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必死に推敲中・・
話長いよ?
 また、エンギルは長い長い話を語り始めた。
長すぎるので要約すると・・・

 この世界に君臨する優しい魔王は、魔族と人間との共存共栄をスローガンに掲げ
魔物と人間が打ち解けあい、お互いの存在を認めて、平和な世界を築く事を理想としていた。
魔王は魔族だけが棲む国、シャンギリラに居を構え、人間が住む国々との
国交を絶やさず、常に平和的外交を行ってきた。
魔族に作れないアイテムや食べ物、特殊魔法の技術者、魔族の文化、そういった物を人間たちと分かち合い、逆に人間の国にしかない産物、技術、文化も自分達の国に積極的に取り入れ
そういった交易をする事によって、魔族にも人間にも利益をもたらす事に成功しているように見えた。
しかし、魔族人間の双方にそれを好まないものが多数いる。
優しい魔王の政策を快く思わない魔物たちは、シャンギリラから出て行き、あちこちで
人間を襲ったり、野で暴れたりし、その中には若干ではあるが、魔王を打ち滅ぼそうと
画策しているものまでいるそうだ。
そして、魔族との国交を疎ましく思う人間達は、離反した魔族と組んで、魔王を倒したい者
、利害関係のからみで魔族と組み、同族の人間の国を襲い、そこにある宝物や、技術を
奪うもの。野に出て魔族を敵対とみなし孤高に戦う者、集団。
いろんな勢力が双方にいて、一見平和にうまくいっているこの世界も、実は混沌としたものとなっているそうだ。

・・・・まぁ・・・現実の人間社会とほぼ変わらないと言えば変わらないかも・・

 「話しが長くなったが、そういう事だ」

 「この街はそういった魔王を裏切り離反した魔族達の一部の者が・・」

 「理由は分からないが、襲ってきて支配し、現状のようになったわけだ」

 「なるほど・・」

 「なんかすごいな〜・・」

俺は少し驚いていた。
面白くするために、短絡的に優しい魔王が支配する世界と携帯に銘打ったが
これほど、壮大な世界に発展していようとは夢にも思わなかった。
ある意味エンギル達に、こんな世界を作った事に対して責任すら感じていた。

(…ごめんよ、エンギル、そして数々の人間達、魔物たちよ・・)

 「ね〜、難しい話はおいといて、お腹すいたよ〜」

アンリはさっきまで眠たそうに話しを聞いていたが、空腹に堪えきれず
長い話が落ち着いたのを見計らって、自分の欲求をストレートに言い放った。

(…確かに、俺も飲まず食わずでずっと来たし‥)

 「俺も喉乾いたし、腹もへってま〜す」

俺はアンリに、ただ乗りして同じ要求を言葉にした。

 「ははは、そらそうだな」

 「あれだけ走ったんだ」

 「よし、調理係のミントにご馳走を頼もうか」

 「ミントいるか?」

 「は〜い」

年若い、アンリくらいの年かな?
俺から見たアンリは高校生くらいの年に見えるから
16ってところか、金髪を後ろで白いゴムのようなもので束ね、緑の丸いイヤリング、
少し暗めの赤と茶色の混じったようなスカート、同じような色のシャツ
エメラルド色の眼に綺麗な顔立ち。とても可愛い子だ。

・・・なんで、俺がいちいち、説明するかって言えば・・
・・・実は・・モロタイプなんだよ・・へへ・・

ミントは俺達に挨拶し、人数の確認を済ますと、優しい笑みを浮かべ、丁寧に会釈したかと思うと、また調理場へ戻っていった。

(…かわいいなぁ・・)

 「さて、飯ができるまで、少し時間がある」

 「とりあえず、君達に今いる場所の説明をしようか」

エンギルがまた長くなりそうな話をするみたいだ。

 「ここは、街の中のある民家の地下にあってな」

 「その民家の地下室の地面の一角に重い石の扉が隠されている」

 「そこからは入ることも出る事も出来るんだ」

 「唯、さっきも行った様に、魔法の入口が多数あるので」

 「そこから入ることは、ほぼ無いと言っていいだろう」

 「ただ、魔法の入口が多数あっても、出口が一つじゃ困るよな?」

 「万が一、その扉から魔物たちが入ってきた場合」

 「そこを抑えられたら俺達は終りだしな」

 「だから、このレジスタンスのアジトにも・」

 「もちろん、外の魔物の目に触れない安全な場所に通じる・」

 「見えない出口が何個かある・・」

 「その場所を今から、アジトの説明も兼ねて教えようかと思う」

そうエンギルが言ったかと思うと、突然、神妙な顔つきに変わり
俺達の方を少し厳しい目つきで見る。

 「ところで・・・その前に君達に質問だ」

 「なんで俺達が、見ず知らずの君達を助け、親切に対応し」

 「あまつさえ、アジトの生命線である出入り口の事まで」

 「教えようとするのか分かるか・・?」

しばらく、エンギル達は押し黙って俺達を観察するような目で見つめている。
俺はその張り詰めた空気を感じ取ると、ピエールの顔に訴えかけるような視線を送る。

(…ピエール、俺は分からん、この空気をなんとかしてくれ・・何か言ってくれ・・)

アンリはその空気すら、どうでも良いらしく欠伸をしている。

(…アンリ・・お前はいいよな…エンギルの顔見ろよ、なんか目が血走ってるよ?)

ピエールはエンギルに鋭い視線を投げつけると、静寂に溶け込むような透き通るような声で
言葉を並べはじめた。

 「私の推測でしかありませんが・・」

 「貴方達は私達を信頼のおける人間だと判断し、レジスタンスの仲間へ引き入れるのが目的なのでは?」

 「しかしそれが成り立つには、私達を瞬時に信頼における人間だと判断する方法を持っていたか、或いは、私達の事をあらかじめ知っていたか、どちらかになりますが・・」

 「ふむ・・・」

 「ただ・・どうやって、私達を瞬時に信頼に足る人間か判断できたかは、私にも分かりません・・」

 「そして、私達を知ってるという事はありえません、貴方達とは今日この街で初めて出会ったはず」

 「仮に、私達の事をずっとつけて、観察してたというのなら話しは別ですが
私はいつも周りを注視して警戒していますので、そういった形跡は無かったと思います」

 「しかし、どういう理由か知りませんが、私達は貴方達の信頼を得ているようです。それも、私達がレジスタンスに入るかどうかで、敵意へと変わるでしょうが・・」

エンギル達はしばらくピエールをじーっと穴が開くほど見つめていたが、やがて
笑みを浮かべると、言葉を投げかけた。

 「ブラボ〜〜〜!」

 「ピエール君、君はすごいな・・!」

 「大した洞察力だ・・!」

エンギル達は嬉しそうにピエールに賛辞の拍手を送っている。
俺はその様子をほっとして眺めている。

(…なんか良く分からないが、良く言ってくれた、ピエール)

 「君の推測は間違ってはいない」

 「核心はついているよ」

 「その洞察力に敬意を表して、君の疑問に答えよう」

 「なぜ、俺達が君達を信頼できたか?」

 「瞬時に君達のことを知る事ができ、信頼のおける人間である事を判断する方法を持っていた?」

 「いや、そんな魔法やアイテムを私達は持ってはいない」

 「君は可能性を否定したが、そう、私達は君達の事を、”知っていたんだよ”」



 
 


  

 


 





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