ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
  幻界創世記 作者:冬泉

悩む翔に思わぬ救いの手が・・・
第二章「仲間と呼ばれて」
STAGE02◆「仲間、と呼ばれて」-SCENE#3
■UNO学院/学部棟/エントランス・ホール

「何が悪かったんだろう?」

 思わず独り言を零していた。それが、いかに愚問であることかは、翔も重々判っていた。
 何が悪かったんじゃなくて、どうしてあんなことをよりにもよって葵に口走ったのか、という方が問題なのだ。
 けれども、その時の自分の心境を思い起こそうにも、もやもやしていてはっきり覚えていない。おまけに、今は葵に三行半を突きつけられてしまい、そのショックで旨く頭が回っていなかった。

「どうしたらいいんだろう」

 これも愚問だろう。さっさと、葵に謝りに行けばいいのだから。
 だが、何をどう葵に謝ったら良いのか、混乱してる今の翔には判らなかった。

「あれ?」

 いつの間にエントランス・ホールにまで降りてきたのだろう? 翔は、ぼんやりとホールに佇んでいた。
 折しも下校する生徒たちがちらほら、そんな翔を訝しそうに見ながら通り過ぎていく。生徒数が少ないところを見ると、下校締め切り時間も近いのだろう。
 だが、翔はまだ家に帰る気分ではなかった。

「セントラル・スクェアにでも、行こうかな・・・」

 何気なくそう言ってみて、翔は胸に痛みを感じた。
 駅前のショッピング・アミューズメントスペースである“セントラル・スクェア”には、一人で行ったことがない。いつも、章とつるんで遊びに行っているところ──それが一人で行こうかと思うだけで、こんなにもやるせない気持ちになるのだろうか。

「でも・・・こんな状態で、章と顔も会わせられないし・・・」

 スパイラルを描いて下降する気持ちを持て余して、翔は今日何度目かの溜息をついた。そんな時──朗らかな声が背後から掛かった。

「少年、溜息をついてると幸せが逃げるよ?」

☆☆ SCENE#4に続く ☆☆
 非常に短くて恐縮ですが、この回は中継ぎなのでご容赦を。その代わり、明日には次の更新をアップ致します。
 この回は、ショック(自業自得ですが)を受けた翔が、内在的な思考で堂々巡りをしています。知性に感情が追いついていない、典型的な例と言えます。この状態のままで放置すると、自他共に傷が深くなっていくので、手早く、断固として行動する必要があります。なにはともあれ──後悔だけはしないようにね。


+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。