2-8:革命
ゲス注意報
朝が来る。筋肉痛で体のあちこちが痛むが、そんなものに気にかけているほど余裕があるわけではない。さっさと起きて飯にしよう。
影から出ると自作ソファーの傍にスライムがいた。よく見ると昨日確保していた知性の実がなくなっている。恐らく吸収したのだろうと、試しにポリタンクを渡し、川の水を汲んでくるように言ってみる。するとスライムは体を一度左右に揺らすとポリタンクを持って拠点から出て行った。
これで水を汲んできたらこちらの言葉を理解していると判断して良い。俺は鞄の中から今日のガチャからでたメロンパンと牛乳を取り出す。本当に色んな物が出るようになった。これもレベルが上がったおかげだろうかとステータスを確認する。
ガチャ
Lv33
4867200000P
226GP
ちなみに端数はきっちり調整している。こうして見ると先日の一件はなかなか良い臨時収入であった。
久しぶりのメロンパンをゆっくりと堪能し終えてこれからのことを考える。新しく手に入れたスキル「交換」があれば、ポイントがあるうちは食料に困ることはない。レトルトでもこちらの食事よりはずっとマシだ。問題はその変換効率である。
カレー一つで一万ポイント。「鑑定」のカードなら二十万ポイントである。明らかに変換効率が悪い。他にもまだまだ交換したいものがあるが、一日につき五回までしか交換出来ない。これからはしっかり選別していこう。確かに強力なのだが、それはポイントがあってのことだ。しかもこのペースで使い続ければ、間違いなく俺が生きているうちに枯渇する。
これはどこかでポイントを補給しなくてはならない。二度目の慰謝料を徴収するか、それともどこかに難癖をつけて頂戴するか…この国は勇者がいるので危ない橋を渡りたくないので却下だ。
だがまだまだポイントには余裕がある。考えるのは当面の問題だ。
この世界に来てからというものの美女に縁が無さ過ぎる。日本にいた時もあったとは言い難いが、それでも各種メディアを通じて見ることは出来た。ここではそれすら出来ないのだ。
いっそのこと、どこにでもいる商売女で妥協してしまおうかとも考えた。だがダメなのだ。一度そこで妥協してしまえば、後は理想が低くなっていく一方だ。
異世界にいる以上、美女と美少女だけのハーレムを作る夢は捨てられないのだ。と言うよりそれくらいしかしたいことがない。テレビもネットもないこの世界の娯楽なんてたかが知れている。そもそも娯楽自体がない。皆生きることに手一杯で、精々酒を飲むか女を抱くかくらいである。
故に俺はハーレムを作らねばならない。無論、楽しく生きる意味で、だ。
しかしそこに至る過程にすら手が届いていないのが現状である。どうしたものかと頭を悩ませていると、川に水を汲み行っていたスライムが戻ってきた。ちゃんと水を汲んできたようで、ポリタンクの中は川の水でいっぱいになっている。移動速度が遅いので時間がかかったのは仕方ない。
意思疎通が出来ることが確認され、このスライムにも使い道があることが証明された。雑用などを仕込むのも良さそうだ。
ポリタンクを受け取り褒めるように撫でていると、スライムもこちらに触手を伸ばして俺を撫でてくる。そこで気がついた。昨日、触手を手のような形にして触れてきた時と同じようにして俺を撫でているのだが、その形が更に人の手の形に近づいているのだ。
「お前…もしかして人に化けたり出来る?」
俺は恐る恐るスライムに尋ねる。スライムはその形を人型にするも、出来たのはのっぺりとした凹凸のない泥人形が限界だった。大きさも1mに満たない。
そこで俺は知性の実と才能の実を取り出す。
「正確に形を変えるのにはどっちが必要だ?」
俺がそう言うとスライムの触手が才能の実へと伸びる。名前からだと今一つこれの効果がわからないが、これを与え続ければ完全な人型になれる日が来るかもしれない。そう思って才能の実をスライムに渡す。スライムは実を取り込み震えると、饅頭のような形になって動かくなった。
やはりこれらの○○の実シリーズを吸収すると動かなくなる。これの意味がわからない。
ともあれ、しばらくは動かないので拠点作成を再開する。昨日の続きで風呂作りだ。
甘かった。いや、舐めていた。筋肉痛という名の地獄を…
俺の体が至るところから悲鳴を上げ、その痛みが日頃の運動不足を訴える。最近歩き通しだったりしたので足腰は問題ないが、上半身は石を持ち運ぶことすら拒否している有様だ。
それでも歯を食いしばり、川から手頃な石を運び続ける。両手で何とか持てるようなサイズは運ばず、片手で持てる物だけを運ぶ。小さくても使い道は幾らでもある。
ここであるカードを思い出した。
「念動」と言う銅のカードだ。このカードは念動力で物を動かすことが出来るというちょっとエスパーになった気分に浸れるカードなのだが、今まさに使いどきではないだろうか?
試しに使ってみようと鞄から「念動」のカードを取り出し、川から石を運び出す。
「出来るもんだな…」
思わず感心して声を出す。銅のカードは「着火」や「流水」が地味に役に立つ。このカードも地味だが使い道がある。
しかし如何せん銅のカード故かパワーが足りない。拳程度の大きさの石なら難なく運べるが、それ以上となると動かすのが精一杯である。
「まあ…こればっかりは仕方ないよな」
カードの効果が切れ、運んでいた石が地面に落ちて転がると俺は大きく息を吐いた。その時、俺は閃いた。
一枚がダメなら二枚ならどうだ?
思えば今までカードを一枚ずつでしか使ってこなかった。二枚以上同時に使うことを試したことはない。
何でこんなことを今まで思いつかなかったのか、と自分の迂闊さを呪う。だがそんなことよりも実験だ。
俺は早速「念動」を二枚取り出し、その手に広げる。ゴクリと唾を飲み、二枚同時に発動させようとする。
すると、二枚のカードは同時に光となって消えた。俺は恐る恐る一枚の念動では動かすことがやっとであった石を動かそうとする。
石は動いた…いや、持ち上がった。
カードの二枚同時使用は可能だった。しかも、そのパワーは飛躍的に向上すると見て良い。
それはまさに、革命だった。俺は複数同時使用の念動の力で次々と石を運んでいった。
昼になり風呂作りが一段落という名のカード切れで拠点に戻る。そこには体を揺らして待っているスライムがいた。待っているペットがいるというのも悪くないものである。
だから俺はこのスライムに名前を付けることにした。
「そうだな…安直だけど、スライムだから『ライム』だ。お前の名前は『ライム』に決定だ」
そう言うと嬉しいのか手の形になった触手が二本伸びてきて俺を撫でまくる。今朝の手よりも更に人間に近くなっている。だが…
「流石にすぐには無理だろうな…はあ、お前が美女に変身する日は何時になるだろうな…」
そう漏らして気づく。
変身なら、ある。
俺は鞄から「変身のスキルオーブ」を取り出す。光り輝くオーブを見て俺は大きく深呼吸をする。
使うべきか、否か…
俺をペタペタと触るライムを見る。実に良く懐いていると言っていい。これが美女に変身した時のことを考える。
迷いは一瞬で吹き飛んだ。
「さあ、ライム。これはお前に名前が付いたお祝いだ。これでスキルを手に入れて、もっと俺の役に立ってくれ」
そう言ってライムにオーブを渡す。ライムの体に取り込まれたオーブは一瞬まばゆい光を放つと光となって消える。そしてライムはいつも通り饅頭のような形で固まった。
再起動まで時間がありそうなので昼飯の支度をする。と言っても飯盒に米と水を入れて炊き、水を入れた鍋を火にかけてレトルトのカレーパックを入れるだけだ。
米が炊けるのを待つ間に考える。
同じ種類のカードなら複数同時にカードを発動させることが出来ることはわかった。では違う種類のカードではどうだ?
結果は不可。検索と探知を同時に使おうと試みたが無反応だった。他にも幾つか組み合わせてみたがダメだった。
違う効果のカードを組み合わせて合成術とかやりたかったがそれは無理のようだ。だが、複数枚同時使用による効力が上がることはわかっている。これでいつも俺を悩ませていた問題ともおさらばだ。
俺は鞄から未鑑定の品を取り出し、二枚同時にそのカードを使用した。
「精神の実」
使用することで精神力の潜在能力を高め、能力を底上げする。
予想通りの結果だ。鑑定のカードは複数枚同時に使うことで、鑑定したアイテムの効果も判明する。しかしここで疑問が沸く。この内容ならば俺が今まで使用した「魔力の源」と「剛力の実」の効果はどうなっているのか?
ライムの場合に与えた実の場合、目に見えて効果があった。その疑問に答えを出すべく、俺は思い切った決断をした。
鑑定のカードを三枚同時使用に踏み切った。その結果がこれだ。
「生命の源」
使用することで生命力の潜在能力を高め、能力の底上げをする。
使用者の魔力を用いて能力に変換されるため、上昇量は使用者の魔力に依存する。
結論、能力アップアイテムは俺には効果なし。
酷すぎるだろう。
俺の能力から出てるのに、俺には効果なしって…
それは酷すぎるだろう。
この残酷な結果に俺は衝撃を受けた。そんな俺を慰めるように再起動したライムがくっついてくる。
早速美女に変身してもらい、身も心も慰めてもらおうと思い「美女に変身してくれ」と頼んだが、美女がわからなかった。それ以前に男と女もわからなかった。
うん、スライムに雄とか雌はなさそうだもんね。仕方ないね。
人間には変身出来るようで俺に変身してみせた。ところどころ違うが、大分それっぽい。他にどんなものに変身出来るのか尋ねたところ、あの巨大蟻に変身した。大きさは違うが、こちらは随分詳細である。蝙蝠の変身も細かい部分まで再現していた。
幾つかの変身を見せてもらったが、どうやら食べたことがあるものには完璧に変身出来るようだ。
だとすれば、ライムに人間の女を食わせれば解決するのだろうか?
だがそんなことが出来るのか?
自分の欲望のため人間をスライムに食わせる。そんな決断が俺に出来るのだろうか?
出来ました。
賊が相手だからね。良心なんてこれっぽちも痛まない。その日のうちに賊を見つけて強襲、これを壊滅させた。強いて問題を挙げるとすれば、女はいたがどう見ても四十くらいの乳の垂れたオバサンだったということだ。死んでも役に立たないとか…所詮は賊だったということか。
だがその三日後。
鳥に化けさせて空から探索させていたライムが何かを発見した。俺はすぐに遠見を使ってライムが発見したものを確認する。
街道から少し外れた場所を豪華な馬車が走っている。しかも馬に乗った賊に追われている。馬に乗った騎士が対応しているが数が違う。賊にやられるのも時間の問題だろう。
俺はライムを呼び変身を解かせると、まとわりつかせて影の中に入る。久しぶりの高速移動で森の中を走り先回りをする。
走ることしばし、森をそろそろ抜けるというところで影の中から飛び出すと同時に「探知」を使用する。するとすぐそばに二つ反応があった。どうやら追っている賊の他に待ち伏せしている者もいたようで、そちらと鉢合わせることになってしまったようだ。
待ち伏せしていた賊はすぐにこちらに向かって弓を構えていたが、矢を放つより先にウインドアローを放ち沈める。
「てめぇ!」
もう一人がこちらに向かって矢を放とうとするが、ライムが触手を槍のように伸ばすと綺麗に眉間に突き刺さる。なかなかの戦闘力である。
どうやら賊は待ち伏せがいるこの付近に追い込む予定だったようで、こちらに馬車が向かってきている。一対五で取り囲まれてもいれば進行方向もままならないか。
意外にもまだ頑張ってる騎士が風の魔法でも使ったのか賊全員を攻撃、誰も死んではいないと思ったら、一人落馬して動かなくなった。その隙を突いてか馬車の車体がドリフト気味に走行。追い込まれまいと進行方向を無理矢理変えている。魔法でも使ってるのだろうか?
その際にメイドが一人投げ出されたがそれを無視して馬車を走らせている。投げ出されたメイドは頭から着地。首があらぬ方向に曲がっている。
馬車が速度を上げ進行方向を変えたことで賊が焦っているのがわかる。だが、運は賊にあったようだ。
無理な方向転換で車輪が破損し、そこから破壊へと至る。馬車は傾き、地面を擦りながら転倒した。騎士が何か叫び、馬車を守ろうと剣を振るう。
そろそろ俺の出番だ。ライムに待機を命じて悠々と森の中から姿を現す。待ち伏せしていた仲間のいた場所から現れた俺に、賊は警戒を露にする。
「手こずっているようだな、手を貸そう」
俺はそう言うとフリーダムな気分でアースアローを賊の頭にマルチロック。放たれた四本の石の矢は狙い通り賊の頭に突き刺さる。同時に四人の賊が馬から落ちた。
俺かっこよくね?
それはともかく助けたのには訳がある。一つは相手の身分が高そうであるため、何かしら恩を売れば後々役に立つと考えたこと。そしてもう一つはライムは俺を食べていないにも関わらず、完璧ではないが俺の姿に変身出来る。これは俺だけなのかどうか試す必要がある。命の恩人であるなら、多少の実験には付き合ってくれるはずだ。そう考えていた。
「貴様、何者だ?」
騎士は警戒を解いていない。まあ、これは当然だろう。それにしてもこの声からして女のようだ。フルフェイスの兜を脱いで貰いたいものだ。
「見ての通り旅の者です」
そう言って一礼する。すると騎士は馬に乗ったままこちらに近づいてくる。こちらも馬車に向かって歩くが、普通礼を言わないかね?
そんな風に相手の出方に不満を覚えていたら危機感知のお守りが警報を鳴らした。咄嗟にアースシールドを発動。瞬時に現れた土塊が騎士の放った魔法を弾く。
「おいおい…助けてやったのに何だ、これは?」
「ちっ…平民風情が!」
悪びれる様子もなく、さも当たり前のように剣を振ってくる。俺の周囲を漂う砂のような細かい粒子が、剣が接触する部分に集まり土塊となって剣を弾く。何気にアースシールド格好良いな。
よし、予定変更だ。
ここまでムカついた奴も久しぶりなので生き地獄でも味あわせてやろう。
まずは「麻痺」のカードを発動させ女騎士を落馬させます。
肩から落馬したことを確認します。
「ライムー、おいでー」
次にスライムのライムを呼びます。
変形速度が上がったおかげで移動も早くなったライムが全力で向かってきます。
「新鮮なうちにおたべ」
そして麻痺して動けない騎士を食べさせます。
ライムは俺の言葉を聞くと嬉しそうに鎧の隙間からその体を潜り込ませる。生きたまま溶かされて死ぬとか、絶対こんな死に方はごめんだな。
「あ、顔見てなかったな」
女であったことを思い出したが、時既に遅し。ライムは体の半分以上を鎧の中に潜り込ませている。今見たら皮膚とか溶かされていそうだ。
「服と鎧は食べないようにな」
俺はそう言うと馬車に向かう。さてさて、どんなやんごとなきお人が乗っているのでありましょうか。
そう思って転倒した馬車に近づき中を覗き込もうとした俺に向かい、鋭いレイピアの一撃が繰り出される。当然アースシールドで止められる。
「くっ!」
俺に一撃を入れようとした女が忌々しげに舌打ちする。そんな彼女の姿を見て俺は固まった。
凄い美人が目の前にいる。
この事実が俺を硬直させた。
好みとは外れているが、顔の造形がもはや別次元なのだ。
「下がれ!薄汚い平民が!」
見とれていると罵倒された。馬車が妙に豪華だからそうではないかと思っていたが…
絶対貴族だ。しかもタチが悪い部類の貴族だ。
となればさっさと始末して俺の野望の為にライムに食われてもらおう。
「下郎! 我を誰と心得る! 我は…」
言い終わる前に喉に氷の矢が刺さる。流石にこいつも生きたまま食わせるのは忍びない。俺にだって慈悲はある。しばらく喉を掻き毟るような仕草を見せた後、貴族の女は息を引き取った。
そしてまたやった後で気がついた。殺さなくてもやることはやれたことに…
俺は「あー」とやってしまったという感じで唸り声をあげる。
だがやってしまったものは仕方がない。そう言えばあと一人メイドがいた。そちらも確認しよう。
ちなみに御者と召使が一人ずついたが、どちらも男で賊の矢で死んでいた。
俺は完全に鎧の中に入ってしまっているライムに、馬車の中の女も食べるように言うと放り出されたメイドのもとへ向かう。
そして、俺はそこで奇跡を目の当たりにする。
首の骨が折れたらしくあらぬ方向に曲がる首…泡を吹いて瞳孔が開いた顔でなければそれなりなのではなかったかと思われる顔…そんなインパクトのある光景よりも更に衝撃的なものがそこにはあった。
「…マジかよ」
俺は唾を飲み込むと恐る恐る手を伸ばす。伸ばした手が問題の部分に触れると、死後硬直の始まっていない弾力ある柔らかな膨らみが手を押し返してくる。
「でかすぎだろ」
そう…メイドさんのおっぱいはでかかった。
それはもう今まで見た中では別格の大きさだ。
生きてるうちに揉みたかった。
心行くまで揉みたかった。
その谷間に顔を埋めたかった。
スリスリだってしたかった。
クンカクンカしたかったしペロペロだってしたかった。
どうして、死んでしまったのか…世界遺産はここにあったのに…
俺は極々自然にこのメイド(おっぱい)を育んだ大地に感謝をした。手を合わせ、この奇跡に祈りを捧げた。その時、俺は「蘇生」のカードの存在を思い出し危うく使いかけた。
落ち着け。ライムに食べさせれば後で幾らでも堪能出来るはずだ。血迷うな。
俺はおっぱ…亡くなった彼女の遺体が傷まないように、担ぐと馬車に向かった。
馬車に戻った俺が見たものは食われてる最中の貴族女で、見事なグロ画像だった。
その後、ライムにメイドも食わせて馬車にあるものと騎士の装備を漁り、適当にポイントに変換して拠点へと戻った。
拠点に戻った俺は早速ライムに変身してもらう。するとそこには素っ裸の貴族女の姿がそこにはあった。その美しさに思わず感動した。
さらに触れてみて驚いた。巨大蟻に変身した時に触ると硬かったので大丈夫だとは思っていた。だが実際触ってみるまではわからなかったので、この感触に涙を流しかけた。
肌の感触や弾力まで完全に再現されていた。その確信を得たのはあのメイドのおっぱいに触れた時だ。
当然のことながら我慢が出来なくなった俺は貴族女に変身したライムを押し倒した。
ちなみに人間サイズに変身すると十分程度しか持たなかったので、ライムを強化すべく魔力の源を追加した。ついでに周辺の獣だか魔物だかわからないものを殺して食わせていたら、ライムが更に大きくなり、最終的に二時間は変身していられるようになった。
こうして俺の夜の事情は劇的な改善を迎え、快適とは言い難いが中々楽しめるファンタジーライフとなりつつあった。
それから一ヶ月後、俺はロレンシア王都「ロレスティア」に戻ることになる。