第一章「出会いは唐突に」
SCENE-05「複雑な心境」
■UNO学院/学部棟/高等部一年/1-A教室
「あの神和姫先輩と話して、放課後逢うことになったってぇっ!!」
「おい、彰。声が大きいよ」
叫び声をあげた彰を、何事かとクラスメートが見ている。
「何言ってんだ! 超ビッグニュースじゃない・・・ムグムグ」
笑顔で友人にヘッドロックを決めると、翔は彰の耳にきっぱりと言った。
「声が大きいって、言ってるんだけど?」
「はい、やぁ、いえすぅ〜」
ギブギブと唸りながら必死に頷く彰を離すと、翔は笑ってイスの背に持たれた。
「それにしても凄ぇな。どうやったらそんな話になるんだ?」
「意図した訳じゃないよ。そうだね、どっちかといえば神和姫先輩のほうが興味を持った感じだね」
「くぅーーーーっ」
握り拳を作る彰。
「なんちゅーうらまやしい奴っちゃ。くそぉ、俺が代わりたいぜ!」
「何があったか、後で話すよ」
「え? おい、翔。俺、一緒にいっちゃまずいのか?」
「彰は来いって言われた訳じゃないだろう?」
「その場にいないのに、どうやって言われるんだよ!」
「だから、そう言うことだって。言われたのが僕だけだから、今回は僕だけが逢う。もし話が続くようなら、彰も来ていいかって神和姫先輩に聞いてみるよ」
腕組みして翔の話を聞いていた彰は、肩を竦めた。
「まぁ、今回はしゃーないわ。でもいいか、翔。しっかりコネクションを作ってくるんだぞ。オッシャアッ!!」
「まったく、誰のための、何のためのコネクションなんだよ・・・」
盛り上がっている友人を眺めて、結構脱力してしまう翔だった。
アホですね〜、彰って。でも、結構こういうキャラが実地では一番しぶといのです。変に自分の限界を決めていないから、状況に対する対応が臨機応変です。それ故に、その状況に対して意外な力を発揮するでしょう。
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