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この作品には 〔残酷描写〕 が含まれています。

性病クリーン義務という法案が可決されました

作者:セロリア
小さな女の子が夕方、ニュースを見ている。

キャスター〈今起こっています、現存する全ての薬が効かない、いわゆるスーパー耐性菌や、ウイルスが猛威を振るっている状況において、政府は緊急に国会を開き、与野党一致である法案が可決されました、この法案が可決された事に、専門家らは差別やいじめを助長するとして、異議を唱えていますが、あまりの急激な患者の増大を考慮した結果、仕方ない事、やむを得ない処置だとする動きが活発化しています、この法律により、日本国内に在住する人、国内の旅行者や、アメリカ軍、国防軍、警察、国会議員らも、誰一人例外なく、2ヵ月に一度の詳しい医療検査を義務付けられる事になりました、では、この検査でもしも陽性、つまり、感染者だと判明した場合、一体どうなるのでしょうか?今日は、そこのところに詳しい人にお話を聞く事にします〉

禿げたおじさんが映る。

キャスター〈日本病理医科大学、バイオ研究の第一人者で、今は教鞭を取り、数多くの生徒さん達を教えていらっしゃいます、橋田一臣さんに来て頂きました、今日はお忙しい中本当にありがとうございます〉

橋田〈いえいえこちらこそお呼び頂いて〉

キャスター〈では、早速何ですが、もしも感染者だと分かった場合は、どのような処置と言いますか、対応と申しますか・・〉

橋田〈私はまず、結論から申します、これは癖なので、悪気がある訳ではないのを予め了承をお願いいたします〉

キャスター〈は、はい・・では、どうぞ〉

橋田〈・・ゴホン、では、まず、結論から申しまして、感染者は安心してください、まずは、発覚後、病理研究センターにお越し頂き、そこで専門的な治療を行って頂きます、今の性病は、完全な耐性菌、耐性ウイルスなので、根本的な解決とは行きません、しかし、そのまま放っておけば、確実に発症し、死に至ります、昔の性病とは一味どころか、別次元に違います、発症まで、最短で20日という記録が出ております、これは梅毒のデータです、そして、この耐性梅毒と耐性HIV ウイルスを同時に感染した場合、HIV の発症時期が大幅に短縮され、・・これは、非常に言うのも勇気が要りますが・・最短で35日でエイズ発症したというデータがあります、これは、嘘偽りない、本当のデータです、私の人生、プライド、命に掛けて、誓います〉

キャスター〈全部本当だと?〉

橋田〈勿論です、誓えます、この研究データにより、国会で議論され、法案が可決されたのですからね〉

キャスター〈増えている?〉

橋田〈増えている?はは、そんな・・あのね?そんな生易しいもんじゃないですよ、激増より酷い、言い方を選ばないで、言わせて貰えば爆発です、恐らくある時期に感染した方々が一気に同時期に発症し、症状が出てから来院されたから発覚したんです〉

キャスター〈具体的に感染が発覚したら、どうすれば?〉

橋田〈とにかく落ち着いて、検査を受けてください、それが自分だけでなく、周りの人間の為にもなるのです、検査を受けて発覚しても、直ぐに死ぬ訳ではありません、現存する全ての薬は効きません、繰り返します、現存する全ての薬は効果はないです、今も我々は休まずに研究を続けております、一刻も早くこの病気をこの世界から無くすべくです、しかし、まだまだ時間が掛かる事は否めません、ですから、せめて、せめて、感染拡大だけは、絶対に阻止しなくてはなりません、どうか、どうか、早めの検査を!宜しくお願いいたします〉

キャスター〈・・はい、怖いですね、では、感染経路等はー〉



一週間後。


あるカップルが検査にやって来た。

白服達から、アパートまで来られ、義務だからと連行されて来たのだ。

白服達はゴーグルにマスク姿。

医者「はい、全身脱いで、二人共ねー」

彼氏「ここで?は?ここで?」 周りには白服達。

彼女「あのー、あたしは、何処で?」

医者「いや、だからここで!早く!次がつかえてるんだからさ!」

彼氏「はあ?ふざけんなよ?てめえ?」 医者に詰め寄る。

白服1「逮捕するよ?」

彼氏「はあ?」

白服2「自分ら警察だから、ほら」 手帳を見せる。

彼氏「は?ちょ、いくら何でも、ここでマッパはさあ?」

白服3「嫌?嫌なら逮捕するけど?」

彼氏「い、いやってか・・ここでマッパが嫌なだけで、個室とかさあ?」

白服4「暴れたり、馬鹿な行動したりする奴らが多いからこういう仕組みになったの、早く脱いで、嫌なら逮捕、分かった?」

彼氏「・・」 仕方なく脱ぎ始める。

彼女「・・」脱ぎ始める。

二人共に見た目は問題ないように見える。

が。


次の検査、血液検査で陽性。


二人共に感染者だった。


そのままガス室に送られ、一瞬に眠るように死亡。



日本は他国から観光するのを嫌がられ、日本国内の人口は極端に減った。

がー。


対応が早かったオーストラリア、スイス、ドイツ、日本、アメリカ、シンガポールは一時期極端に人口が減ったものの、感染者狩りが成功し、根絶に成功した。


一方、対応が遅かった中国、ロシア、インド、インドネシア、タイ、ブラジル、カナダ、イタリア、フランス、は死体の山、山、山、山、山、山、山の対応が追い付かず、無事な国々に逃げようとしたが、鎖国状態の国々は、これを射殺。

封じ込めに成功していた。


誰しもが血液、体液、唾、風呂水、回し飲み等は怖くて出来ない状況、疑心暗鬼な状況が2年続き、やがて、保菌者達が全員死んだと解ると、皆ほっと一安心し、また人口が増えていった。

日本国内においては、人口は一億人超えから、4千人弱まで減ってしまった。

死体の山を映しながら。

キャスター〈橋田さん、どうしてここまで被害が出たのでしょう?〉

橋田〈皆さん、最初はそれほど関心が無かった、これに尽きると思います、身近な人が感染者になり、精神に直にショックを受けて初めて危機感を持つ、そこでやっと現実感が涌くという事ですね、そして自分もと、検査をしたらもう手遅れ、そしてある時点、つまり、ニュースで、新聞、雑誌、ネット、身近な人達に沢山嫌な話を見聞きし始めたところで、やっと皆さん用心し始めたから、4千人弱の人間が生き残れた、そう思います〉

キャスター〈・・薬は、まだまだ時間が掛かるのでしょうか?〉

橋田〈はい、まだまだ掛かるでしょうね、病気は遠くにあらず、近く、本当に近くにあるという事を、改めて深く認識せざるを得ないと、そう、思いますね〉

キャスター〈ありがとうございました〉

〈END〉

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