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Double Life  作者: Toki.
40/60

8−2

某スーパーに男女合わせて6人のグループが居る。


「じゃあ、6人居ることだし、分担して買い物しようか」


当然なのだが、文化委員である幸助が仕切る。


その行動がどうしてか、イライラしてくるのは…気のせいだろうか?






それにしても、最初、買出しする人は三人だったはず…。


俺と、幸助と、明日香。


そう、3人だったはずなのに。


「ねぇねぇ、どうやって決めるの〜?」


あの無駄に気が強い沙希が居る。


「やっぱり、じゃんけんで決める?」


…なぜか凛もいる。


「まぁ、それが一番だな」


俺達のクラスとは別のクラスなのに何故か亮平もいるのだ。


摩訶不思議な面子だな…こりゃ。


「じゃあ、最初に勝った3人と負けた3人で」


また、幸助が仕切る。


う…仕方ない。ここはやっぱり、文化委員だからしょうがないんだ。


そう、仕方ない!


心に言い聞かせて、俺は右手を前に出した。


「最初はグー! ジャンケンポン!」


6人の声がそろう。


「お…綺麗に分かれたな」


幸助がボソッと呟いた。


因みに、


俺、グー。明日香、グー。亮平、パー。幸助、パー。沙希、パー。凛・・・グー。


…神様。


あなたはここまでして、僕を苛めたいのですか?


…神様。


どうか、どうか、このメンバーだけは避けて欲しかった。


あなたは、悪魔ですか?


こんな悲しい運では、僕は…もう…生きていけませぬ。


「なに、ボソボソ呟いてんだ?」


隣にいた亮平が俺に向かってそう言った。


知らぬ間に、口に出してしまっていたらしい。


まぁ、聞こえてなかったのならよかった。


「いや、別に…」


と、亮平に答えておく。


俺が、妄想癖ということは気付かれたくない。


…うん。


多分、知っているが。


「私、明日香についてきたのに、何で明日香と別行動取らなきゃいけないのよ!」


沙希が幸助の胸倉をつかみながらそう言った。


おぉ! これは天使の叫びか?


沙希がこのまま幸助を言い負かせて、こっちのグループに来ることがあれば、俺は男子達と行動が出来る。


しかし、幸助はそこで反論する。


いつもはしないくせに。


「仕方が無いことだよ。君が僕と共に行動することは運命だったのさ」


「何であんたと私が共に行動することが運命なのよ! 気持ち悪い」


沙希の腕に鳥肌が見えた気がした。


本気で気持ち悪かったのだろう。


…まぁ、沙希の言い分が正しいと俺は思っておこう。


「じゃあ…」


幸助はそっと、沙希の耳元に口を持っていき、何かこそこそと話している。


その話が終わったと思ったら、沙希の口からとんでもない言葉が。


「そ、それじゃあ仕方ないわね…」


何ぃ!! 何が仕方ないんだ!


俺は、男子等行動。女子等行動の方が良かったのだが…。


何を言ったんだ…あの幸助野郎。


「じゃあ、明日香ちゃんと凛ちゃんと風紀は、コレネ」


そう幸助に言われて渡されたのは一枚の小さな紙だった。


中をそっと覗く。


どうやら、買い物の品物らしい。


「メイド服18着、猫耳18個、細長い紙を大量、メニューが載るような紙を大量」


…。


細長い紙って何だよ?


メニューが載るような紙は、まだ分かる。


メイド服、猫耳18っていうのは、女子の人数だろう。


「なぁ幸助。細長い紙って?」


考えるのも面倒なので素直に聞いてみた。


「細長い紙って言うのは、オーダーを取るときに必要な紙さ。分かったかい? 風紀君?」


「はいはい。分かりましたよ」


やっぱり、仕切られるとむかつく。


あとで一発ぐらい殴っておこう。


「では、行ってらっしゃい!」


幸助が、俺たちに向かってしっしとした。


…今は、我慢我慢。


明日香と、凛を後ろに引き連れ、俺は歩く。


まぁ、当たり前のように無言状態だろう。


しかし、そんな俺の考えは甘いということを思い知らされた。


「ねぇねぇ、風紀ぃ〜!」


凛が話しかけてくる。


ここ何週間か一緒に居る機会が多いおかげか、大分この寒気にも慣れてきた。


しかし!


気持ち悪くなったりするのは、未だに直らず、やっぱり喋りたくない。


「風紀ってばぁ…」


…ぅ。


そんな甘えた声を出すんじゃない! 凛。


「な、何だよ!」


ぱっと後ろを向く。


すると、服売り場に明日香と凛が仲良く服を選んでる。


…いや前言撤回。


仲良くって感じではなさそうだ。


「これ、可愛くない?」


凛が俺に向いてニコニコしながらそう言った。


「可愛くない」


と俺は言い放つ。


まぁ、その言葉に凛がへこんだのは見なくても分かることだろう。


「お〜い。明日香行くぞ?」


3秒ほど時間があっただろうか?


その、3秒後に「う、うん!」と言って俺に近づいてきた。


しかし、凛は来ない。


「おい…早く行くぞ?」


手招きする。


俺がそうした瞬間、顔がパァと明るくなったのも…って、言うまでもないか。


「まず、メイド服を探すか」


メイド服なんて、普通売っていないだろう。


あの幸助の馬鹿は、何処で買えというのだ。


それに…このお金の量は何だ?


俺は、今までにここまで大金の金を持ったことは無いだろう。


軽く、50万はあるだろうか?


俺がお金をボーと眺めていると、明日香が俺の心境を察したかのように、このお金の多さの理由を話し始めた。


「予算は、クラスの文化委員でじゃんけんして決めたらしいよ」


どんな学校だよ…。


「勝った順に、値段が決まっているんだってさ。私達のクラスは2番で100万円寄付してもらったんだって!」


自慢げに話す明日香。


…ぅ。


明日香のその可愛さに俺は眼がやられるかと思ったよ。


それにしても、1番のやつらは何万円もらったんだろうか?


「えっと、因みに1番のクラスは500万だって」


…え?


ご、ご、ご、500万!?


なんじゃそりゃぁぁぁぁぁ!!!


俺等の学校の理事長は、金銭感覚が最早なくなってるのか?


たかが、学園祭の為に500万。


いや、俺たちと、その他大勢のクラスをあわせると、軽く1000万円ぐらいになるのだろうか?


もったいない…。


色々考えていると、大分前方の方から凛が俺の名前を呼ぶのが分かる。


「風紀ぃぃぃぃぃ!」


「何だよ…」と言いながら俺は凛に近寄る。


「これこれ!」


凛はそう言って、俺にある物を見させた。


「…」


「ど、どうしたのぉ?」


凛は俺の顔を覗き込む。


俺が黙ってしまったその理由は…。


「な、何であるんだよ?」


メイド服と思われる物体が凛の手の中にあったからだ。


それに続いて、猫耳と思われる物体も…。


「そこにあったよ〜」


「マ…マジ?」


「マジ」


…あるんだ。


メイド服と猫耳がここに。


おかしい…おかし過ぎるぞ。




















昨日、更新をさぼってしまい、申し訳ございません。

どうしても、時間の余裕がなくて…。

読んでいただき、ありがとうございます。






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