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妄想少女 ガラシャさん 作者:天浮橋
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◆CPUの暴走


◆CPUの暴走

ズキューーン
今度はあたしのハートが痛んだ。

目の前であたしに手を差し伸べていたのは、あたしが今アテレコをやっているアニメのヒロインが恋をしてる相手キャラと極似だったのだ。
きっとその時、彼を見つめるあたしの目は、綺麗なハート型になっていたと思う。

目の前に差し出された彼の手をそっと握ると決して乱暴では無い力加減でゆくりと体を引き上げられた。
「ごめんね。 桜があまりに綺麗だったから、つい余所見をしながら歩いてて」
「いいえ、こちらこそ、すみませんでした。 あたしもずいぶん長い間、桜に見とれて前をよく見て歩いてなかったです」
『でも桜なんかよりも、あなたの方がもっと素敵です』
あたしは、心の中でそう付け加えた。

「はいっ コレ。 少し汚れちゃったけど・・」
そう言いながら彼は、あたしがぶつかった時に落としてしまったノートや台本を拾って、埃を払いながら手渡してくれた。
「ありがとうございます」
卒業証書を授与される生徒のようにノートなどを受け取りながら、深々と頭を下げる。

あたしが顔を上げると彼はにっこり微笑みながら、
「それじゃ」
と言って正門の方に歩き出した。

ドキドキドキ
心拍数は、かなり高い。

「あ、あのっ」
緊張感に耐え兼ねて、突然あたしのCPUのコア2が暴走した。

「んっ? どうかした?」
2m先の彼が振り向く。

コア2が勝手に声をかけてしまったので、コア1とコア3とコア4がパニくる。

「あ・・あ・・あたし細川って言います。 あなたは、ここの学生ですよね?」
『グギャーー こ、これって逆ナン?』 コア1の叫び

「そうですけど。 正確には1週間後に入学かな」

「あっ、そうなんですか」
『1コ年下や~ でも同級生やけど・・・』 コア3が理解

「僕は、青山っていいます。 青山翔太、経済学部です」

「あ、青山さん? あたしは細川ガラシャっていいます。 今年も理学部の1年です」
「へぇ・・ あの細川ガラシャですか?」

「あっ、やだ。 苗字が同じだけで一族とかじゃないです。 父が勝手に付けて・・」
「とても素敵な名前じゃないですか。 僕は、高橋麻里亜より本名の方がいいと思いますよ」

ギャーーーー!
『えっ? うそっ? 何で知ってるの?』 コア4理解不能

そう、高橋麻里亜とは言わずと知れた、あたしが声優として使っている名前なのである。

「だって僕は高橋麻里亜の大ファンですから、一目見たときから分かりましたよ」

あたしは、ものすごく驚いた。
「1年間このキャンパスに通っているけど、まだ誰にも気づかれていないのよ。 お願いだからこの事は、誰にも言わないでください!」

『絶対に、あなたとあたしだけの秘密にしておいてね』 コア4の妄想
「分かりました約束します。 でも、僕だけは、たまに麻里亜さんに話しかけてもいいですよね?」

「は、はいっ♪ もちろんOKです」

そう言いながら、あたしは指切りげんまんをしようと小指を立てた右手を差し出していた。

「・・・」
青山くんは、一瞬きょとん顔だったが、直ぐに プッと吹き出した。
アハハハ

「高橋麻里亜さんって、やっぱり最高!」

青山くんに笑われて、あたしの顔は激辛地獄ラーメンを食べた後のように真っ赤になったのだった。
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