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77話→体育祭前日!


体育祭前日。


体育祭の1ヶ月前くらいから、みんな練習などで疲れているのか俺の部屋に勝手に入ってくる人は誰もいなかった。


俺は久しぶりの休息を満喫しながら趣味にふける。


まぁ、練習なんて全くと言っていいほどしてないし疲れなんて全然ない。


体育祭を明日に控えた今日も、学校が昼前に終わるとすぐに部屋に閉じこもった。


昼前に終わらせるのは、ゆっくり休んで明日に備えろという理事長の気遣いなのだが、本当にありがたいよね。


俺にしてみれば、趣味の時間が増えるので感謝しまくりである。


カチカチとマウスをクリックしていると、カチャと鍵が開く音がした。


しかし部屋の中に入ってくる気配がない。


それもそうだろう。


連日連夜続いた貞操の危機に、ドアの鍵とは別の鍵を取り付けておいたのだ。


しかもかなり頑丈な・・・バキンッ。


・・・・・・・ぇ?


俺は立ち上がると、不吉な予感とともにドアの方へ足を進める。


「・・・・だよなぁ」


俺が取り付けた鍵は、見るも無残に砕けていた。


ゆっくりとドアが開き、ドアの前には10cmくらいの長さの刃の短刀を両手に持って立っている夏凪の姿が。

夏凪は俺の姿を見つけると、慌てて短刀を後ろに隠した。


「・・・えっと・・・・・・今のは護身用だからね?変な誤解しないでね?」


・・・・めっちゃ言い訳くさいな。


「護身用って・・・相手確実に死ぬよね?」


「そ、それよりも二人三脚の練習しようよ!」


こいつ、誤魔化しやがった。


「・・・・・・めんどい」

俺は今から某鍵のゲームをやり直すのだ。


そんな暇はない。


「・・・・はやにぃ、かなとなんて練習したくないんだ・・・そうなんだ・・・・・・」


・・・死んだような目でこっちを見るな!あと、短刀をチラつかせるの禁止!!

「わ、わかった。少しだけだぞ?」


俺の言葉に、夏凪はにぱっと笑うと「先に外で待ってるね〜」と駆けていった。

俺は重い足取りでパソコンの電源を切ると、適当なジャージ姿に着替えて外にむかった。










「ほら・・・いち、に、いち、に・・・・・・って真面目にやれよ」


なぜか俺の方が真面目に二人三脚の練習をしている。

夏凪はわざと足をもつらせると、俺に抱きついてくるのだ。


「ま、真面目にやってるよ?」


作ったような笑いを浮かべる夏凪。


「ほほぅ・・・・俺に嘘が通用すると?」


伊達に兄妹をやってるわけじゃない。


夏凪が嘘をつくときの仕草は全て把握している。


「・・・はぁ・・・・だよね。はやにぃに嘘は通じないんだよね」


夏凪は嬉しそうにため息をつく。


「なんでニヤニヤしてんだよ」


「・・・・だって、はやにぃがかなの嘘見抜けるってことは、はやにぃがかなのことをよく見ていてくれたって事だよね?なんか嬉しいなぁ」


ん、まぁそう言われてみればそうだな。


改めて考えてみるとなんだか恥ずかしい。


「と、とにかく、真面目にしないなら帰るぞ?」


俺の言葉に首を大きく横に振る夏凪。


「わ、わかったから。帰っちゃダメだよ!」


俺は適当に返事をすると、二人三脚の練習を再開した。


今度は夏凪も真面目にやってくれるよな、さすがに。










「これやっべー、眠すぎる・・・・俺の風子がぁ・・・・・ZZZ」


夜、パソコンの前に座った俺は、睡魔という魔物によって撃沈した。


二人三脚だけで疲れるなんて、明日は大丈夫だろうか?


俺は眠りながらそんなことを考えていたが、どんどんと意識は薄れていった。


薄れていく意識の中で切実に願う。


明日何事も起きなければいいな、と。


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