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MMORPG?知ってますけどなにか?  作者: でーぶ
第二章 異世界漫遊記
24/83

第23話 というわけで準備中なわけですよ?営業開始までしばらく待ってくださいね?

 モノイコス王国の港湾部。

 その外れ、港というには少し海から離れているが、王城たる城塞都市へはまだ距離があるために一応港湾部という扱いの地区の一区画が、丸々冒険者ギルドの本部施設として占有されている。

 まあ、ほかに使うものが居ないためにこれ幸いと下げ渡してもらっただけの、ただのだだっ広い土地である。

 海が近いために塩が浮いてくる地盤は耕作には向いておらず、かといって港自体からはそれなりに離れてしまっているので、使い勝手が悪く放置されていたのだろう。

 この国は海と山に挟まれていて耕作面積が少ないため、穀物の類は輸入に頼る部分が大きい。

 幸い山一つ向こうのゴール王国は一大農業国家でもあるために、輸入自体はそう難しくない。

 海の幸と山の幸は豊富で、そう多くない国民はそれほど飢える事もなく暮らしてゆくだけならば問題はなかった。

 それに、この国は狭く貧しい故に、他国の領土的野心から外されていると言う点も幸いである。

 国の防衛に割かれる資金が少なくて済むからである。

 そんな弱小国家に建てられているのが冒険者ギルドの本部である。

 周囲の雰囲気は田舎の漁村…とはいえない様子になっていた。

 ギルドメンバーによる積極的な介入(いらんお世話)により、大型船の着けられる桟橋やそれらの入港に支障のないようにするための、港の浚渫。

 それらの船が運んできた貨物を一旦納めておく倉庫などが、冒険者ギルドの出資で作られ、利用されていた。

 おかげで陸路に頼っていた穀物の価格等が、海路による一括大量輸送で割安となり、国としては大変助かっている。

 無論、それまで港を使用していた漁業従事者への保証のためなのか、彼らが利用するための港も用意され、小さな魚市場と水産加工場も隣接されていた。

 港の潮巡りの良い場所には生簀が浮かべられており、まさに至れり尽くせりの状態である。

 そんな事もあって、冒険者ギルドはこの国―――特に港で働く者達―――から特に歓迎され受け入れられていた。

 まあ、冒険者ギルド側からすれば、自分達の都合で振り回しているようなものなので、感謝も文句も痛し痒しであったが。

 そんな意外と活気にあふれる港町に隣接する形で立つギルド本部は、一見するとただの直方体、といった形状である。

 味も素っ気もないといえば確かにそうなのだが、ギルド内での意見の調整が付かなかったという駄目な部分が理由である。

 なにせ、和風が良いだの西部劇に出てくるようなのが良い、シンデレラ城みたいなの希望だとかバベルの塔建てようぜ等と言い出す奴までおり、仕様を決めるための意見だけならば枚挙に暇がなかった。

 いい加減切れた呉羽が3秒で描いたデザインをアマクニら職人が細部を詰めて出来上がったのが、今のギルド本部棟である。


 そんな曰く付きの建物の最上階の一角(ギルマスのお部屋)で、シアはぐったりと背もたれ付き肘掛付きの革張りふかふかクッションな執務椅子に沈み込むように腰掛けていた。


「シア、王城の感想は?リアルでああいうところに入るのは初めてでしょう?」


 目を半ば閉じた状態で、シアは呉羽から差し出された氷の浮いたグラスを受け取り、ゆっくりと口をつけ、そのまま一気に飲み干すと口を開いた。


「疲れた」


 そう言って、けぷ、と小さく噯気を吐く。


「実に端的な御感想、ありがとうございます。ともあれお疲れさまでした、シア」

「そんなに疲れないはずだけれど。まあ、慣れも必要よね。うん、お疲れ様」


 その様子を見て苦笑するヘスペリスと呉羽だが、実際のところ精神的に疲れたのだけは確かなようである。


「だいたいさ?私、挨拶に行くだけのつもりだったのに、なんで会食とかするかなぁ?まあ、ご飯は美味しかったから良いとして」


 王国側としては、それだけギルドを重視していますよという事をアピールしたかったのだが、シア的には王様なんだから「よきにはからえ」でいいジャンと思ってしまうのである。


「まあ、あっちはあっちで思惑がありますから、当然の成り行きかと。あと、食事が美味しかったのは冒険者ギルド(ウチ)のおかげです」

「へ、そなの?」

「まあ、この国優先で狩ったり作ったりした食材卸してるしねぇ」

元世界(あちら)の料理レシピもギルド秘伝として、計量カップやらの調理器具・調味料込みで販売してますし」

「そうそう。あとね、長粒種だけど幸いお米みたいなのもあったし、大豆に小麦も似たようなのも在ったから、味噌モドキは作れたのよね。爺さんたち(カレアシンとアマクニ)には感謝しても仕切れないわ。あの人たちの子供の頃、家で味噌作ってたらしいわ」


 亀の甲より年の功とはよく言ったものである。

 豆があっても米があっても、麹菌が、種麹がなければ味噌はまともに作れない。

 餅麹という、豆やら小麦やらをペースト状にして丸めて作る手法も行ったが、こちらはクモノスカビなどの菌が多く混じるために味的に一般向けではなく、お勧め出来ない仕上がりだった。

 なので、皆で知恵と記憶を引っ張り出して、ああでもないこうでもないと数年かけて種麹を作り上げたのだと。

 苦労はしたがそれ以上に納得できる味噌が出来たと言うことらしい。

 味噌が作れるとなると、醤油の前身であるたまりも取れる、この二つがそろえば日本人としてはもう無敵である。


「ノートPC内のデータ使えば更にいいもの出来そうね」

「だわね。あと、飯盒のセットも中々良い売れ行きなのよね。旅商人とか、傭兵団なんかに」

「胃袋から支配とか、さすが中の人が日本人なだけあるわね」


 これまでの経緯の一端を話す呉羽とヘスペリスに、シアは苦笑しながら身を起こした。


「さて、それじゃやることやっちゃいますか!」

「アラ、もう復活?」

「熊子ではありませんが、復活が早くなりましたね、シア」


 スタスタと扉に向かうシアの後に続いて二人。


「まーね。こっち来てから頭の中がすっきりしてるってのが大きいわ」

「ああ、『新しいパンツをはいたばかりの正月元旦の朝』みたいな感じですね、わかります」

「へぇ、と言うことは。シア、精神的な問題点がこちらに来て解決したのかもしれないわね」

「ん~?そうなのかしら。もしかすると、そうなのかもしれないけど…。―――あ」


 ふと何かに気づいたのか歩みを止めるシア。


「どうしたの?」

「これ、精神系の状態異常防止が付与されてるアイテムだわ。あと、INT上昇」


 呉羽の問いかけに、シアは額につけたサークレットに手を沿え、二人に視線を向けた。


「あー、なるほど」


 ゲーム同様、とりあえず装備していたアクセサリー類。

 どれをとっても廃人プレイで装備していた一品ばかりなので、おまけの効果がかなりのものである。


「べんりー。ていうか、これ依存性とかないよね?」

「…多分無いのではないかと」

「うん私もそう思う。きっとそう言うのは無いんじゃないかしら?それに、気にすること無いわ、あったとしてもどうにでもなるし」


 必殺神聖魔法で、と笑う呉羽に、シアとヘスペリスもそりゃそうだとうなずきを返す。


「それで、何からはじめますか?」

「そーね。あ、とりあえず、ギルド規約書き換えしよう」

「ああ、禁止事項消さなきゃねぇ」


『シアって誰だよ禁止』の一文である。

 くすくすと笑うヘスペリスに、シアは苦笑で返すが、それだけじゃないと告げる。


「あと、幾つか追加で加えたいんだけど」

「構いませんが、何と?」

「『ギルド脱退には150万神金貨(フラウ)の違約金を支払う事』、位書いとかないとw」

「よくわかりませんがわかりました。他には?」


 元ネタはわからないが、そういったネタもあるのかと頷くヘスペリス。

 しかしシアの言った金額は、現在の通貨レートだと下手な大国の国家予算レベルである。

 一旦入ったら抜けられないぞと脅すのも良いかもしれないと、ヘスペリスは同意した。

 事実、それらの大国にしてもそれだけの神金貨は保有していないだろうし。

 ゲーム内では普通に使っていた通貨単位であったが、この世界ではその通貨一枚だけですらちょっとしたレアアイテム扱いだ。

 そういえば、ギルドとして溜めていたゲーム内通貨、持って来れてるのだろうかなどと考えながら、ヘスペリスは手にしたギルドカードの表面に人差し指を滑らせていく。


「あ、早速使ってる?どう?使えてる?」


 ジョフル将軍を連れ帰って色々とグダグダしたせいで、作りそこなっていたヘスペリス・呉羽・カレアシンら3人のカードも、遅まきながらスキルを使用して作り上げていた。


「ええ、便利です。しかも、実体にスキルを使用したおかげなのか、こう…」


 言いながら、ギルドカードからぱっと手を離す。

 あ、と驚き手を伸ばすシアだが、カードはヘスペリスの膝ほどの位置でその落下速度を緩め、逆にふわりと上昇を始めた。


「便利です。落として無くす心配はせずに済みそうです」


 そういって胸元に浮き上がっているカードを再び手にして微笑むヘスペリスに、シアは満面の笑みを浮かべ拳を握り締めた。


「ぐっじょぶーね、私」


 ☆


「さて、そういうわけでこれからなんだけど」


 シアと呉羽、ヘスペリスの3人は、ギルド本部内部を闊歩していた。


「取りあえず、ココを見学したい」


 そう言うシアの希望を先に叶えようと言うのだ。

 特に急ぐ用事もないので、それはすんなり了承された。

 このギルド本部、木造4階建てで建坪はちょっとした体育館程度の面積を誇り、1階から3階までは吹き抜けになっている。

 形状は縦横比が2:3ほどの長方形で、裏庭はちょっとした広場になっている。

 1階は入り口から入るとすぐ正面が受付カウンターになっており、訪れた者にすぐ応対出来るようになっていた。

 その受付を挟んで左右に通路が設けられ、そこを通って奥に進む形となっていて、右側通路を抜けて進むと、各種のギルド取り扱い商品が陳列された売店となっていて、左側を行くと椅子とテーブルが並ぶ、食堂の体を生している。

 売店の方は、レア物からご家庭でも使えるようなお求め安い価格の商品まで雑多に扱っており、中々に繁盛していた。

 食堂の方はと言えば、予想以上にこざっぱりとしていて、雰囲気としてはどこぞのフードコートのようで、早い安い美味いの3拍子が揃った店として、周囲の港湾労働者達からも好評を博しているらしい。

 通路は受付を通り抜けると合流して一つになり、さらに突き当たりまでゆくと裏庭へと出られる扉があって、その左右には2階への階段がある。

 2階は宿泊施設になっていて、キャットウォークのような通路が吹き抜けの外周を取り巻いている。

 そしてぐるりと壁に沿うように部屋が並び、1階からの階段の反対側、ちょうど1階入り口の上あたりに、3階への階段が中央へ伸びるように設えられている。

 3階部分の吹き抜けの開口部は、下の階の半分ほどの大きさで、3階はギルドメンバー専用の宿泊施設———どう見ても下宿であるが———と、ギルドメンバーへの仕事を斡旋する為の事務所になっている。

 そして、3階への階段を上ると、正面に一つ、折り返すように右側に最上階への階段が一つ、計二つの階段が存在している。

 正面の階段がギルドマスターの部屋と、倉庫に続く階段で、折り返している方がギルド職員らの個室が並ぶフロアへと昇る階段である。

 その3階は、正面から見て右がギルドの実務を行う事務所とロビー、左側がギルドメンバーの個室と言うかたちだ。

 4階は大半が倉庫とギルドマスターの部屋で占められ、残りが職員の個室が並ぶ区画となる。

 シアは呉羽とヘスペリスを連れて4階の最奥位置するギルドマスターの部屋を出て、左右に設けられている倉庫を横目に見ながら通路の突き当たりにある階段を下り、3階へ。

 この階ともう一方の階段で上がった職員用のフロアは全て同じ造りの部屋となっている為に、これと言ってみるべき物は無いというヘスペリスの言に、じゃあとそのヘスペリスの部屋を覗かせてもらった。

 実に普通の造りの一部屋で、作り付けの小さな棚とクローゼットとタンスに、ベッドと机。


「うーん、シンプルというか素っ気ないというか」

「ココはほとんど眠る為にしか使いませんから。装備類は上の倉庫で纏めてますし」


 そう言われてみれば、納得出来る仕様ではある。

 くつろぐのは主に部屋の外、階段のあるあたりがロビーのようになっていて、そこで雑談するか1階の食堂で騒ぐのだろう。

 2階は一般人の客相手の宿となっているが、空いている部屋を覗かせてもらうに留めた。

 こちらも同じような仕様で、違いがあるとすれば、全て壁沿いの為に窓が付いているかどうかとダブルやツインなどの部屋の仕様が違うぐらいだろう。

 1階に降りると、売店も食堂もそれなりの人で埋まっている。

 もうしばらく経てば、人も掃けるだろうという呉羽にシアはうなずき、そちらは後回しにして1階突き当たりの扉から裏庭に出た。

 日が傾き始めている中、裏庭をぐるりと見渡す。

 右側には生け垣で大きく囲われた区域があり、左側には木造の小屋と、少し離れてレンガ造りの建物が建てられていた。

 広く取られている広場では、何人かの冒険者達が訓練を行っているようだが、土壁や大きな杭で障害物のある状態の中での戦闘を模しているようで、誰がいるのかまでは見えない。

 邪魔をしないようにとシアはそちらには近寄らないようにした。


「あっちはアマクニら職人の作業場所になっています。そちらは、まあいわゆる馬小屋ですね。中にいるのは魔獣や幻獣ですが」


 指を指しながら言うヘスペリスに、シアの瞳がキラーンと光ったが。


「残念ながら、今は全て出払っています。距離のある各ギルド支部へ支部長として赴く者は、足の速い魔獣使いが適任ですので」


 招集はかけたが、魔獣侵攻戦の影響で現在も各支部は対応に追われ、未だ戻って来れないとの事らしい。

 それなりに責任感のある者を宛てがったのもあったが、それが良かったのか悪かったのか。

 一転してしょぼくれたシアであったが、もう一方の生け垣が気になった。


「うー、残念。あ、あっちは何が?」


 緑に覆われている区画を指差して、シアが呉羽に訪ねる。


「ああ、あそこは湯殿よ。お・ふ・ろ」


 その一言で、シアはふらふらとそちらへと流れていった。

 生け垣の向こう側には、この世界には似つかわしく無い光景が広がっていた。


「…露天風呂」


 そこは、木を組んで造られていたり、岩を組み合わせて造られた湯船、東屋のような屋根が設けられた休憩所、おまけに白い砂と岩、松に似た針葉樹で造園された庭と、日本の温泉そのままの光景が出来上がっていた。


「いいでしょう?ギルド本部はココに一番力入れてると言ってもいいくらいよ?しかも天然温泉掛け流し!」


 得意げに笑みを浮かべる呉羽に、シアは言葉にならないのか無言でカクカクと頷くばかりであった。


「まあ造ったのは爺さんたちですが」


 なのになぜにあなたが鼻高々なのですかとヘスペリスの突っ込みが入ったりしたが。

 日が暮れてから皆で一緒に入るという事にして、その後は作業所を覗いたが、今は非常事態が続いていた後なので誰もいないという事だった。

もうしばらくすると、様々なところから武具の修理依頼や大量の新規購入などの話も舞い込んでくるだろうが、それには今しばらく猶予があるだろう。

戦が終わってまだ2日、戦場だったモルダヴィア大砂漠からは陸路だと急いでも10日はかかる。

現代日本とは違い、即日発送翌日到着など夢物語だ。

心の準備をする時間ぐらいは取れるわねという呉羽に、シアは苦笑して答え作業所を後にした。

 外に出ると、訓練していた者達が装備を外して仕舞うところであった。


「あ、ハイジとクリス。それに熊子(ベアこ)に|黒子さん《ウイングリバー・ブラックRX》じゃないの」


 手ぬぐいで汗を拭くハイジとクリスに対し、熊子も黒子さんと呼ばれたウイングリバー・ブラックRXも、汗一つかいていない。


「にゃ、シア〜。お疲れにゃ〜」


ネコ耳をピンと立てた彼女は、ニコニコとシア達が近づくのを待った。


「お疲れさま。新人のお相手悪いわね、二人とも」

「ん〜?いつもの事だし、誰かがやってあげないとね〜」


呉羽の言葉に、黒子さんも手をふりふりそれに応じた。


「それに他の連中は加減ってモンを知らないしね。ウチらみたいなスカウト系のメンバーじゃないと、大怪我させちゃうし」


小さな胸を張ってそう言う熊子は、それなりに冒険者としての貫禄を新人に見せたのだろうと思われる態度を示していた。


「おお、熊子が真面目だ。いつ以来だろう」

「ねーちん失礼だな!ウチだってたまには真面目に相手するってばよ」


ぷりぷりと憤慨する熊子は、その容姿も相まって逆にシアに抱きかかえられてかいぐりかいぐりされてしまった。

止めようと声をかけた黒子さんも巻き込んで、シアのかいぐり攻撃は続けられた。

逃げようともがく熊子と黒子さんを難なく捕まえ続けるシアを見て、ハイジは眼を丸くしてヘスペリスに問いかけた。


「あの、ヘスペリスさん?ギルドマスター(シア様)は、魔術師スペルユーザーですよね?」

「そうですがなにか?」


驚きを隠せないままのハイジに、ヘスペリスはなにか問題でも?と不思議そうに首を傾げて問い返した。


「いや、私も見てて驚いたんだけどさ。ハイジと私の二人掛かりでも一太刀も擦らせる事が出来なかったのよね、熊子ちゃんに。そのあと剣を取り落としたって想定で組み手もやったんだけど、私らどっちともあの二人に手も足も出なかったのよ。そもそも、こう…お互い袖と襟を掴み合った状態から始めたのに、いつの間にか地面に叩き付けられてるし」

「そうそう、倒れてからも続けていいって言われてたから、押さえつけようとして抱きつこうとしても、するする逃げられたし」


口を揃えてそう言う二人に、ヘスペリスは苦笑しながらシアたちを見つめた。

シアは未だに逃げ出そうとしている二人を纏めて抱きかかえていじり倒し続けていた。

その横では呉羽がその光景を見ながら微笑ましそう佇んでいる。


「ああ、いいですね、こういうの」


新人二人にどう説明したものやらと考えながら、彼女はそう呟くのであった。




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