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妄想少女 ガラシャさん 作者:天浮橋
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◆コスプレぶりっ娘とモヒカン男


◆コスプレぶりっ娘とモヒカン男

オーディションは3人1組みで受けるのだけれど、花帆ちゃんは一つ前の組みになった。
あたしの組みはというと、コスプレぶりっ娘とモヒカン男というもの凄い組み合わせだった。
まずは3人が一緒に簡単な面接(経験の有無や志望動機とか、どんな役をやりたいとか)を受ける。

次は、一人ずつ順番に2分位で課題のアテレコをやる。
台本を渡されて一回だけセリフが入ったVを見せられ、その後直ぐにアテレコだ。
台本と画面の両方を見ながら、動画の口の動きに合わせてセリフを言うのだが、もうメチャメチャ合わない。
課題と言うくらいなので、ものすごく早いセリフ(早口言葉より早い)があって、セリフを噛まないように喋るだけでも一苦労だ。
あ゛ー もうダメだな・・ 気分はだんだん暗くなってくる。
でも一緒の組みの二人も同じような出来だったかな。
特にモヒカン男の方は、セリフが噛み噛みだった。

あとは、水着かコスプレのどちらかで、自由演技をさせられる。
こんなことなら、前の高校の制服セーラーで来れば良かった。
海やプール以外での水着姿は超恥ずかしい。 しかもスタジオに居る大勢の人達にも見られているし。

しかも、自由演技の後は、水着姿のまま歌を2曲歌わされ、更に審査員のリクエストでいろいろな事をさせられる。
こ、これはもしかして羞恥プレー?
あたしはもう、途中から何を言われているのか分からなくなり、審査員がどんどんイラついているのがマッハで伝わってくる。
ますます、気が焦っているうちに時間切れになってしまった。

ずぅ~んと重い気分で足重あしおもに控え室に戻ると、花帆ちゃんがあたしを見つけて走って来た。
「ガラシャちゃん。 うまくできました?」
あたしは、なんだか喋るのも辛くて、うなだれたままただ首をゆっくり横に振るのが精一杯。

「わたしも最初のオーディションは不合格でした。 初めてで上手く出来る人なんかは、やはり専門学校で勉強してる人が多いですよ」
「だよねぇ・・・」
あたしは、花帆ちゃんと目も合わさず、ただ弱々しい声で、そうつぶやくしかできない。
「今回の結果は、1週間くらいで郵送されて来るみたいですよ。 前のオーディションの時は、自分でプロダクションの掲示板を見に行きましたけど、その時はコンビニ店員役ゲットでした」

「花帆ちゃんって凄いね。 2回目のオーディションで役をもらえたなんて」
「でも、セリフは、”いらっしゃいませ~”だけだったですけどね」
そう言って、花帆ちゃんは照れながらにっこり微笑んだ。

あたしは今回受けたオーディションで、アニメ”気休めレモン”の主人公”藤澤香織”の声をやりたかった。
でも、今は実力があるわけでもなく、それが叶わない夢であることは、十分わかっている。
あたしは、花帆ちゃんの正面に立ち直し、「ありがとう、あたし次も頑張るよ」と元気に言った。
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