挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
妄想少女 ガラシャさん 作者:天浮橋
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

14/61

◆ワープ若しくは人工冬眠


◆ワープ若しくは人工冬眠

8月12日 またまた晴れ

今日は何事もやる気がせえへんなぁ。
だって、せっかく成田まで行ったのに、岩清水さんに声すらかけられなかったのだ。
奮発した花束は、あきらかにミスマッチだが、うちの玄関に飾ってある。

岩清水さんの乗った飛行機は、ほぼ予定通りに空港に到着した。
そろそろ、あたしもゲート前に移動しようと、音楽を聞いていたヘッドホンを外し、振り返ってみて呆然とした。

いつの間にかゲート前には、花束を抱えたファンらしき人達や大勢の報道関係者が壁を作っていて、もうあたしが入り込む隙間など微塵もなかった。
悠長に音楽など聞いていた、あたしが悪かったのかも知れないが、あらためて岩清水さんが有名(天才)ピアニストなんだと思い知らされた。

あたしは来るときとは打って変わって、落ち込んだ時のちび○子ちゃんのように、額に暗い影を付け、電車の中で半べそをかきながら帰ってきたのだった。

と言う惨めな状況なので今は何もやる気はしないし、何時になく超暑いので、今日も朝はカップラーメンにする。

熱々くん(電気ポット)は、お湯を注いでいたら途中で、 ガホ、ガホッっと「お前に使わせる湯はもうねぇ」みたいな態度に出た。
今朝は、きっとパパがコーヒーを一杯多く飲んで出かけたのだろう。
この間は返り討ちにあってしまったが、今度こそ隙を見つけて背後から蹴りを入れてやる!

熱々くんでお湯を沸かすと時間がかかるので、エレコックさん(電子レンジ)でマグカップ一杯分のお湯を沸かす。
(エレコックさんはロボコップみたいで気に入っているが、この名前で呼ぶ頻度は少ない)
でも途中でお湯を足したカップ麺は、ちょうどいい具合の麺とぐちょぐちょ麺のダブル構造になってしまった。
一度で二つの食感が楽しめますとテンションをあげてみるが、前回に続くクチャクチャ麺にさらに落ち込む。

まだ起きたばかりだけれども、もう布団をかぶって明日の朝までワープ若しくは人工冬眠でもするしかない。
そうネガティブになっていると・・・

♪♪♪~♪♪
あ○にゃん用に設定した着メロが鳴った。

恐る恐るトモちゃんの受信箱を開くと「ただいま。 そしてありがとう」の件名が。
何のことか分からず、メールの本文を読み始める。

ゆら ゆら

あれれ、おかしいな。 なんだか目がかすむぞ。
いや、涙が溢れていた。 珍しいことに”よだれ”では無い。

『梓です。 ガラシャちゃん、昨日空港に来てくれたんだね。 気が付かなくてごめんなさい。 新聞に載ってた写真にガラシャちゃんが映ってたよ。 夏休みの後半の予定は空けてあるので、後でガラシャちゃんの予定を教えてください』

グギョーッ
あたしの写真が新聞に載ってるって?
電光石火でニコ動さん(ノートPC)を起動し、各新聞社のWebサイトの記事をチェックする。
すると・・
Y新聞の掲載写真は、背伸びをして岩清水さんを覗こうとしているあたし。
M新聞は、呆然と立ち尽くすあたし。
S新聞は、ガックリ肩を落として帰りかけているあたし。

まるで、パラパラ漫画にでもなりそうだ。
大きな花束を持っているので、ある意味、岩清水さんより目立っている。

まぁ、この写真のおかげで岩清水さんにも気付いてもらえたんだし、何しろ岩清水さんがあたしの事を苗字でなく名前で呼んでくれた事も超うれしい。

あたしは、ワープや人工冬眠の事はリセットし、代わりにメールの返事を速攻で打ち込み始めた。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ