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妄想少女 ガラシャさん 作者:天浮橋
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◆泣いたら負けだ!


◆泣いたら負けだ!

「先生、あ、あたし声優を辞めるくらいなら進学なんてしない! ううん、今直ぐこの学校だって辞める!!」
そう言うと、あたしは生活指導室から飛び出した。

「ちょっ、細川さんっ!」
行き成り飛び出して来たあたしに、びっくりしている蕎麦野郎の机の後ろを疾風のように駆け抜け、職員室のドアからも飛び出る。
『だって、パパやママがこのまま声優の仕事を続けさせてくれるなんて絶対に有り得ないもの!』
涙が少し滲むが、泣いたら負けだ!

あたしは、生活指導室に鞄を忘れて来た事に気付いたが、家の鍵が入ったお財布と定期はポケットに入っていたので、そのまま駅に向かった。
『きっと久ちゃんが、ママに電話をするだろう。 こうなったら時間との勝負だ』
あたしは、猛ダッシュで家に帰ると、旅行用の鞄に当座の間必要となりそうな荷物を片っ端から詰め込み始めた。
実は、ブー子(貯金箱)以外にもお年玉や臨時収入を密かに貯めた預金通帳もあるのだが、まさかこんな時に役立つとは思ってもみなかった。
旅行用の大きな鞄を持って家を出ようとしたけど、寸でのところで制服のままなのに気付く。
急いで自分の部屋に戻り、一番地味な服に着替えて家を飛び出す。

エレベーターまで一気に駆けて行き、階下ボタンを連打する。
今、この瞬間にも、パパかママが家に戻って来るかも知れないと気が焦る。
『ここで捕まったら、もうおしまいだ』
連打、連打、連打
ポ~ン
やっとエレベーターがやって来て、ドアが開く。
「あらっ? ガラシャちゃん。 久しぶり~」
「・・・」

エレベーターの中には、このマンションのオーナーの奥さんで歌手だっけ? いやタレントだったかのミキさんが乗っていた。
ミキさんは、あたしの鞄をじっと見ていたが、
「ガラシャちゃん。 ちょっとうちに寄っていかない?」
とあたしの腕をつかんだ。

そんな場合じゃありません! と声に出して断ったつもりだったけど、自分の耳に聞こえて来た言葉に思わず驚いてしまう。

「はい、実はちょうど相談にのって頂きたいことがありまして・・・」

な、なんで? 口から勝手に違う言葉が出てる。
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