カレー!あの辛い香辛料が一杯入った黄色茶色赤色緑色、
最近じゃホワイトカレーなんて洒落ちゃって白色なんてのも人気だね!
インド6千年の歴史!もう世界のいたるところで食べられてるカレー!
私に人生の喜びを教えてくれたカレー!人生の大半をしめるカレー!
これはカレーが大好きな『カレーなる一族』の話です。
チュンチュン…
「よし起きた!ばっちしカレーな朝だ!」
カレーなる一族の朝は濃厚なカレー臭から始まる。
カレー臭のするカレー布団にカレー枕、
朝日を遮るカレーカーテンに、カレーパジャマにカレーインナー、
そしてなんといってもカレーの匂いを絶やさないカレー加湿機!
いつものカレー目覚まし時計を止めて、カレーに階段を滑り降りる私!
おおっとジーザス!カレーに忘れてたわ!
カレー臭のするカレーなる我が妹のことを忘れていた!
カレーなる妹よ!カレーな遅刻をする前にカレーに起きて!
少々辛口な妹の部屋にカレーに駆け込むと、そこにはインド人もびっくりな
あられもないカレーな妹の姿を私は見た。
「むにゃむにゃあと五分。カレーを…」
きぃぃい憎たらしい!カレーを一杯食べる夢を見るなんて
朝から凄くマイルドな激辛カレーを食わされた感じだわ!
この憎っくき我が愛妹をどうやってカレーに起こそうかしら!
…そう!そうよ!なんてカレーな思考かしら!
いつもは甘口カレー派の私が辛口でシビアな言い事考えた!
レッドチリなタイ式レッドカレーもグリーンカレーも、
海の幸をふんだんに使った茶色のシーフードカレーも真っ青よ!
私は妹の耳元にちかづき、囁く甘口のカレーのようにこういったの。
「妹、カレー、学校、カレー、遅刻、カレー、遅刻、カレー、遅刻、カレー」
「う、ううん…」
やったわ!利いてるわ!!
私のカレーな囁きが彼女の不安を煽る、サブリミナルカレー上陸作戦!
遅刻という不安要素を大好きなカレーの前にいれることによって
よりカレーに遅刻がダイレクトに伝わる奥義!
がばぁ!!
「カレーのUFOが大勢で地球のカレーを奪いに青いカレーの地球に攻めてきた!カレー防衛軍は全滅!メイデー!メイデー!」
「やっと起きたわね妹」
「ぶわああ!恐ろしい夢をみたわ。人間達がカレーにされる光線を浴びて、人間カレーが宇宙人にキャトルミューティレーションされる夢…恐ろしくて寒気がするわ!」
なんという辛口な思考に対して甘口な夢…
だいたいカレーをキャトルミューティレーションって何?
変なUFO雑誌を読んでるからそんな甘口でも辛口でもない
中辛なことをいいだすのよ。
「いっただっきまーす!」
今日の朝ごはんはもちろんカレー!
しかもママ特製のガランマサラとチャックマサラをふんだんに使った
本格的なインドカレー!タンドリーチキンもついて
これは朝からカレーで豪勢な食事だわ!
「パパ、カレーを食べている時に雑誌読むのやめてください」
「うるさいなあ、朝カレーの時くらいいいじゃないか。ママは辛口だね」
「まあ!辛口とはなによ!私はただ本格的なインドスタイルなだけよ!」
「まあまあ、ママもパパも朝からカレーのことでケンカしないのよ。ナンからルーが飛び出ちゃうじゃないの」
「いつまでたってもお暑いわね。まるで120倍の激辛カレーのよう。いや、そういう意味では砂糖のように超甘口かしら…ウゲーッ想像したらやんなった」
カレーなる一族の出勤前はカレーな会話から始まり
カレーな話題で終わる!まさにカレーオブザピーポーオブザカレー!
「いってきますッ!」
「いってきまーす!」
「いってくるよ」
「いってらっしゃい。お弁当はもちろんカレーよ、電車とかであんまり揺らさないでね」
「「「わかってるって!じゃあカレーにいってくる!」」」
「あらあら、まったくカレーに出て行くんだから…」
三人は猛ダッシュでカレー臭を振りまきながらカレーに駅まで向かう。
パパだけは行く先が違うからカレーにバス亭でバスを待つ。
私達姉妹は同じ中学校の普通科に通うカレーな女子中学生!
今日もカレーに校門をくぐって、ばっちしカレーに遅刻!
「米知佳麗さん。遅刻ね」
辛口なピロシキのような先生…もといクミンのようなセーラのような
そんな香辛料を彷彿とさせる先生にカレーに遅刻をもらった!
でもめげない!だって私はカレーな女の子!
「では一時間目を始める…一時間目は数学…」
一時間目は数学か…それじゃ100円SHOPのカレーだわ。
味も素っ気もないそんなカレーを食べるくらいなら
私は黙って寝ることにするわ…
キーンコーンカーンコーン…
「三時間目と四時間目は家庭科だ。調理室へ向かえ」
やったわ!私の大好きな家庭科の時間よ!
まってまってたモルジブフィッシュよ!
スパイスミックスの出来上がりは、崇高なる辛口に誘う悠久の時間!
「今日はブリの照り焼きを作ってもらいます」
ふふふ!シーフードカレーね!おまかせあれスリランカ!
もっとも私はブリなんてルーの中にはいれずに
タンドリー釜にいれてスパイスを利かせて蒸し焼きにするけどね!
「あ、また佳麗さん!そんな大きな寸胴もってどうするの!」
「心配いりません!カレーに作って見せますわ!オホホ!」
「いや!今日つくるのはカレーじゃなくてブリの…」
「さあ!タンドリー釜を作るわよ!ほら男子手伝って!」
さあ、私はこうなったら庶民派カレーに伊勢海老を加えたように
ガランもチャックも、スパイスが利かないわよ!
男子に釜を作らせて、寸胴に火をかけて、さあ始まったわ!
今やここは調理室ではなくカレーなキッチンスタジアムよ!
出来上がりまでに8時間!ことこと煮込んで一昼夜!
私の完璧なシーフードカレーが出来上がるわ!楽しみ!
キーンコーンカーンコーン…
「はい、皆さんブリを美味しく頂きましょう。あとそれからカレーをつくってる佳麗さんはあとで職員室にくるように」
か、完敗だわ!カレーに完敗!
私はその後、職員室でこってり牛筋のごとく煮込まれて
泣きながら帰ってきてカレーを食べた!ママのカレーがしょっぱい!
涙の味がした!
キーンコーンカーンコーン…
「カレーにさようなら!」
六時間目を終えた私はカレーに学校を飛び出した!
四時から始まる商店街のカレーパン祭りに参加するためだ!
限定100食の煮込まれたカレーパンのためのカレーで造られた
カレーパンを奪おうと、全国からカレーなカレーソルジャーたちが
今や遅しとカレーパンをつけねらっているの!
「ふっふーん!お姉ちゃん!カレーパンは渡さないわよ!」
「い、妹!あ、あんたもカレーパンを!!」
恐るべきカレーに対しての嗅覚!
すでに学校の終わっていた妹が、パン屋の先頭集団にならんでいたのを見て
私は我が妹ながらなんと恐ろしい怪物なのだろうと思った…
このカレーモンスターが限定百食であるカレーパンを
一体何個頼むのか(お一人様三個まで)気が気ではなかった!
「やられたッ!あの女ッ!三個も頼みやがった!」
妹のカレーパン三個買いを苦々しく見る男子が私の前に一人。
私は彼を見ると、スパイスをそのまま飲み込んだような激痛が走った!
顔は帝国ホテルのカレー並にちょっとニヒルでイケてる貴公子顔!
髪はしっとりウェーブかかりの激甘、体は硬派な激辛、
声は辛口だがやや甘口めいて、す、凄いカレーな人物だわ!
私はカレーな彼に目を奪われて結局カレーパンをゲットできなかった。
カレーな彼は一個だけゲットして、海を見ながら流し目で
一口一口、カレーなカレーパンを満喫してたわ…。
ああ、夕日に映える彼のカレーな姿!
なんて痺れるカレーなんでしょう!
「お姉ちゃん!帰るよ!」
「妹よ、カレーパンを頬張る美男子にシーフードとは絶景極まるの〜う、凄く目に良い者をみたでござるよ」
「カレーパンが欲しかったらそういってよね!三個のうち一個はお姉ちゃんの分なんだから!」
「な、なんですとぉ!」
おお!ジーザサイズ!ゴッドブレスマイシスター!
お前のような良き友を得て、私は幸せだ!
さあ!帰ろう!その極上のカレーパンを頬張りながら!
帰ろう!帰ろう強敵よ!ママの待つ我が古のカレーの城へ!
「「「いっただきまーす!」」」
「熱いから気をつけなさい」
カレーな一族の晩御飯はやはりカレーだ!
今晩はおしとやかに日本風カレー!
ライスにしみこむえもいわれぬ旨さの結晶!
そしてスプーンを使わずに指で口に運んで食べる!
まさにワールドオブナンバーワンプリンスカレーな食べ方だわ!
だがカレーな私も今日は食欲がなかった。
「おや佳麗。珍しいなカレーに目がないお前が、カレーに手をつけないなんて」
「お姉ちゃん。帰ってきてからずっとああなのよ」
「佳麗がカレーで黙るとなると、深刻な病気…いやその顔は恋の病ね」
「ええっ!?」
「なんだと!彼氏だと!」
「そ、そういえばおねえちゃん海を見てた美少年がどうとか…」
「どんな奴だかしらんが甘口な奴なら私は許さんぞ!」
「ちょ…違うって」
オーマイマザーハンギングゴッドヒアー!
カレーにママな直感によって恋がバレた!
パパはその言葉を聞いて激辛カレーのように激怒!
助けてといういつもの妹は笑って情報公開してるし!
ああ!何いってんのママ!カレーにニヤリと私のことを見ないでよ!
もー!誰か助けてよ!このカレーなる一族を!
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