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Double Life
作:盗鬼



7−1



「起立。礼」

クラス内の誰かがそういい、学校が始まった。

俺はしっかりと教室に居る。

隣には明日香。

まぁ、明日香は最初のこの時間に興味が無いのか、俺に色んな話をしてくる。

なんで、こうも話が次から次へと出て来るんだよ。

やっぱり、女は不思議だ。

「風紀と明日香ちゃんは、静かにしなさい!」

…先生に指摘されてしまったではないか。

い、いや、俺は一言も喋っていないのですが。

「話なら後にしなさい!」

だから、喋ってないってば。

教室内からクスクスとか言う、笑い声が聞えてきた。

注意された明日香は、エヘッみたいな感じで先生に謝ってる。

「はぁ…」

…こいつが俺の支えかよ。

そんなことを考えていると、先生の長い説教も終わり、休み時間になった。

ねみぃ…次の時間は移動教室じゃないしなぁ。

そのまま、机の上に伏せてしまった。

「風紀! 風紀! 授業始まったよ!」

明日香が俺の肩をグングン揺らしている。

…え。

「う…う…」

…ちょ、待って。

「うっわぁ!!!」

身体中にひんやりとした汗の冷たさ感じられる。

…。

直ったと思ったんだけどな。

やっぱ、直らないんじゃないか? これ。

因みに俺の今の状況は、その場に仁王立ち。

今は生物の時間。その教科先生の7割がたは変な思考回路を持つといわれている授業だ。

もうひとつ言わしてもらうと、俺の椅子は後ろの机に当たって果てしなく吹っ飛び、机は前に倒れている。

しかし、誰一人笑うものは居ない。

…逆にそれはそれで嫌なんですけど。

選択肢は、

自ら笑う。

しかし、どうしようものか、この状況を。

ドラ○もんを呼び、時間を戻してもらうとしよう。

…無理だよな。

どうするよ、俺!

「香坂君、怖い夢でも見たのかね?」

生物の頭にあるはずの毛が無い先生が俺にそういった。

しめた!

「いえ、先生。僕は、先生の髪の毛が増える夢を見てしまいました」

どっと、笑い声が起きた。

フッ…先生。

俺のために犠牲になってくださって有難うございます。

みんなが笑っている最中に、俺は前に倒れている机に手をかける。

その次に、椅子を…。

「はい、これ」

すっと目の間に椅子が出てきた。

「ありがとう」

そう言い、その渡してくれた人の顔を見る。

そして、次の瞬間目をそらした。

「…凛」

さっきまで聞えていた笑い声も、しんとなって聞えなくなった。

「大丈夫? 風紀」

「う、うん」

本当に、笑い声が聞えなくなった。

「風紀、私ね…」

そう凛がつぶやいたのと同時に、明日香の声が俺の耳に入ってきた。

「風紀。早く座って!」

その言葉でス〜と我に戻った感じがした。

「お、おう」

椅子を手に取り、明日香の隣へと座る。

鳥肌がたっている。

吐き気も。

明日香…助けてくれ。

授業も何事もなく始まった頃だった。先生の顔が少し赤かったけど。

俺はすっと、周りから見えないように隠しながら、明日香が俺の手をつかんだ。

…明日香?

あの時と同じように、気持ちが安らいだ。

さっきのとは違い、心が安らいだ。

何でだろう。

そして、次の瞬間左手に感じていた感触が消えた。

繋いでいてくれた時間は数秒だろう。

その時間が、長く感じたのは言うまでもない。

次の休み時間。

幸助が俺の元にやってきた。

「風紀?」

「何でしょうか?」

「お前、凛ちゃんとどういう関係なんだ?」

……。

何で、そんなこと聞くんだよお前は。

空気読めよ。

「どういう…って、どんな関係でもないぞ」

「そんなこと無いだろ。凛ちゃんの自己紹介の時、お前と知り合いだって」

「知り合い…それだけだ」

俺は冷たく言い放った。

幸助も俺の殺気に気づいたのだろう。

そこで会話を終わらした。

その日の放課後、明日香と亮平と共に部活へ向かう。

まだ、顔を合わすのは無理だ。

だけど、俺の側には明日香がいる。

大丈夫だ。

亮平が特別教室のドアを「ちわ〜す」と言いながら開けた。

目の前には部長。

その後ろに龍先輩が。

今日は、夏休み明けてからの初めての部活。

昨日、俺は早退してしまったが、運が良いのか悪いのか部活が無かった。

「あっ! こんにちわ亮平君と明日香ちゃんと大根役者」

部長が嫌味ったらしく俺にそういった。

「大根役者なんてここにいらっしゃいますか?」

俺は言い返す。

「あら、自分で分かっていないのは馬鹿の証拠なのかな?」

…う。

「はいはい。分かってますよ。今回、映画の主役を務めて、部長を惚れ直させたこの風紀様でしょう?」

「誰が、惚れ直しただって? 私はそんなこと一言も言っておりませんわよ」

…部長、キャラ変わってますよ。

「では皆がそろった所で、今日の部活を始めます!」

みんなの方を向き、部長は言った。




















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