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最後まで書ききるので、受験生でもちょくちょくだします。
『されど運命は回る』~涙~
~アッ君~


自分がした事の重大さに気づくのは、いつも遅い。気づいたころには崖っぷち、振り返っても鬼がいて、どっちみち、その先にあるものは絶望だ。

「聞いてるの?アッ君?」

そんなことを考えても、今の状況を変えることはできない。


目の前に立つ怖い顔をした美琴


それを見上げるように正座させられている、悪魔。および俺。


なんと哀れな状況なのだろうか。仮にも、この俺は悪魔である。その悪魔が、主人とはいえ、一人の少女に正座をさせられているのだ。
みっともないと思われるかもしれないが、普段怒らない人が怒るというのは、とても恐ろしいことなのだ。普段、俺に暴力の限りを尽くし、怒声を浴びせる、どッかの誰かさんとは、また違う怖さがあるのだ。
どうして、こんなことになってるかって?それは……

「どうして………来てくれなかったんですか……」

美琴の目に、光るものが溢れてきた。
俺が強盗に人質にされたとき、美琴は何度も俺を呼んでいた。それはもう何度も。思考が停止するんじゃないかと思うほどに…

「用事があった」

「人の命よりも大事な物 ですか!!?」

美琴が、俺のほうをキッ!と睨む。仕方なかったとはいえ、美琴は俺のこと(健一)を助けたかっただけなのに、その心の叫びに答えられなかったことは、俺もとても気がかりだった。

「美琴、やめなさい。悪魔なんかには解らないわ。私たち人間の『感情』なんて」

怒鳴り声を上げた美琴を止めたのは、鳴海だった。
俺は鳴海の言葉に、思考が冷めてきたことを感じた。たしかに、俺は何を考えているんだ。別に、悪いと思うことはないんじゃないか、はは、そうさ、俺は悪魔、みんなとは違う。俺がどんな行動しようと俺の自由だ。

「それでも…………」

美琴が何かを言いよどむ、何を言おうとゆうのだろうか。

「アッ君のこと………信じていたんです」

「っ!!」

ジャキン
俺の鎧がなる。
『アッ君のこと………信じていたんです』
なんだよ、俺を信じてるって。なんだよ、なんだよ、なんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよ
………………………………………………………………………………………
なんなんだよ………
俺は悪魔なんだぞ、お前らと一緒に居てはいけない存在なんだぞ、お前たちを騙しているんだぞ。なのに、信じるのか?信じてくれるのか。
なんだろう、この気持ちは、なんだか胸の辺りがキュウっとなる

「……アッ君?」

美琴が俺を驚いた顔で見てくる。隣の鳴海でさえも驚いている。どうしたというのだろうか、俺をじっと見て。顔は見えないから鎧に何かついているのだろうか。

「…………………泣いてるの」

美琴の口からは、驚くべき言葉が出た。俺が泣いてる?そんなわけ………

チャポン
何か、水が落ちる音。俺の真下から。
ゆっくりと下を見る。そこには赤い水溜り………………それは確かに悪魔の涙だった。
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