ファイル234:別れのワインの惨劇事件『中編』
刃
「(一美さんだわ・・・)」
スッ!
刃
「(注射器!!何をするつもりなの!?)」
プシュッ・・・
刃
「(中身は・・・?)」
カツ・・・
刃
「!?」
ガバッ!!
刃
「うっ!!!(いけない!ク・・・クロロホル・・・ム・・・)」
和葉
「もう、どこ行ってもうたんやろ、刃ちゃん・・・」
犬川
「え〜、ワシの誕生日に皆集まってくれた事感謝する・・・ワシは近々、会長職を辞するつもりだ・・・つまりは引退だ・・・ついてはワシの保有する全株、及び会社運営の権利全てを猫売産業に売り渡す事にした!オマエ達も会社に留まりたければ、新しい経営陣にその実力を示すんだな・・・会社を売り渡した莫大な資産も、全てワシが勝手に使う!オマエらにはビタ一文もくれてやるつもりはない!たとえ、娘でもな・・・」
一美・真澄美
「!!」
刃
「うぅ〜・・・」
ムクッ・・・
刃
「クソッ、油断しちゃった・・・急がないと!!」
ダッ!
ググッ・・・
刃
「彼女がワインに入れたのは、おそらく毒物だわ!!それをどう使うつもりなの!?」
真澄美
「私はお父様の決定に反対したりはしませんわ・・・」
一美
「私もよ・・・お父様の新たな門出を記念して、57年物をカーヴから出してきました・・・お父様のようなワイン通に飲まれてこそ、価値が出るモノですわ・・・私達のような価値もわからない者に飲まれたんじゃ、ワインがかわいそう・・・」
トクトク・・・
一美
「はい・・・」
犬川
「うむ・・・」
平次
「案外、親思いやないか・・・」
和葉
「なぁ、さっきから刃ちゃんが見えへんねやけど・・・」
平次
「ああ・・・」
ダンッ!!
ゴロゴロゴロ・・・
ガンッ!!
刃
「イッタァ〜・・・何ぃ?金庫ボックス・・・これだわ!!」
カチッ!
刃
「制御装置、解除!!やああああっ!!」
ドゴォ!!
バキッ!!
バッ!!
刃
「成功!!でも、イッタ〜イ!!」
「キャアアア〜ッ!!」
刃
「ん?」
タタタ・・・
刃
「和葉姉!!」
和葉
「刃ちゃん!?」
刃
「犬川さん、どうしたの?」
和葉
「突然倒れちゃって・・・」
荻野
「会長!!」
グッグッ・・・
吉村
「どうなんです!!」
フルフル・・・
一美・真澄美
「お父様ーっ!!」
吉村
「会長ーっ!!」
平次
「警察を呼べ!!一応、変死になる!警察の検死が必要や!!」
刃
「(グラス・・・?)」
大滝
「では、ワインを飲まれた直後に倒れられはったんですな?」
一美
「はい・・・」
真澄美
「殺されたのよ!!いくら心臓が弱ってたからって、ワイン1杯で倒れるワケないわ!ワインに毒が入っていたのよ!!」
一美
「なんですって!?それじゃ、私が毒を入れたとでも言うの!?」
大滝
「失礼ですが、持ち物を調べさせてもらってもよろしいかな?」
パラパラ・・・
カサ・・・
一美
「・・・!!」
大滝
「荻野先生、このアンプルが何なのかわかりますか?」
荻野
「・・・筋肉弛緩剤のようです・・・」
大滝
「では、これを犬川氏に投与したとすると、どうなりますか?」
荻野
「健康体でも非常に危険な物です・・・心臓に持病のあった会長でしたら・・・」
一美
「う、うう、うああああ〜っ・・・」
刃
「(毒をワインに入れたのは、一美さんにまちがいないわ・・・だけど、アタシを襲ったのは誰なの・・・?)」
大滝
「一美さんの動機に、何か心当たりは?」
真澄美
「姉さんの画廊はずいぶん借金がかさんでいるらしいから、遺産を狙ったんじゃないかしら・・・」
平次
「犬川さんは、実の娘にも一文も残さへんって言うとったよ・・・」
真澄美
「バカよね・・・お父様が何と言おうと遺留分てものがあるんだから、黙ってても何分の一かはもらえる事になるのに・・・」
刃
「(この真澄美さんがアタシを襲ったのかしら?一美さんの犯行に気づいて、それを邪魔されないようにアタシを閉じ込めたとすれば・・・一美さんの犯行が立証されれば、莫大な遺産は独り占めだわ・・・)」
チャリ・・・
刃
「?」
ヒョイ!
刃
「(カギ束にもつけず、1本だけ・・・?)ねぇ、吉村さん!」
吉村
「ん?」
刃
「これ、どこのカギ?」
吉村
「ああ、地下室のカギかな?おかしいね、旦那様は地下室なんて出入りされないんだが・・・」
刃
「(ま、まさか・・・!!)」
ガバッ!!
刃『うっ!!』
犬川『・・・』
刃『うぅ・・・』
ガクン・・・
ドサッ!
ガチャ・・・
刃
「(アタシを襲い地下室に閉じ込めたのは、被害者の犬川さん!?だとしたら、毒が入っている事を知っていながらワインを飲んだ事になる・・・そんなバカな!?)ん?」
キラッ・・・
カッ!
刃
「(VTRカメラのレンズ!!コードが天井に伸びている・・・)」
タタタ・・・
タッ!
パチ・・・
キュルル・・・
カチ!
刃
「(自分を殺した犯人を記録しておくためかしら・・・?・・・ん?)」
キュルルルル・・・
刃
「!!」
パチ・・・
ガタッ!
クンクン・・・
刃
「(この匂い・・・やっぱり犬川さんは、ワインを飲んじゃいなかったんだわ!!一美さんがワインに細工しているのを知っていた犬川さんは、ワインをこの鉢に捨てた!そして、飲んだフリをして苦しんで見せた・・・一美さんと真澄美さんの反応を見るために・・・でも、実際に犬川さんが毒を飲んだ事はまちがいない・・・わからない・・・どうやって毒を飲ませたの!?ワインなんかじゃなく、たとえばカプセルに入れて飲ませるとか・・・イヤ、それじゃあ時間の計算が合わない・・・ダメだわ・・・みんなの前で犬川さんに毒を飲ませるなんて不可能だ・・・飲ませる・・・?)そうか!やっとわかったわ!!そんな事が出来たのは、あの人しかいない!!」
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