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2回目:あたしについて
あたしは、生まれつき耳が聞こえない。
ほんの少しも聞こえない。

音のない世界。
ううん、世界に音がないのはあたしにとって当然で、むしろ音のある世界がどんなものかが想像できない。
自分が声を発しているんだなということは理解できる。
口元に手を持っていけば風を感じるし、のどを触ればかすかに震えているのもわかる。
だけど、音はわからない。

耳が聞こえないと、言葉の発音というのは上手くできないらしい。
小さいころ、できるだけ人前で声を出さないようにとお母さんから手話で言われた。

小中とろう学校に通って、高校から普通高校に無理を言って行かせてもらった。
障害のない、いわゆるふつうの友達は1人もできなかった。
手話のできる子なんているはずもないのだから、当然だ。

孤独はそれほど辛いものではなかった。
もちろん、仲の良い子でペアをつくるとなったとき、あたしはひとり。。
そんなときは感情のない振りをして手を挙げる。
「あたしには友達がいません」そう言葉にすることもできない。

パソコンはあたしがふつうの子とも話ができる唯一の道具だ。
掲示板を通して、言いたい事を言い合える。
むしろパソコンが友達だといっていいかもしれない。
だけど高校生のときは、自分だけのパソコンを買ってはくれなかった。
だから三年間、必死に勉強だけして今はもう大学生になった。
都内にある有名大学に受かれば、パソコンを買ってくれる。そういう約束だったのだ。


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