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第十話:交渉(物理)

今日から累計300位入り記念、三日連続更新を実施します

 身を隠していた弓兵が放った矢、五方向から飛んでくるそれが俺には見えている。いや、感じている。

 交渉が始まる前から【知覚拡張】と【プログラム】は発動させていた。だから俺は弓兵が隠れていたことも、さきほどから距離をじりじりと詰めていることも気付いていた。


 矢の速度はせいぜい、180km/hしかない。

 20m以上離れている以上、こちらに届くまでのかかる時間は0.4秒もある。

 それだけあれば十分。


 弓兵から矢が放たれると同時に、進入角、速度、すべて風が教えてくれている。数値化したデータから【プログラム】の術式は自動的に最適解をはじき出し、体を動かす。


 一歩前に進み、上半身を沈み込ませ、さらに捻る。

 すると、全ての矢が俺の身体のぎりぎりを通り過ぎていく。演算処理から体の始動に0.1秒、さらに一連の動作に0.2秒で余裕をもった回避だ。

 目の前に居たルルビッシュ達の顔が驚愕に歪む。


 それはそうだろう、木々に隠れ、気配を消した五人の弓兵からの多方向攻撃。それも20mという近距離。さらにエルフ相手に弓兵を使うはずはないという常識の裏をかいた作戦。俺以外のエルフであれば確実に死んでいた。


 エルフが弓に強いと言っても、防げるのは距離があり、なおかつ単方向からの攻撃である場合に限定される。距離が近いと、風で与えられる影響なんてたかが知れている。さらに、多方向からの場合だと全てを阻害する風を吹かせることはできない。


 自身を中心に台風のように風を回転させることもできなくはないが、制御が難しく、出来るエルフが限られている上に、それを咄嗟には発動させられない。


 弓兵たちの腕もいい。距離がばらばらなのに、全ての矢がほぼ同時に届き、俺が動かなければ全て命中。それだけではなく、五本の矢の軌道がまるで檻のようになっており、どの方向に逃げても当たるようになっていた。

 弓兵たちは俺が避けたことに驚きはしても動きを止めはしない、既に次の矢を構えている。


「無駄死にさせるには惜しいな」


 素直に賞賛しよう。弓の名手たるエルフにすらこれほどの腕前を持つものはそうはいない。

 だからこそ、ここで死んでもらう。


 俺は左手に取りつけた手甲一体型の仕掛け弓に触れる。

 それは弧になっているはずの部品が折りたたまれており、弦も張られておらずとても弓には見えない。


 だが、ボタンを一つ押すと、折りたたまれていた弧が広がり、弦が自動的に張られ見事な短弓となった。

 俺は左手を弓兵の一人に向かって真っすぐ伸ばす。


 手甲にはスリットがついており、そこにクロスボウ用の短い矢が収納されている。そのうち三本を引き抜き右手の指に挟みこむ。


 この短弓の弧は短いが、特殊合金のおかげで張力は55kgで、エルシエで使っているクロスボウの六割強確保している。標準的な長弓の1.3倍であり、鉄矢の貫通力のおかげで、ぎりぎり帝国の鎧を貫ける威力はある。


 その短弓に矢を乗せ真っ直ぐ上した左腕と平行に右手で引く

 このサイズにしたのは、弧の長さを抑えて取り回しの良さをあげるのと、【身体強化】をフルに使った状態で片手で引ける限界だからだ。


 数百人分の魂を食って魔力量は増大したが、一度に放出できる量はほとんど変わらないし、過度な強化は、体を壊してしまうので、【身体強化】そのものに限度がある。


 もし、その限度を越えたいのであれば、それこそ【輪廻回帰】のような魔術で、過度な魔力の放出に耐えられる体に作り替えるような裏技を使うしかない。


 矢は放たれ、【風の加護】を受けているその矢は、恐ろしいほど真っ直ぐに飛んでいく。


「っ」


 一人の弓兵が眉間に矢を食らって、悲鳴すら上げる間もなく崩れ落ちていく。

 致命傷を受けた一人目が完全に突っ伏すよりもはやく、指に挟んだ二本目の矢を放ち、二人目を狙い撃った。


 この手甲一体型の短弓には、クロスボウのような留め金や、トリガーはついていない。速射性を最優先にしているので不要だと判断している。


「気をつけろ! あの弓は、俺たちの鎧を貫くぞ! 弓兵は援護、騎士は突撃だ」


 ルルビッシュ男爵の指示で、七人ほどの鎧を来た騎士が斬りかかってくる。

 なるほど、取り回しがいいと言っても、この弓も至近距離では使えない。そして、この弓を使う以外に鎧を貫く手段はないと考えているのだろう。


 考え事をしながらも、手は動き、矢は三人目の弓兵を貫いた。

 しかし、四本目を放つ時間はない。もう、騎士たちが目と鼻の先だ。

 慌てずに、腰の鞘に収まっているナイフを引き抜く。その瞬間、黒光りする刀身があらわになり、俺が体内魔力オドを流し込むと、キーンと耳鳴りのような音があたりに響き始めた。


 ナイフとは言っても刃渡りが50cmもある鉈に近いものだ。

 それでわざと大振りに斬りかかる。


「おいくそエルフ、見えているぞ」


 俺が斬りかかった騎士が剣で俺のナイフを受けようと構える。

 余裕のある表情で『見えている』とわざわざ口に出し笑みを浮かべる。

 ナイフを軽く受けてから、その剣で俺を一刀両断。たとえ、その一刀を躱されたとしても、俺の左右に回り込んでいる仲間が止めを刺すという目算だろう。


「シッ!」


 気合を入れてナイフを振り抜いた。

 そのナイフは、騎士の剣を、鎧を、肉を、骨を、なんの抵抗もなく一瞬にして切り裂いてしまう。


 このナイフはルシエのために、科学、錬金術、魔術、俺のもてる全ての技術を注ぎ込んで作った工具だ。鉄如き、紙のように切り裂いてみせよう。


「はっ?」


 わけがわからない。そんな間抜けな顔をして、血を吹き出しその男は死んだ。

 それを見届けるまもなく、俺はしゃがみこむ。後頭部があった位置を矢が通り過ぎていった。ご丁寧に気配を消して、背後の死角にポジションを変えた弓兵が放った矢だ。


 【知覚拡張】で後ろが見えている俺で無ければ、躱せなかった。

 しゃがんだ姿勢のままナイフを掴んだ手を限界まで伸ばし、一回転。

 すると、左右から俺を挟みこもうとしていた二人の騎士の足首から上と下がお別れし、血を吹き出しながら倒れ込む。


 それを見た残りの四人の騎士は突撃を躊躇し立ち止まる。

 一瞬出来た空白の時間。その間にナイフを左手に持ちかえ、再び左手を弓兵に向けて突き出しつつ、右手でスロットから新たな矢を二本取り出し指に挟みこんだ。


 立ち止まった騎士とは違い、弓兵のほうはさきほどから狂ったように次々と矢を放ってくる。


 彼らにとって、死から逃れるためにできるのは立ち止まることではなく、俺を殺すことだ。

 だが、その矢は当たらない。一歩、二歩、足を踏み出す。そんな最低限の動きで矢は宙を切る。


「いっそ逃げればいいのに」


 それが生き残る唯一の方法だ。

 向かってくるなら処理をしよう。矢を放つと同時に命中を確信し、その数瞬後眉間を打ち抜かれた弓兵が崩れ落ちる。

 

 とうとう弓兵は残り一人。

 そのタイミングで、やっと覚悟を決めた騎士が斬りかかってきた。


 弓兵もそうだが、騎士様もみな精鋭だ。


 まず、高い洞察力、隙のない視線が俺の全てを見透かそうとしている。 

 次に、全員が難易度の高い【身体強化】を使っている。それでいて、重心の移動が見事。普通は【身体強化】をすれば、体を動かす際に認識のずれにより、ぎこちなさが出るのだが、滑らかな動きを見せてくれる。

 そして、迷いのない確かな剣筋。それは確かな修練によってのみ許されるものだ。

 だが……


「まったくもって、問題ではない」


 その程度では、俺に届かない。

 【知覚拡張】によって、筋肉の盛り上がり、発汗量、視線の動きまで全ての動きの前兆を俺は拾っている。帝国兵が五感でとらえている情報の数千倍にも及ぶ情報量だ。


 さらに言えば、剣術なんてものは、ある程度効率のいい動きのパターンを複数、反射に近い速度で繰り出せるように体に染み込ませるものでしかない。

 それに比べて【プログラム】は、自身のリソースで取りうる最適の動作を計算し実行する。引き出しの数、質、共に比較にならないし、すべての行動が反射すら凌駕する速度で繰り出される


 俺は振り下ろされた剣を半身を反らして、紙一重で躱し、騎士が無様に晒した背中を左手のナイフで一突きにする。鎧ごと心臓を貫かれた騎士は即死した。

 そのまま、右手に残った最後の矢を放ち最後の弓兵を貫く。


「ナイフも、短弓も、いい出来だ」


 ナイフは今まで不足していた近接の攻撃力を補い、手甲一体型の短弓は、その取り回しの良さと速射性を存分に発揮してくれた。


 それだけではなく、手甲一体型の短弓には従来の弓にはないメリットが二つある。


 一つ目は、弓を保持しつつ、両手をフリーにできること、おかげで武器の持ち替えが発生しないし、今のように左手にナイフをもったまま弓が引けるため、即座に近接戦闘への切り替えが可能であり、逆もしかりだ。近接戦闘時、距離を取った相手に対し、短弓で追撃なんて芸当も不可能ではない。

 二つ目は、折りたたみ故の持ち運び易さだ。もっとも、折りたたみにしたせいで、生産コスト、生産性、整備性、威力、軽量性、耐久性を犠牲にすることになってしまっている。


 作り終わってから、デメリットのほうが大きいことに気付いたが、折りたたみギミックを無くしたものを作り直すのも馬鹿らしいのでそのままにしてある。

 流石に、あっという間に十人近く死んだせいか、帝国の兵士の動きがとまる。

 チャンスはここだ。

 俺は短弓を折り畳み、ナイフを鞘に納めて、敵意はないと両手を広げてから口を開く。


「さて、あなた方の頼みの綱の弓兵は全滅です、騎士は剣を抜いているのは残り三人、後ろに控えている方々を入れても二十に届かない。

 切り札のつもりでしょうが、二人、離れた位置にいる息をひそめている弓兵のかたにも気付いています。あえて、聞きましょうか、まだやりますか?」


 これは脅しだ。これ以上続けると皆殺しにすると俺は伝えた。


「わかった。降参だ。悪かった。まるで悪夢のようだ。まさか、たった一人相手に、騎士団の最精鋭が手も足もでないとは、夢にも思わなかった。戦う前に相手が知れて良かったのか……。

 まあ、うちの勇者様と違って不死身というわけではないようだな。少なくとも、剣も弓も避けていた。おまえは当たれば死んでくれるんだろう? 

 化け物であることには変わりはあるまい。俺たちを皆殺しにできるだろうに、なぜ見逃そうとする?」


 鋭い視線でルルビッシュ男爵は俺を睨み付ける。

 降参といいつつも、退路の確保や、残った人員に気を配っている。


「帝国には、今後のために私たちが交渉のできる相手だということを知っておいて欲しいんですよ。今回は、身代金を受け取り、人質を返す。定められていた通りの取り引きを、きっちりやり遂げた実績を作っておこうかと。後はエルフの力をずいぶんと侮っているみたいなので警告です」


 今後のことを考えると、それがベストだ。

 こんな状況になっても、和平を結べるのであれば結びたいし、完全に戦争になったときでも、どこかで落としどころをつける交渉をしたい。

 エルフか人間、どちらかが滅びるまで戦い続けるなんてごめんだ。


「なるほど。それにしても……まさかここまでだとは。距離を詰めて斬りかかった時点で終わりだと思ってたんだがね。弓はともかく、そのナイフ、そんなの聞いてないぞ」

「当然です。つい先日出来たばかりの、工具ですから」

「工具だと!?」

「そう、装飾品を作るための工具です」


 今日もってきたナイフは、超高振動・炭素合金ナイフだ。

 炭素合金で出来ているため硬度が高く、最低限の粘りも持っている。

 それにクイーロの錬金術で二種類の魔術式を仕込んであり、魔力を流し込むと、毎秒五万回以上の超高振動を起こすと同時に刃自体の硬度をあげる。


 それにより、刃と切断対象の間に振動により反発力が生じ、切断対象の摩擦抵抗が激減し冗談のように簡単に切れてしまうし、硬度を上げているので刃のほうの摩耗も抑えるこができる。


 もともとこれはルシエに送る指輪を加工するために作ったものだ。

 やはり結婚指輪にはダイヤモンドの指輪を贈りたい。ダイヤモンドは所詮、炭素なのでクイーロであれば生成は可能だが、それだけでは、まったく美しさはなく、ダイヤモンドカットが必要不可欠。

 カットしていないダイヤはそこらの石ころと変わらない。


 どうしても、ダイヤモンドを容易く切り裂くナイフが必要になったので作成した。

 高品質な合金の生成、複雑な魔術式の構築と刻印、高速振動に適した構造への加工、どれも非常に難易度が高く、クイーロになった俺でも一本で【輪廻回帰】の制限時間を全て使い切るほどだ。だが、ルシエのためだと思えば、苦労のうちに入らない。


「たかが、工具でこれだと!? 他にも何かあるのか」

「ええ、それこそ無数に。言ったはずですよ。帝国が弓の対策をしているように、私たちは、その対策の対策をしていると」


 俺の言葉に、ルルビッシュ男爵が思索にふける。

 小声で聞こえないようにぶつぶつ言ってはいるが、【知覚拡張】で風の存在する区間の音は全てクリアに俺に届いてしまっている。


「いったい、どこが後ろ盾だ? コリーネ王国が技術支援してるのか? いや、あそこだってこんなもんは作れねえ。なら、一体どこが? くそっ、どこの連中が入れ知恵してる? 目的はなんだ? エルフ共を使い潰して帝国の力を削ぐことか? ありえねえ、もっと使える駒はいくらでもあるはずだ」


 まったく的外れだが、彼がそう考えるのも無理はない。

 こちらにとって有用な情報は聞き取れそうにないので、聞こえないふりをして情報収集をするのはやめよう。

 流石に疲れてきたので、会話の打ち切りにかかろう。


「それでは、そちらに敵意がないということであれば、私もこれ以上の血を望みません。お開きにしましょう。本日は、ありがとうございました」

「待て、二つ話がある。一つは質問だが、シリルと言ったな、装備もすごいが、おまえ自身の技量も飛び抜けている。エルフというのは、皆おまえと同じぐらいに戦えるのか?」

「さあどうでしょう? ですが、強いて言うなら私はあくまで長であって戦士ではない」


 俺の言葉を悪い方向に捕らえたのかルルビッシュが顔を青くする。

 嘘は言っていない。

 この言動の真意は内通者をあぶりだすことにある。

 俺の使ったナイフが量産されているのではないか? 俺以上の戦士が本当に居るのか? ルルビッシュは胸に湧きあがった疑問を晴らさずにはいられないだろう。そうなれば、内通者に接触するしかない。


 そこであっさりと俺のブラフはばれるだろうが、内通者を発見することが最優先だ。

 本当に、俺と同じぐらいの戦闘力を持ったエルフがあと百人ほど居れば、もっと安心できるのに……とは常々思っている。


「……二つ目だ。今日の非礼の詫びをさせてもらおうか。おまえがあくまで交渉に来たのであればそうするのが筋だ。どうして欲しい?」


 俺は、今日一番の驚きを感じていた。

 まさか、そんなことを言い出すとは思っていなかったのだ。なら、折角だし先ほどから気になっているものを要求するとしよう。


「それならば、まず馬を一頭いただけませんか? そちらの弓兵によって射られてしまったので」


 あの乱戦の中で、俺の逃走を防ぐために馬を弓で射られてしまった。

 このままでは、馬車の荷台を置いて帰るところだ。


「いいだろう、まずと言ったということは、まだ要求はあるんだな」

「ええ、もう一つは、そちらの荷台にある麻袋、それを一袋もらえませんか?」


 【知覚拡張】で存在を確認して以来、ずっと気になっていた帝国の積み荷を要求する。


「目ざといな。気付いていたのか、えらいさんへの土産のつもりだったが、一袋ならいいだろう」


 そうして、兵士によって10kgほどの粉が入った麻袋が荷台に運び込まれ、帝国の馬が繋がれた。

 その後、帝国兵は仲間の死体を確保して去っていく。

 俺はそれを見送ってから馬車を走らせた。


「しんどかった」


 今回の戦いは余裕に見えたが、かなりつらかった。

 【知覚拡張】と【プログラム】は強力だが万能ではない。

 魔力の使用は最小限だが、演算により脳を極度に疲労させる。長期の展開は難しい。

 毎日、演算能力を鍛えているおかげで二時間ほどは全力で起動できるようになってきたが、それでも疲れるものは疲れる。


 そして何より、あくまでこの二つは最適な行動をとるための技であり無敵にはほど遠い。

 例えば、空から半径1kmの岩石が落ちてくるなどと言った、どう動いても死ぬような状況には対応できない。そこまでいかなくても逃げ場のないほどの飽和攻撃には弱い。


 そもそも、演算から体を動かすまでに0.1秒かかるという欠点がある。

 音速の攻撃であれば30m離れていても0.08秒で到達するので、【プログラム】では対処できない。もっとも、その攻撃に入る予兆……銃であればトリガーを弾く等の行為を【知覚拡張】でとらえて、動くので滅多なことでは、破られない。

 だが、仮になんの予備動作もなく音速を超える攻撃をしてくる敵が居れば俺は負けてしまうだろう。実際に俺ならそれができる。


 俺の見立てでは無策で数百人以上の帝国の兵士たちの集団に突っ込んだ場合、殺せる人数は数十人といったところだ。そのうち力尽きて死ぬ。どうあがいても【シリル】には戦況を変える力はない。

 策を用いて、仲間と協力することが必要不可欠だ。


「しんどい思いをした甲斐はあったな。金貨2000枚(一億二千万円相当)、これで火狐の食料や服、家畜、それに来年植える作物の種類を増やせるな」


 足りないものが取り揃えられるし、今より生活をよくできるだろう。

 あまりにも食卓が悲しい、食材の種類が限られすぎている。せめて玉ねぎや、ニンジンぐらいは育てたい。欲を言えば、とうもろこし、そしてローズマリーやセージといった各種ハーブが欲しい。


「想定外のお土産が出来た。まさか、こんなものが手に入るとは」


 ルルビッシュから奪い取った麻袋の中には、黄金に匹敵するほど価値のあるものが入っている。

 これを使って機嫌を取りつつ、誠心誠意謝罪すれば、きっとルシエもクウのことを許してくれるだろう。……そう思いたい。

 そう考えながら馬車に鞭を入れてエルシエへの道を急ぎ始めた。


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