とはいえ、そんなたいそうな決闘内容と言えない自分がいます
この話、掲載日の都合により『遊戯王wikiにほぼ確定と見られる情報はあるが未発売』というカードが存在します
なので、そのカードはオリカ扱いとしてオリカの方にも掲載されています
多分、大きな変更はないと思いますが念のため
『最終話』まであと4話、アニメで言うと1ヶ月くらいです
かなり無理なオチになるとは思いますが、一応予想外のオチなるとおもいます
いえ、なります
TURN39-障害!踊らされるデュエル
「ここが目的地だ」
夜があける程のヘリでの長旅でたどり着いた目的地、そこは
「島?」
「そう、無人島だ」
木もなく草もなく
命の気配すら感じとれない荒れ果てた岩肌の島
「無人島……のわりにはあれ、なんですか?」
紅衣の指差す先には建物が1つ
家屋と言うよりは研究施設だ
「あれがラスボスのいる研究所だ」
「いやラスボスって……」
烈斗の力の抜ける表現に思わずツッコミを入れたのは神騎
「『Dark Side』が生まれた場所だ」
その一言に緊張が走る
そう、ここには常識は通用しない
常識の外側――カードの精霊の世界にまで浸食してしまった現実世界
「行くぞ」
そう言う烈斗はやはりいつものようなふざけた表情ではなく、鋭く冷たい真面目な表情であった
――……‥
‥……――
研究所までの距離は思ったより遠く、ヘリの着地地点から少し歩くこととなった
研究所に近づいて見ての神騎と紅衣の感想は1つ
「なんと言うか、人の住んでる気配ないな」
「ああ、無機質だな」
人の住む気配がしないどころか、魂を感じられない冷たさ
言わば『建築物としての死』を迎えたような場所
「なに呆けてんだ、行くぞ?」
そんな光景に見向きもせず、烈斗は自動ドアを通り中へと進んで行った
「ちょ!?早いって!!」
一人足早に進む烈斗の後を慌てて追う二人
自動ドアを抜けるとそこは薄暗く、何もない大広間だった
「あれ?」
先ほどまでどんどん進んでいた烈斗が何故か立ち止まっている
「……おい、役者はそろったぞ」
「カカカッ……3人がかりですか」
妙に甲高い声
声の主を見てみると
「……なんだ、アイツ」
その姿は道化師そのもの
仮面をつけているため、顔は分からない
「私は『クラウン』……とでも呼んでいただければ」
妙に恭しくお辞儀をするクラウン
「いや名前は聞いてねぇよ!!」
「落ち着け、神騎」
律する烈斗
「ここから先に進むには、必ずこの扉を通らなければなりません」
クラウンが指差した先には、硬く閉ざされた木の扉があった
「もちろん、タダで通す気はございません」
「(力ずくで行けないかな?)」
「(多分、無理だろ)」
確かに純粋な1対3ならば、こちらに分がある
しかし、向こうには『Dark Side』という得体の知れない物がある
そうでなくても、相手が本当に1人とは限らない
だからこそ、烈斗が動きを見せないのだろう
「この扉を開くためには、『デュエルエナジー』が必要となります」
「「『デュエルエナジー』……?」」
初めて聞く単語に思わず聞き返す二人
だが、烈斗に動じた様子はない
「『デュエルエナジー』とはいわばデュエリストの闘気!」
両手を広げ、大げさに話すクラウン
「よって今!ここで!私と!デュエルをしてもらいましょう!」
「よっしゃぁ!!俺が相t
「待て」
勢い良く飛び出そうとする神騎を止める烈斗
「紅衣、お前が行け」
「なっ!?何でですか!」
「俺は神騎に勝った。神騎はお前に勝った。……分かったな?」
「……はい」
悔しげな紅衣
烈斗はつまり、『神騎より弱いから先に行け』と言っているに等しい
しかし、事実なのも確かではある
ゆっくりとクラウンの方へ向かう紅衣
「烈斗!!あんな良い方はないだろ!!」
「うるさい」
「!?」
烈斗らしからぬ冷めた雰囲気に言葉をなくす神騎
「では、この僅かながらの宴を楽しみましょう」
「俺はお前に用はないからな……速攻で潰す!」
「「デュエル!」」
「私のターンドロー」
先攻はクラウン
「『ジェスター・コンフィ』をその効果により特殊召喚いたします」
「『ジェスター』?」
クラウンが特殊召喚したのは、ボールの上に乗った道化師
「カードを1枚セットしてターンを終了といたします」
△
■
4000/4
「俺のターンドロー!」
後攻は紅衣
「『ABS-code03』を召喚、さらに効果発動だ!」
クラウンLP4000→LP3700
「行け!『code03』!」
「罠を恐れないとは、流石です」
手を鳴らしながら言うクラウン
「では、リバース発動、『くず鉄のかかし』。攻撃は無効とさせていただきます」
「『くず鉄のかかし』だって!?」
『くず鉄のかかし』は、神騎がテスターデッキを貰った際に入っていたカード
つまり、まだ一般発売はされていない
「ちっ、カードを2枚セットしてターンエンドだ!」
△
■■
4000/3
「では、私のターン……の前に!『ジェスター・コンフィ』の効果発動!」
「このタイミングで!?」
今はまだ紅衣のターン、エンドフェイズである
「自身の効果で『ジェスター・コンフィ』を特殊召喚した場合、相手のターンのエンドフェイズに相手モンスター1体を道ずれに手札に戻ります」
「……まさか!?」
クラウンの場には『くず鉄のかかし』があるため、モンスターの攻撃は1ターンに1度は防がれる
さらに『ジェスター・コンフィ』の効果で毎ターン、モンスターは手札に戻される
「ロックか……」
「貴方は私の手の平で踊らされていれば良いのですよ。改めて私のターンドロー」
見せつけるような、大げさな動作のクラウン
「くそっ……早く『くず鉄のかかし』を何とかしないと!」
「その心配はありませんよ。私はカードを1枚セット。『ジェスター・ロード』を召喚いたします」
新たにクラウンが召喚したのは、やはり道化師を模したモンスター
ボールをジャグリングしている細身の道化師だ
「このモンスター以外に場にモンスターが存在しない場合!『ジェスター・ロード』の攻撃力は魔法,罠カード1枚につき1000アップします」
ジャスター・ロード
ATK0→ATK4000
「それでは幕引きです」
その時
「紅衣!勝てるのか?」
「烈斗さん……」
開いた扉を背にした烈斗と神騎
「な!何故扉が開いている!?」
「この程度のセキュリティで止められると思うな」
ハッキングにより開けたらしい
しかし、これで紅衣の戦う理由がなくなった
「紅衣。俺達は先に行く。お前はどうする?」
「……俺はコイツ倒してから行きます。先に行っててください」
クラウンの方を向きなおすし
「……良く言ったな」
扉の向こうへと進む烈斗
「神騎!俺の出番は残しとけよ!」
「おう!!」
烈斗の後を追う神騎
「……さぁ、続けようぜ」
「仕方ありません!では、望み通り貴方に止めを刺した後に追うとしましょう!『ジェスター・ロード』の攻撃!」
「リバースカード発動!『非常食』!」
紅衣LP4000→LP5000
「セットしておいた『召集システム-ABE』を墓地へ送るぜ!」
「ちぃ……」
ジェスター・ロード
ATK4000→ATK2000
紅衣LP5000→LP3000
「どうやら甘く見すぎていたようですね。『ジェスター・コンフィ』を自身の効果で特殊召喚」
ジェスター・ロード
ATK2000→ATK0
「新たにカードをセットしターンを終了といたします」
△△
■■■
4000/2
「エンドフェイズに墓地の『召集システム-ABE』の効果発動!デッキから☆3以下の『ABS』と名の付くモンスターを特殊召喚……俺は『ABS-code01』を特殊召喚!」
「チューナーですか……」
迷いなく『チューナー』を口にするクラウン
まだ商品化されていないため、一部でしか情報は出回っていないはずなのだが
「ドロー!手札を1枚捨て、『ABS-code011』を特殊召喚!」
「シンクロ召喚でもするんですか?」
やはり大げさなクラウン
見ていて嫌な感じである
「いいや、しないさ。数で攻めるのが、今1番良い手だからな」
「……そうですか。では、リバース発動、『バック・ダンス』。特殊召喚されたモンスターを守備表示に変更し、エンドフェイズに手札に戻します」
滑るように転ける『ABS-code011』
そのまま守備表示に
「くそっ……そう来たか」
「これでそのモンスターはさしずめ独活の大木ですね」
「なら!リクエスト通りにしてやるよ!」
一筋の光が紅衣の場に降り、吹き上がる火柱
「集いし炎が新たな力を呼び起こす!シンクロ召喚、焼き尽くせ!『ABS-ENF』!」
陽炎揺らめく中、現れるシンクロモンスター
しかしクラウンの見えない表情はどこか楽しげだった
「貴方の踊りもここまでです」
「なに!?」
「やはり貴方は踊らされていたのですよ!リバース発動、『シンクロ・キャッチャー』!」
クラウンの発動したカードからネットが飛び出し、『ABS-ENF』を捕まえる
「このカードは相手がシンクロ召喚に成功した場合に発動できる永続罠!相手の場に『キャッチャー・トークン』を2体送りつける代わりにそのモンスターのコントロールを得る事が出来ます!」
ネットに捕まれたまま、クラウンの場に引きずられていく『ABS-ENF』
「切り札、ありがたく頂戴いたしました」
「……チューナーにした『ABS-code01』の効果で600ダメージだ」
クラウンLP3700→LP3100
「無駄です。新しく召喚したモンスターは『くず鉄のかかし』と『ジェスター・コンフィ』のコンボの前に何も出来ずに手札に戻っていくのですから!」
「ああ、問題は『くず鉄のかかし』だな。……あ、そうそう」
思い出したかのように、不意に言う紅衣
「なんでしょうか?遺言なら聞きますが?」
「いやいや、そうじゃなくて。勘違いしてるみたいだけど」
紅衣の場の2体の場のモンスターが燃え上がる
「これが俺の切札だ!『ヘルフレイムエンペラー』!」
「そんなバカな……デッキを変えた際に抜いたのでは……!?」
シンクロ召喚と召喚制限つきの最上級モンスター
相性は悪い
「いやいや。大切な人から貰った大切なカード……そう簡単に抜けないさ」
過去を思い出しているかのように、少し目を瞑る
そして、一息つき
「『ヘルフレイムエンペラー』の効果だ!ブレイジング・フレイム!」
燃え上がる『くず鉄のかかし』,『シンクロ・キャッチャー』
拘束していた網がはがれたことで、『ABS-ENF』が紅衣の場に戻る
「これで『ABS-ENF』は返してもらったぜ。バトル!2体で攻撃!」
「ひっ…ひぃぇぇぇぇ!?」
うろたえるクラウン
「ブリチェット・ファイア!ディストラクション・フレイム!」
クラウンへ向けての2体の炎撃
「……急ごう」
クラウンの様子を確認せず、足早にその場を後にする紅衣
神騎達が通った通路へ駆ける
扉をくぐり、二歩ほど踏み出した瞬間
「うっ……」
不意に強烈な倦怠感に襲われ、壁に倒れ込むようによりかかる
「なんだよ……これ」
「……デュエルエナジーは心の力」
背後からクラウンの声
だが、振り返る力すら今の紅衣にはない
「想いや願いが、精霊を進化させる」
話を続けるクラウン
先ほどまでのような芝居がかった言い方ではない
「体だけで人は動いてないのだよ」
「じゃあアレか。心が疲れたから動けないのか俺は?」
床にへたりと座り込みながらもクラウンに返す
「そうだ」
「訳分かんねぇよ……」
思わず額に手を当てる紅衣
「カードに宿る大いなる力が今日、覚醒する」
「あー、はいはい」
訳の分からない話に聞く気を無くした紅衣
一応、適当に相づちを返す
「今日、新たな神が誕生する」
「……神?」
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