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妄想少女 ガラシャさん 作者:天浮橋
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◆世の中はお金で動く


◆世の中はお金で動く

あたしのハッタリも満更ではない。
伊達に声優をやっているわけでは無い。
ちゃんと社会勉強にだってなっている。

「ガラシャ。 あなたがママのスカートを汚すほど悩んでいたのはママだって気付いていたのよ」
パパが怯んだので、今度はママのねっとり攻撃が開始された。
あぁ、早めに弁償しておくのだったと思ったが、今更後の祭りである。

「最近は、睡眠時間も少ないようだし、10円ハゲも出来てきてママとっても心配してたの」
『って、ママ。 円脱のこと知ってたんかい!!』
ママはきっとあの高級ブティックで買ったスカートの事を根に持っているに違いない。

「だから今日は、山本先生にも、よ~く相談して進路を決めましょう。 ねっ?」
最初から分かっていたが、それにしてもこの三者面談はあたしにとって完全なアウェイ状態である。
またしても乙女の大ピンチなのである。
ちゅうに成り下がったあたしの頭脳ではあるが、何か上手い回避策が無いかを必死で考える。

ピカッ
突然、閃き音が頭の中にすると同時に、あたしの口から言葉がスルスルと飛び出した。
「え~っと。 あのね、今は有名大学でも一芸に秀でた物を持っていると、それだけで合格させてくれるところがあるんだって。 ねっ久恵先生?」
「えっ? ええ、まぁ。 そういうところも無いことは無いですけど・・・」
久ちゃんは、あたしに急に話しを振られて、メガネのツルに手をかけ下を向いて語尾を濁らせた。
「ほらねっ。 パパ、ママ! だからあたしは声優で自己推薦受験をするよ」
「そんな夢みたいなことばかり言ってないで、もっと現実を見なければダメよ!」
そう言いながらママは、バキバキ指を鳴らして威嚇する。
「だって、ママ。 あたしは大学で何を学びたいかなんてまだ分からないもの。 それに今も将来もやりたいのは声優なのっ!」

「声優さんをやるんだって学問は必要だろう」
しまった。 パパも復活して参戦してきてしまった。

「そ、それは否定しない。 例えば英語力なんかは吹き替えでも必要だし・・だから一芸入試で・・」
あたしは、なおも必死で食い下がる。
「少しだけ遠回りしたって遅くはないじゃないか。 キャンパス生活は楽しいぞ。 ガラシャ、よく考えてみなさい」
パパもねばる。
だがここは是が非でも勝ち抜けなければならない。

「でも、あたし・・やっぱり賠償金なんて絶対に払えないよ。 もしお仕事辞めるなら、パパが代わりに払ってくれるんだよね?」
悲しいことだが、世の中はお金で動く事も多い。

「あ・・いや・・それは・・その・・」
賠償金の脅しが効いているのか、パパはしどろもどろになって俯いてしまった。
ママも目を逸らしている。
『勝った!』 あたしは二人が沈黙した瞬間、勝利を確信した。
・・・
・・

その後、運よくその後のお仕事で担当したキャラも大ブレークしたあたしには、次々と大役が舞い込み、それに付随したお仕事も沢山入るようになっていった。
DVDBOXや主題歌のCD販売、オリジナル曲での歌手デビュー。 水着でのプロモなど声優かアイドルなのか、はたまたグラドルなのか自分でもわけが分からないくらいの忙しさである。

こうしてメジャーになったあたしは、希望する大学にも一芸入試で合格を果たし、何もかもが順風満帆で滑り出したかに見えたのだが・・・
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