第24話
トゥルルルル トゥルルルル・・・・
何かの音で目が覚めた。
ディランは上半身を起こし、音の鳴っているものを探す。ルークは未だベッドでいびきをかいて寝ていた。
「くそっ」
鳴っているものは電話だった。毒つき、立ち上がるとディランはまず窓のカーテンを開けた。朝の眩しい光が一気に部屋を明るくした。
トゥルルルル トゥルルルル・・・
「うるさいな」
サイドテーブルの上にある電話の受話器をディランは取った。とたんにルークのいびきがバカでかく感じる。
「もしも――」
「おっはよ!ディラン。よく眠れた?私とリビアはもうぐっすりよ。お風呂も気持ち良かったし」
ディランが返事をする隙もなく、シャンヌの声が耳に入ってくる。
「ねーねー、聞いてるの?」
「聞いてるよ」
言うやディランはまだ眠っているルークの耳元に、受話器を置いた。
「今日は森をぬけてディヤルバルクに行くんでしょ?楽しみだなぁ〜。どんなとこなのぉ?」
「う〜ん・・・・リビアぁ〜〜・・・」
眉を寄せ、ルークは寝言を言っている。どうやら、リビアに怒られている夢でも見ているのだろう。
「あ、リビアね。ちょっと待ってね」
受話器の向こうはこちらの様子など知る由もなく、ルークの寝言にシャンヌは答えてくれた。しばらくすると、リビアが受話器に出た。
「おはよ。ディラン。ルークはまだ寝てそうね。あいつ、寝起き悪いから。ちゃんと起こして来てよね。じゃあ、20階のレストランに先に行っとくから。コインは換金しといてもいいよ。お任せする」
「じゃあね、ディラン。食堂で待ってま〜す。チュッ」
ツーツーツーツー・・・・
どうやら電話は終わったらしい。ルークは布団を抱きしめたまままだ寝言を言っている。
「あ〜〜・・・リビアぁ〜ごめんってばぁ〜・・・」
ディランは受話器を手に取ると、それでルークの頭を叩いた。ごつんという鈍い音。
「いつまで寝てる気だ?」
「ってぇ〜・・・・」
頭を押さえ、ルークは呻くと目を開けた。
「あ・・・・おーっす。ディラン。・・・・あれ?リビアは?」
「レストランで待ってるってさ」
「あ〜〜・・・そう・・・」
まだ寝ぼけているらしく、短髪の頭を掻き、大きく一つ欠伸をする。
「んで?レストランって何階の?」
「20階だ」
「よっしゃ。んじゃ行くか?」
身軽にベッドから飛び起き、ルークはその場で体操をしながらディランに問う。しかし、ディランは首を振った。
「先に俺は昨日のコインを換金してくる。先に行っててくれ。・・・・身支度ちゃんとしてからな」
「んだよ。これじゃダメってか?」
ぼさぼさの赤い頭をばりばりと掻きつつ、パンツ一丁の自分の体を見下ろした。
「こっちのほうが、シャンヌちゃんも喜んだり?」
「・・・犯罪だ」
苦笑交じりに答えると、ルークも「分かってるよ」と一言。ソファの上の服を身につけていく。
「換金さ、リビアとシャンヌちゃんに何かあげたら?景品もあるんだろ?たまには優しくしとかねーと愛想尽かされちまうぜ?」
「放っとけ」
ディランはバスルームに行ったルークに言葉を投げた。ルークの笑い声が聞こえてくる。ディランはいつものバンダナとマントを装着し、腰に剣を吊るした。
「んじゃ、行くか」
タオルで顔を拭きながらルークはにかっとディランに笑いかけた。それにディランも頷く。
「レストランは20階だからな?忘れるなよ」
「換金したらこっちに来るんだろ?分かってるって」
再確認をすると、二人は部屋を後にした。
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。