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第19話〜凛の苺と会長のレイス〜
「それで師匠」

俺がひとり心の中で決意を固めていると、ふいに凛に声をかけられた。

「ん?」

「私ってなに属性なんですか」

そういえばまだ確認してなかったな。
俺は差し出された魔側紙を受け取り色を確認する。

色は・・・緑、灰、黒色か

「凛の属性は風、光、それとレアだな」

「レア?」

まさか凛にレアがあるとはな、やはりこれも大天使の生まれ変わりのせいか

「レアっていうのは希少属性のことだよ、最初はわからないと思うけど、いつか何かわかるときが来ると思う。」

まあ一生わからない人もいるらしいが、しかたないだろう

「なるほど〜」

「それより早く本題の方を済ませるぞ」

「本題?」

「お前もうわすれたのか?」

俺はあきれながらその例の物を取り出し、前に差し出す。

「あ〜、レイスですね、もちろん覚えてましたよ〜」

凛は少し慌てながら俺からレイスの原石を奪い取る。

「まぁいいや、じゃあそれに魔力を流し込んで」

「はい」

凛は目を閉じ、意識を集中させると、すぐにレイスの原石がまばゆい輝きを放つ

「それが凛のレイスか」

「これが私の・・・」

輝きがおさまり目を開けると、凛の両腕には腕輪が着いていた。

「名前は?」

「え?」

突然の俺の質問にしばし固まると、すぐに口を開く。レイスはできた瞬間に頭のなかにそのレイスの名前がわかるようになっている。だから凛もおそらく・・・

「・・・ライトエリエール」

「そうか、いい名前だ。」

凛の腕輪、ライトエリエールは色は全体的に白で、両端は青いラインの線が通っており、中央にひし形の大きめなダイヤモンドのような宝石が埋め込まれている、その宝石の左右にも小さな透明な宝石が埋め込まれている。

「あら、清人くんに凛ちゃん?」

ふいに俺達の来た方向から聞き覚えのある声が聞こえてくる。

「まひろか」

「あ、まひろさん」

ふたりは同時に振り返ると、どこかのお嬢様のようなワンピース姿をしたまひろ生徒会長がたっていた。まぁ本当にお嬢様なんだけどな。

「こんにちわお二人さん」

「ああ、こんちわ」
「こんにちわ〜」

まひろが軽く頭を下げ挨拶をしてきたので、こちらも軽く頭を下げ挨拶をする、するとまひろは俺と凛をジト目で見ながら質問をふっかけてきた。

「で、二人でこんな森の奥で何をしてたのかしら?」

語尾に若干怒り的なものが混ざっているような・・・

「なにって、凛にレイスの作り方を教えてたんだよ」

「そ、そうでしたか」

まひろは自分の想像していたものと違ったらしく顔を赤くしながら俯いてしまった

「なにしてると思ってたんだ?」

「な、なにってその・・・」

俺がそう聞くと耳まで真っ赤にしてしまった。

「まぁいいけど、お前こそどうしてこんなところに」

「そ、それは、ここから微かに魔力を感じたから」

まだ恥ずかしさが抜けないのか、顔を赤くしながら言う。

「ああ、たしかに一瞬だけ魔力が強くなったもんな」

「そ、それよりレイスはできたの?」

「ああ、あれ」

俺は腕を組みながら顎で凛を示す、凛は今だに両腕のレイスを見ている。するとこちらの視線に気づいたのか、凛はまひろの目の前で両腕を前に差し出す。

「見てくださいよまひろさん!私のレイスができたんです!」

「ええ、とっても綺麗ね」

「はい!」

俺はその二人のやり取りを黙って見つめていた、同い年だって言うのに、凛は新しい玩具を得た子供のように喜び、それをまひろがやさしくあやしている様子はまるで姉妹みたいだな。

その後しばらく二人の様子を見ていると、凛が突然まひろに質問をした。

「そういえばまひろさんのレイスはどんなレイスなんですか?」

「私の?」

「はい!」

まひろは少し考え込み。

「う〜ん、なら見てみる?」

「いいんですか?」

「いいわよ、減るもんじゃないし、そのかわり条件があるけど」

「条件?」

まひろは凛にそう告げると、俺の方を指さす、凛もつられて俺の方を見る。

「清人くんの、レイスを見してくれればいいわよ、もちろん木刀じゃないほう」

「はぁ?なんでそんなめんど・・・」

くさいこと、と言おうと思ったが、こちら見ている凛の目からお願いしますオーラが出ている。・・・めんどくせー

「わぁったよ」

「交渉成立ね、じゃあちょっと凛ちゃん離れてて。」

凛は言われたとおり5、6歩後ろに下がる。

まひろは右手を前に出す

「クラン・イン」

言葉と同時にまひろの右手には一本の弓が握られていた。

「これが私のレイス”氷花”よ。」

まひろのレイス、氷花は、全体の色は水色で、持つ部分の弓の中心部分だけは持ちやすいように細くなっている。姫反と、下姫反の部分|(弓の引っ張られる部分の上下のこと)は普通の弓より太くなっている。弦|(糸)はなく、撃つときに魔力で自動的にできるらしい。やはり弓を持つところのすぐ上下に丸い黄色い玉がついており、そこから弓全体にいかづちのような黄色いラインができている。

「すご〜い、かっこいい〜」

凛はまひろの氷花を見て感想をもらしている。一方のまひろは俺の方を向いていた。

「さぁ、次は清人くんの番よ。」

「ああ」

俺は腕を下ろし、ゆっくり深呼吸をする。そして

「我、人の中に封印されし第一の扉よ、解き放て・・・解神」

いつものように一瞬体が熱くなったかとおもうと、体に魔力が満ちるのを感じる。

「クラン・イン」

そしてすぐさまレイスを起動する。凛はあいかわずすごい!といいながら俺のレイスを見ている、まひろは驚きながらも俺を見ている。

「その力の解放っていうのはなるたびにあの呪文みたいの言わないとだめなの?」

「まぁ頭の中でもいいんだけど、慣れるまでは口でいったほうがやりやすいんだ。」

「なるほど」

俺の回答にうんうんと納得している。

「じゃあそろそろ帰るか」

言うと同時に俺はレイスを戻し、まひろも頷きながらレイスを戻す。ってかやっぱりこの戻ったときの喪失感は嫌だな。

「え?これどうすれば戻るですか?」

凛は俺達のレイスが戻るのを見て疑問を口にする。

「頭の中で強く戻れってイメージすればもどるわよ」

俺のかわりにまひろが答える、レイスの起動も停止も頭の中で強く願えば言葉なしでもできる。起動は難しいが

「あ、本当だ」

凛は言われたとおりにやったのだろう、凛のレイスはブレスレットの形へとなっていた。それを確認した俺は二人を連れて森をでた。

「じゃあ私はこっちだから」

森を出て歩道に出ると、まひろは俺達と逆の方向だったのでそこで別れることとなった。まひろと別れると、すぐに俺の携帯が震えだす。

「ヒメからメールだ。」

「ヒメさんから?」

俺はメールの内容を確認する

「ヒメさんなんだって?」

「醤油買って来いだとさ、商店街行くか。」

「うん、わかった」

そのあと二人でちょっと遠回りになるがスーパーにより醤油を買った。

「本当によかったのか?」

「うん」

よかったというのはさっきのスーパーでのことだ。俺が凛に好きな菓子でも取ってこいといったんだが、

「別になにもないからいいよ」

と言われてしまった、確かにほしいものがないならしかたがないが、俺から見るとどうしても遠慮しているように思える。もっと打ち解けてもいいと思うんだけどな〜

俺はなにかいい案はないかと帰りの商店街を歩いていた。

「あ!」

俺はたまたま目に入ったその店に走り出した。凛も俺が走り出したのに驚きながらもついてきた。

「はぁはぁ、どうしたんですか?急に走り出して」

「ちょっと買いたいものがあってね」

そういうとおれはその店の前で立ち止まった。

「ここって、八百屋?」

凛が一人でつぶやくと、俺はポケットから財布を取り出し、奥にいるおばさんに叫ぶ。

「すいませーーん!苺3パックください!」

「はいよー!毎度あり!」

俺はおばさんに代金を渡すと苺の入ったビニールを受け取る。

「あ・・・」

凛は俺達のやり取りを見ながら呆然としている。

「なにしてんだ?置いてくぞ」

俺はとっとと歩き出し、凛も無言でついてくる。

商店街を抜け、少し歩いていると、凛が俺に声をかける。

「あの・・・その・・その苺、私のために買ってくれたんだよね・・・」

「・・・・」

「ごめんなさい」

俺は足を止め後ろを少し振り返る。

「なぁ、なにか勘違いしてるかもしれないが、これは俺が食べたいと思ったから買うだけだからな、凛が誤る必要はねぇよ」

それだけ言うと、俺は再び足を動かす、凛の足音が聞こえないが大丈夫だろう。そう思っていると、腕に凛がくっついてきた。

「お、おい」

俺はすぐさま引き離そうと思ったが、凛のちいさな泣き声を聞き、しかたないと溜息をつきながら家へと向かった。

「・・・ありがとう・・・」

そんな凛のちいさな言葉は清人の耳には届かなかった。

結局腕に抱きつかれながら家に帰り、それをみたヒメが発狂し、俺に襲い掛かってきた。俺はヒメに首を絞められ最悪だと思っていたが、それをみていた凛がうれしそうな笑顔でこっちを見ていた。俺はそんな笑顔を見て思った。


ま・いっか

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