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短編・詩 全般

作者: 些稚 絃羽

心にできた傷は、背中にできた傷と似てる

いつの間にか負っていて

手を伸ばしても届かなくて

不意に当たるとぴりりと痛みが走る

見たくても見えなくて

1人で触れるのは怖くて

誰かに触れられるのも怖くて忘れようとする

そしてまた新しい傷を負う

塞いだかさぶたが剥げて血が滲む

絆創膏を貼ることすら叶わなくて

痛みを堪えて唇を噛む

他の痛みを作ってもその痛みは消えなくて

体を抱き締めてみても剥き出しのまま

無防備に茨の中に肌を晒している

肌では、服では、隠せないんだ

どうしたらいい

何もない部屋の中に閉じ篭ってみても

どこからか出てきた棘がまた傷を作るんだ

どうしたらいい

逃げたくはないんだ

痛みのない世界に逃げ込みたくはないんだ

どうしたらいい

誰でも心に弱い部分を抱えていて、そこは少し触れられるだけで傷を負うでしょう。治ったってまた傷を負って。それから完全に逃れるなんて無理かもしれない。そうだとしても生きていく事をやめたくはない。やめてほしくもないのです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] まず導入部分で、傷とはどういうものなのかという説明が書かれていたのでよかったです。 そしてその出来た傷に対し、立ち向かう強い姿勢も文章から感じました。 個人的にこういう類のものは好きなので…
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