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妄想少女 ガラシャさん 作者:天浮橋
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◆ありえへん

◆ありえへん

あ、ありえへん。 人が空を飛ぶなんて・・・ ましてあたしは絶対に。
あたしが、呆然と突っ立ったまま、ブツブツと呟いているうちに、梓ちゃんが飛び終え、もう花帆ちゃんも着船体制に入っている。
「さぁ、ガラシャちゃんも、そろそろ準備した方がいいよ。 ミシェルさん、お願いしま~す」
岩清水さんが、イケメンのフランス人らしきインストラクターに声をかける。
あたしは、ミシェルに手を引かれ、まるで屠殺場に連れて行かれる家畜のように心無くトボトボとボートの後部に移動した。

ここから後の事は、はっきりと覚えていない。
加速するボートの波飛沫しぶきで、我に返った途端、体がふわりと宙に浮かぶのが分かった。
水着からチョロチョロと冷たいものが海面目掛けて落下していく。
これは、恐怖で失禁したのではなく、たぶんバナナボートに乗った際に海に浸かったので海水だと思われる。 うん、そうに違いない!
しばし、ぼぉ~っとしていたが、眼下に広がるエメラルドグリーンやサファイヤブルーの海と白い珊瑚礁、島の木々の濃い緑、そして水平線まで続くスカイブルーにたちまち目を奪われた。

『き、きれい・・』
パラセールは、当然音がしないので、まるで自分が鳥になったみたいだ。
あたしは、もう高度20mくらいまで昇っていたが、不思議と少しも怖くなかった。
むしろ、もっと高く高く昇ってみたかった。
視線を遠くから手前に移すと、パラセールを牽引しているモーターボートが見えた。
ボートの上では、みんながあたしに手を振っている。
あたしは、なんだかとっても嬉しくなって、
「お~い、みんな~ あたし鳥になってるーーーーっ!」
っと大声で叫んでいた。

萌花ちゃんが一番最初に飛びたがった理由も、花帆ちゃんがハイテンションだったのも今なら分かる気がする。
『すごい、きれい。 すごい、きれい』
それ以外の言葉は浮かんで来なかった。
風と・・・地球と・・・あたしが一つになった。 そんな気持ちに初めてなった。
もっと飛んでいたかったけど、ボートの燃料とかインストラクターの人達のスケジュールとかで、そろそろ終了時間らしい。
パラセールの高度が徐々に下がって来た。

パラセールを終了させるには、ある程度ロープを巻き取って高度を下げた後、ボートのスピードを落として、ふわりと着船するらしい。
上手な人は、ボートの上にふわりっと降りれるみたい。

『えっ? そうだったっけ? あれっ? あたし覚えてないよーーーーっ?』
って焦っている間にも、海面がグングンと近づいて来る。
『あ゛ーーーーっ、 ちょっ、怖いかもーーーーーっ!』
ギャーーッ
ザッパーーン
「きゃーー ガラシャちゃーーーーん」
・・・
・・

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