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妄想少女 ガラシャさん 作者:天浮橋
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◆ママ、あたし吐くよ


◆ママ、あたし吐くよ

ひんやりした床の上に仰向けに倒れているのが自分でも分かるが、それにしても物凄い勢いで天井がグルグルと回っている。
「ガラシャ、ガラシャ しっかりしなさい!」
ママは、あたしが突然倒れたので気が動転して、あたしの体を強く揺すっている。
ただでさえ目が回っているのに、ママに揺さぶられて、なんだかどんどん気持ちが悪くなって来た。

うわ~ ママ、それ以上揺すると、あたし吐くよ。
あたしは、もう何もかもが面倒になり、そのまま気を失ったふりをすることにした。
ママは、あたしがグッタリして反応しないので、急いでリビングへ行き、パパに電話をし始めた。
「もしもし、あなた? ガラシャが家で気を失ったの! どうしたらいいかしら? えっ? 救急車ですか・・・」
『それにしてもママの声はでかいなぁ・・・ ママったら、これしきのことで救急車なんか呼んだらダメだよ。 救急車は怪我人や急病人のためにあるんだぞ!』
あたしは仕方なく立ち上がって、リビングへ向かって歩き出すが、バットにおでこをくっつけて10回転した人のように、大きくふらついてマトモに真っ直ぐに歩けない。
ドカッ、 ドテッ
あちこちに体をぶっつけながらも、やっとの思いでピー子(固定電話兼FAX)のところまでたどり着く。
「ママ・・ あたしならもう大丈夫だから・・」
あたしは、ヨタつきながらも、ママのスカートの裾を後ろから引っ張って、あたしの方を向かせた。
?
おぇっ
?
吐き気は突然やってきた。 これだけは言っておく。 決してママの顔を間近で見たからでは無い。
ママはあたしに似てたいそうな美人だ。 (本当はあたしがママに似たのだけれど・・)
いくら急に気持ちが悪くなったとはいえ、床に敷いてあるパパご自慢のペルシャ絨毯は決して汚してはいけない!
これは、あたしが小学校2年生の時、パパが海外出張でこのペルシャ絨毯を購入してから家訓の一つに加えられたのだ。

あたしは、この教えを守るため、咄嗟にママのスカートの両端を持って凹みを作り、そこにダイナミックにモドした。
スッキリしたのは良いのだけれど、あたしは目の前のママのスカートが先週末に青山のブティックで買ったばかりの物だったのに気がついた。
恐る恐るママの顔を見上げると、ママは天使のような笑みを浮かべて、あたしを見下ろしていた。
終わった・・・ 今日は何と運の悪い日なのだろう。
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