5-6:彼女の願い
「何だ…それは?」
スライムを身に纏うという前代未聞の行動に、思わず口に出てしまったのだろう驚愕の表情でリスタリーナは尋ねる。
「そうだな…あえて名付けるなら『粘体装甲』と言ったところか」
その疑問に律儀に答えてやるが当然聞いてもいない名前だけを教えてやる。勝敗がわからないうちから敵が有利になるような情報を誰が渡すというのか。そもそもこれは構想だけあったものでぶっつけ本番である。正直どれほど有用か知らないし「それは何だ?」と聞かれても答えられない。
ライムを纏った右手を露出する顔に近づけ、流動する粘体の一部が右手から頭部へ移動し覆うと、首と繋がりヘルメットを装着したかのように視界が狭まる。これで視界確保と呼吸のための穴を除き覆われた。いや、まだ覆われていない部分があった。
一歩踏み出す。足が浮いた瞬間、足の裏へ粘体が動き包み込まれる。そしてもう一歩、これで完璧である。
準備を終えた俺はこの状態でもカードを正常に使えるかどうか試す。右手を前に突き出し「ファイヤーアロー」を一枚使用する。狙いを違えず目標に向かったが、呆気無く目玉聖剣の鎖にかき消される。
「やはりその聖剣は魔法を無効化できる能力を持っているようだな」
カードの使用可能を確認し、予定通り一人と一匹で攻めることができるとほっとするも「ファイヤーアロー」の熱の所為か右手の先がちょっと温かい。基本ひんやりしていて気持ちいいがほどよく温かいのも風呂につかっているみたいで良いかもしれない。
(だからといって、調子に乗って火属性使い過ぎると自分で自分を煮込むことになりそうだな)
加えて漫画やゲームでもスライムは火に弱いという設定はよく見かけるので、火属性カードの乱用は危険かもしれない。これは少々うっかりしていたと心のメモ帳に「火気注意」と付け加える。
「さて、これからの攻撃は…」
気を取り直して俺が喋っている最中にリスタリーナが動いた。台詞を最後まで喋らせないとはお約束のわからないやつである。
一瞬で目の前から消え去っても焦らない。目で追うこともせずライムに任せる。すると突如左腕が動き、死角からの一撃を腕から伸びた50cmほどの硬質化で刃となったライムの一部が受け止める。続く連撃を振り向くこともせず左腕の動きだけで弾き続ける。余裕そうに見えるが人間の関節では曲がらないような無茶な動きをさせられ、出てはいけないような声が出そうになる。
そんなこちらの事情などお構いなしに攻撃は続く、剣による攻撃はライムが完璧に捌ききっている。だが防がなければならないものがまだある。
聖剣の目から出る赤い鎖が俺の心臓をめがけ向かってくる。ライムはそれを無造作に掴むと引き寄せる。
「それを掴むか!」
リスタリーナが舌打ちし、体勢を僅かに崩すもすぐに立て直しライムの斬撃を防ぐ。だが次の一撃は防げなかった。
後ろに飛び退くリスタリーナを追撃するように左手が突き出される。ライムが使用したカードは「アイスショット」を三枚。計十二発の氷の弾が着地点に殺到し、強引に引き戻された鎖によって全て防がれ―血しぶきが舞った。
片目を失ったことで出来た死角、力ずくで鎖を呼び戻したが故に引いた剣、氷の弾を消し去るだけで精一杯だった鎖、そして地に足がついたその瞬間。俺の指から伸びたライムの一部が彼女の首を切り裂いた。
指から伸びた三本の内、二本は囮。二本を躱すも死角から迫る本命に気づくのが遅れる。体を捻り、無理な姿勢になりながらも回避を試みたことで即死こそ免れたものの、噴き出した血の量から頸動脈を確実に切られている。これは勝負あったな、と勝ちを確信するもリスタリーナが懐から赤い液体の入った瓶を取り出し、その中身を首にかける。
「…あ、ポーションか!」
ローレンタリアで要らないポーションを売った経験もあり、そういった物がこの世界にあることは知っていたのだが出番があまりにもないのですっかり忘れていた。
傷を回復させたリスタリーナが距離を取って一呼吸置き、仕切りなおしとなる。劣勢であることを自覚したか先程のように不用意には飛び込んでこない。いや、恐らく彼女は力の差を理解したのだろう。
先程のやり取りで、俺は一歩も動いていない。全力を出しているとも思われていないだろう。恐らく彼女は今、どうすれば俺に剣が届くか思案しているはずだ。
俺はそれを黙って見守る。先の攻防で俺にもわかったことがある。
ライムの奴、かなり強い。
この「粘体装甲」はぶっちゃけてしまえば、ライムが俺を包みこみ、守って戦うスタイルである。そう、俺が戦っているのではない。ライムが戦っているのだ。粘体装甲は武器であり装甲であり「偽装」でもあるのだ。俺が戦っていると見せかける為のものだ。
とは言え、俺は何もしないという訳ではない。時々、俺でもわかる隙をついてカードを使う予定である。その為にライムがカードを使うときは左手、俺は右手と決めている。ちなみに先程の攻防は早すぎてついていけず何もできなかった。
「お前は一体いつから俺と戦っていると錯覚していた?」
そんな台詞を思いつくが、言ってしまえば盛大なネタバレである。いつか使いたい台詞集にメモしておこう。
「どうした? 顔色が悪いぞ?」
動かないリスタリーナに嘲るように笑いかけ挑発する。
「…使いたくはなかったが」
俺の挑発を無視して懐から緑色の液体が入った小瓶を取り出す。RPGでいうところ強化ポーションというやつか、と思った時にはライムが動いていた。
初撃はライム自身の土魔法で使用頻度の高い地面から無数の棘を飛ばす魔法。これを体を後ろに倒し、紙一重でリスタリーナは回避する。次は金のカード「サンダーストーム」を一枚使用し、ポーションの使用を妨害する。だが遅かった。
荒れ狂う雷を赤い鎖が消し去るも、全てを霧散させるには範囲が広すぎた。雷撃に顔をしかめながらもそれを口にすると聖剣を正眼に構え、吠えた。
「かあああああっ!」
耐えるように歯を食いしばり、気合の咆哮は何かを発し雷の嵐を吹き飛ばす。
(根性でどうにかなるようなものでもないと思うんだがなぁ)
悠長にそんな風に目の前で起こったことを眺める。スライム故かバトル漫画でよくある「構える」ということがなく、自然体のままで棒立ちである。今度格好いい構えとかも考えようと思っていると二回目のそれを耳にする。
「我は願い、捧げる」
今度は腕でも切り取るのかと思ったが、そうではなかった。
「魔を喰らい、敵を滅ぼせ!」
リスタリーナがそう叫ぶと同時に暴風が吹き荒れたかのように砂埃が舞う。空気の流れで立ち上る揺らぎが彼女の周囲に何かがあるとわからせてくれる。
(所謂気とかオーラとか放出してる感じか…?)
ライムが動かないことに安心してじっくりと観察していると、聖剣の目玉から二本目の鎖が生えてくる。
(ああ、なるほど! 魔力を聖剣に送るか消させるかして一気に大量消費。これで魔力を犠牲にする、が成立するのか)
取り敢えず「失えばOK」といういい加減なスキル判定に異議を唱えたい。加えて確かに聖剣の名前が「魔を喰らいて滅ぼすもの」という意味だが、使用者の魔力を食ってどうこうするものではないからな、と心の中でツッコミを入れておく。
とは言え、これで魔力をほとんど使い切ったと見て良い。つまり彼女は勝負に出る気だ。特に俺は何かするわけでもないが、一応気を引き締める…前にリスタリーナが突っ込んできた。しかし今度は真正面から突っ込んでくる。
その勢いに思わず一歩後退してしまう。
牽制の斬撃による衝撃波、二本鎖が交差し地を這うように進んでくる。
前に突き出される左手。
ライムの一部が伸び鎖を迎え撃ち、抜けた一本を右手が掴む。
迫る聖剣、受け止めたのは左腕に纏った粘体。
ギリギリのところで止められたそれに思わず体が反応してしまう。そう、目に見えるからこそ、反応してしまう。
続く蹴りを動く必要のない一撃にも関わらず、反応できる範囲の攻撃であるが故に回避しようと動いてしまう。それが狙い通りであるかのように両手の塞がった俺に向かい彼女の靴から何かが放たれた。
小さく、丸みを帯びた弾丸のような形の金属の光沢を持つ黒い物体は、胸の粘体に突き刺さると小規模な爆発を起こす。
周囲の粘体を吹き飛ばし、服を焼き肉をえぐる…はずだった一撃には何の効果も見られない。若干吹き飛んだ粘体はすぐに修復され、俺に届いた爆発はお守りのお札が無効化する。
まだこの状態に慣れない所為か体が反応してしまい、それがライムの足を引っ張り一撃をもらってしまう。浅かったとは言え、本体に届いてしまったことで保険が一つなくなる。初撃はノーダメージになるのはいいが、カス当たりにも反応してしまうのはどうにかならないものか。
ダメージゼロという結果に舌打ちしながらも、リスタリーナは次の手を打つべく聖剣を粘体から引き抜き一歩引く。その瞬間をライムは見逃さない。
この至近距離で単発のファイヤーボールをライムが放つ。すぐに鎖が反応し、それを消さんと動くが、地面から棘が飛び出し火弾を撃ち抜き消される前に爆発させる。視界が爆炎に塞がれ、ライムが俺の右手を動かす。それに応えるようにカードを使用する。
「ウインドアロー」を十発。掻き消える炎を貫き、風の矢がリスタリーナに殺到する。鎖で防ぐには距離が近すぎる。「これで終わったか」と思ったのだが、目の前には10メートルほど距離を取り片膝を付くリスタリーナの姿があった。
命中は左腕と左の太ももの計二発のみ。
あの条件で十発中八発を防いだ事に賞賛の意を表して拍手する…が、粘体装甲のおかげでベチョンベチョンという音が鳴る。何故格好をつけようとすると毎度毎度上手く行かないのか?
「あれで死ぬと思ったんだが…いやはや、予想以上にやるもんだな」
息が切れだしたリスタリーナがこちらを睨みつける。一瞬目を瞑り、息を吐く。覚悟を決めたようなその仕草の後ー
「我は願い、捧げる」
左腕を切り落とす。目を捧げた時と同様に、切り取られた左腕が黒く染まり霧散し、切断面が黒く変色する。そして三本目の鎖が聖剣の目玉から姿を現す。
「またそれか」
俺がそう笑うと同時だった。
ライムが飛び退いた。それに追い縋るようにリスタリーナが聖剣に鎖をまとわり付かせ突っ込んでくる。赤い鎖が巻かれた聖剣は明らかに「鎖を巻いた程度」の大きさではなくなっており、この距離を詰めるには十分過ぎた。
「はああああ!」
リスタリーナが吠え、巨大な赤い塊を振り下ろす。片手で振るうにはアンバランスにも程がある大きさとなった聖剣を躱し、地面をえぐる一撃を目の当たりにする。
(これは食らいたくないな)
威力だけならあの幼女といい勝負か、と大地の傷跡を見ながら判断する。だが負ける気はしない。某バトル漫画が言うようにパワーに偏った攻撃ではそもそも当たらない。片腕を犠牲にしたことで体のバランスが大きく崩したが故に、速度を捨てざるを得なかったのか、それとも何か勝算があってのことか?
僅かな逡巡の合間にもリスタリーナは距離を詰め、その一撃を当てようと振りかぶる。だが遅い。
振り下ろされるより速くライムが動く。俺の左腕を動かし、その手から伸びた光の剣が赤い塊にぶつかる。左手から放出されるアースソードが振り下ろす前の聖剣を受け止める。聖剣の能力がその赤い刀身に触れる箇所を消していくが、同ランクでは圧倒的な威力を誇るソード系は一瞬で霧散させることができずに拮抗する。
放出されるアースソードとそれを消す聖剣で硬直状態が出来上がる。そこに右手をこれ見よがしにリスタリーナに向かい突き出してみせる。
彼女が顔を歪めたのは一瞬。
「解放しろ!」
その言葉で聖剣がまとっていた鎖が弾ける。その衝撃と赤く染まる視界に思わず右手を顔の前にかざす。ライムが後ろに飛び距離を取る。だが着地に失敗したのかグラリと体が傾き片膝をつく。それと同時に襲ってくる痛み。
衝撃を殺しきれず左腕と左足が折れていた。負傷はそれだけに留まらず、粘体のあちこちに俺の血が混ざり、薄青い色の中に赤い帯がちらほらと見える。
リスタリーナが俺に向かってくる。向こうにも相当のダメージがあるのか、その歩みは遅い。聖剣の目玉から出ている鎖も一本に減っている。鎧が壊れ、血の滴る腕で剣を引きずりながらもこちらに向かって歩いてくる。
刺し違えてでも俺に止めを刺す気なのだろう。だが甘すぎる。
(回復手段があるのは自分だけだと思ったら大間違いだ)
緑色の光が俺を包み折れた足と腕が元に戻っていく。驚愕の表情でそれを見る彼女に俺は不敵な笑みを浮かべ、頭を二度指でつついてみせる。
狙うならここだと言わんばかりの挑発にリスタリーナが吠える。傷を癒やす素振りを見せないことから治癒のポーションはあれ一つだけだと判断。体力も魔力も残り僅かであろうリスタリーナが取った行動は…特攻。
それに合わせるかのようにライムが腕を伸ばし左右から挟みこむ同時攻撃を放つ。高低差のある左右からの攻撃を掻い潜り、俺に接近するだけの力は今の彼女にはない。だから彼女は跳躍した。
そう、飛ぶしかない。
もはや捨て身の一撃以外に選択の余地はなく、そうさせられたことで彼女は己の運命を察する。それでも、最後の一撃をと声を上げ振り上げる。
その彼女の前に現れたのは傾斜をつけた土の壁。
ライムの土魔法だ。一辺が4メートル程の正方形の壁が俺とリスタリーナの前に出現する。それを壊し、地に足をつけ、リスタリーナは俺を見失う。周囲を見渡すも俺を発見できずにいる。
そして、破壊された土の壁が地に還り、影がなくなると同時に影から強制排出され、ライムの一撃で宙を舞う聖剣を掴む右手。
「勝負あり、だ」と、そう決着を告げようとしたが、彼女はまだ諦めていはいなかった。
「まだだ!」
リスタリーナが声を発すると同時に鎖が彼女の右腕へと絡みつく。だが鎖は止まらない。
「我は願い、捧げる」
その言葉を言い終えるより早く鎖の先端が彼女の心臓へと向かい、鏃が彼女の胸を貫く直前に―
跡形もなくかき消えた。
ラス・タラス・イル・ニーニヤを122000000Pに変換しました。
無機質に流れるログを確認し、思わず「やっす」と小さく呟く。四十八億から一億二千万の落差に俺は軽く落胆する。もっと詳しく鑑定したかったが、彼女には聞かなければならないことがある。優先順位を間違えてはならない。
膝が崩れ、呆然とするリスタリーナに歩み寄る。
「終わり、なのか?」
「ああ、終わりだ」
予想だにしていなかった方法で決着を付けられたことで放心していた彼女に、戦闘終了を告げる。
ここで俺が悪党なら勝者の特権タイムの始まりなのだが、生憎と俺は善良な一市民である。聞き出すべきことを聞いた後はさっくり始末する予定だ。
「殺すのか?」
「そうだな…こっちも色々と手札を見せた。残念だが、お前をこのまま何もせずに放置するという選択肢はないな」
話しやすい距離に近づくと向こうから声をかけてくる。どんな手札が残っているかわからないので粘体装甲は解除しない。
「あいつも、殺すのか?」
「あいつ…誰かわかるが、そんな呼び方でいいのか? ま、立場のある人物を排除すれば面倒なことになるのは確実だ。とは言え、お前を送ってきた以上は何らかの…」
「あいつじゃない。私をここに送ったのはアクアリア皇女殿下だ」
そっちはちゃんと呼ぶんだな、と二人の関係を邪推し苦笑いを浮かべる。それはともかく質問タイムだ。
「さて、これから幾つか質問する。その答えによっては生き残ることもできると約束しよう」
「守る気もないくせによく言う」
「心外だな。お前の記憶をどうこうする手段を持っているからこその提案だ。お前の貢献次第じゃ、腕の治療もしてやろうと思っているんだが?」
リスタリーナは俺の提案を鼻で笑い視線を逸らす。その視線の先には何もない。
「あいつに危害が加わらないならそれでいい。あいつはきっと世界を変えてくれる。もう誰も、犠牲にしないで済む世界…夢物語でも良い。一時でも、私はそれを信じることができた。私はそれで十分だった」
いきなり語りだしたかと思えば勝手に完結してしまった。最近どうもまともな人間との会話が少ない気がしてきた。
「なあ」
「ん?」
「世界はどうしてこんなに、残酷なんだろうな?」
そう言って先のない切り取られた右腕で片耳だけについたイヤリングに触れる。
一瞬自爆でもするのかと警戒し、そのイヤリングを「鑑定」のカードを一枚使用する。するとそこには看過できない名前があった。直ちに残り二枚となった「鑑定」を使い詳細を見る。
遠見のイヤリング
二人が一つずつ付けることで効果を発揮するマジックアイテム。イヤリングの水晶に映る光景を共有することができる。
見られていた?
いつから?
全部?
一矢報いてやったと言わんばかりに笑みを向けるリスタリーナに歩み寄る。
「誰が見ていた! 言え!」
リスタリーナを掴むが既に彼女は事切れている。
「毒、か…」
恐らくスパイ映画などで見た「奥歯に自決用の毒を仕込んでいた」というパターンなのだろう。異常な即効性は「魔法だから」で片付けられるとして、ここで情報が何も得られないというのは避けたい。
一先ず遠見のイヤリングを破壊し、他に何か怪しげな物はないか体を探る。すると用途不明のアイテムが幾つも出てくる。情報収集の為だけに彼女をぶつけてきた可能性が現実味を帯びる。こちらの手札を確実に暴きに来るやり口はこっちに来てから初めてである。
「…拙い。どこまでバレた?」
粘体装甲
主人公が考案した「自分が安全に強いと思われる為の手段」の一つ。ライムが主人公を動かしつつ戦うことで致命的な肉体能力の低さを隠しつつ、安全に強いと思われるようにしたもの。パワーアップの手段ではなく、選手の変更。なお、結構無茶な動きをされるため使用後にヒールが必須。
リスタリーナが使用したマジックアイテム
緑色のポーション
魔力強化薬。ヤクルトサイズ。これにより限界を超えた魔力を捧げたことで犠牲の判定をくぐっている。出し惜しんでいたのは副作用のせい。大体2~3割最大魔力値が低下する。ゲロマズ。
ちなみに描写はないが、強化薬使用後の犠牲の発動後にマジックアイテムを使用して魔力を回復させており、魔力を捧げた後も戦闘可能となっている。
魔力玉
上記の魔力回復手段。無色透明のピンポン球サイズ。回復量は少量。一度使用すると丸一日は充填に時間がかかる。保険としては優秀である程度の実力者は大体持ってる。見つかると即効で破壊されがちなので隠し持つケースがほとんど。
黒殻炎弾
見た目先が丸い黒い弾丸のマジックアイテム。大きいドングリくらいの大きさ。魔法の力で爆発し破片での攻撃がメインとなるちっさい爆弾。今回は靴に仕組んだ装置から発射している。まだ試作段階故か性能がしょぼい。
遠見のイヤリング
二つで一つのマジックアイテム。イヤリングに嵌めこまれた水晶に映るものを別のイヤリングをつけた人物に送る。
ラス・タラス・イル・ニーニヤ
人造聖剣。魔力を分解し霧散させる能力を持つ。作られた当時の文献等がないため、正確な名前が伝わっておらず「聖剣ラスターニヤ」と呼ばれている。「犠牲」のギフトで無理矢理能力を引き出しているため目玉が出て来たりと歪な見た目になっている。鎖を纏った赤い塊状態が正常。