人の信頼を試そうだなんて・・・許せなかった!!許せなかったんです・・・」





ブロロロロ・・・

真澄美
「さぁ、これから忙しいわ・・・お父様の残してくれた物を整理しなくちゃ・・・」

吉村
「その事ですが、お嬢様・・・旦那様の遺言があります・・・もし、自分に何かあった時は、全て寄付するようにとの事です・・・」

真澄美
「冗談じゃないわ!そんな勝手な事させるものですか!!」

吉村
「しかし、弁護士さん立ち会いの元に書かれた遺言状もございますし・・・」

真澄美
「いい事?遺留分ってものがあるのよ!当然、私がもらえる物はもらいますからね!!」

大滝
「真澄美さん・・・あなた、お父様の会社の株券を勝手に処分されたそうですね・・・横領の容疑で、重役会があなたを告発したそうです・・・」

真澄美
「ウソ・・・ウソウソ・・・ウソよぉ〜っ・・・」

和葉
「結局、犬川さんの遺産は娘さん達には1円も渡らへんワケね・・・」


「うん・・・」

平次
「そうやな・・・」



『アイツがリアン・ハートネスか・・・アイツがいれば、我々の計画は達成できぬ・・・早いうちに始末しておかねば・・・』

シュウウウウウ・・・












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