己が欲望に従順な者
田中権蔵の嫌いな人間は勇気のない奴だ。
踏み出せば手の届く場所に宝があるというのに、その一歩を踏み出せない奴を俺は侮蔑する。
例えば目の前の男たちだ。
リスクを恐れ、その先にある栄光を追い求めようとしない。
それどころか、俺を羨み、妬み、見下し、こうやって動きを封じ、実行に移させまいと妨害をしてくる。
「なあ、いい加減素直になったらどうだ。俺を解放して共に歩もうじゃないか」
「黙れ、犯罪者」
「逃がすとサウワが怒る」
何度も俺が説得しているというのに、土屋さんもゴルホも聞き入れてくれない。
ゴルホの堀った土の中って結構温かいな。注がれる視線は冷たいが。
「だってよぉ、そこに桃源郷があるんだぜ! 棒のようなサウワや、平原の桜姉さんと違い、たわわに実った二つの果実を備えたオーガ美女の大群がいるんだぞっ!」
「それ二人に伝えておくぞ」
「や、やめてくれ! い、今のはモノの例えだろ! つ、つまりあれだ、魅力的な女性陣がこの塀を越えた先の露天風呂にいるんだ……覗かない方が失礼ってものだろ」
俺がこんなにも熱弁を振るっているというのに、二人の表情に変化はない。折角、露天風呂があるというのに、この薄い反応は何なのだろう。
この村は以前転移者が住んでいたので、色々と日本の文化が浸透している。
そのうちの一つが、俺の目の前にある塀で囲まれた露天風呂だ。
以前はオーガに風呂という文化はなかったそうなのだが、転移者の一人が執念で温泉を掘り当て、一気にオーガたちへ浸透したらしい。
「あのな、権蔵。明日はベヒモス退治がある大切な日だ。それに、ここで騒ぎを起こせば、俺たちの立場は悪いものになる……ここまではわかるな?」
「おう、理解しているぜ」
「なら、何故、露天風呂を覗こうとする。そんなことをしてバレたら関係が悪化するのは確実だぞ」
ああ、成程。土屋さんらしいな。自分の欲望を抑え込み、仲間の為に辛抱していたのか。
「それは、心配無用だぜ。オーガというのは未だに実力が全てという認識が残っていて、覗きも覗かれる隙がある者が悪いというスタンスらしいぜ。素晴らしいよな!」
「それ、何処情報なんだ?」
あの半眼の目は全く信用してない。
「ふっ、何人ものオーガから確認はとっているぜ。何でも、転移者が露天風呂を作った際に、露店風呂の決まり事の一つとして覗きは文化だと教え込んだらしい。ちゃんと、覗きのルールもあるんだぜ……って、ゴルホそろそろ出してくれねえか。ポケットにルールのメモ書きがあるから」
「どうする?」
ゴルホも信じていねえな。ったく、本当だってのに疑り深い奴だ。
「まあ、糸で縛っているので逃げられないだろう。穴から出してやろうか」
ようやく、ゴルホお手製の落とし穴から出られるのか。
塀近くまで忍び寄ったらいきなり足元の土がなくなり、埋められたのは焦ったが、これで晴れて自由の身だ。
「ふぃー、やっぱ広い世界は良いもんだ。で、何で糸は解いてくれないんだよ」
「犯罪者の拘束を解くと碌なことにはならないからな」
ひでえ。俺の言い分もただの言い訳だと思って信じていないのだろうな。
ふふふふ、これを見て驚け! 俺もこの話を聞いたときは眉唾だったが、これが証拠だ!
「さあ、これを見てくれ!」
俺の突き出したメモ書きを土屋さんとゴルホが覗き込んでいる。
そこに書かれている文面は何度も目を通し、確認済みだ。もう、見なくても内容を完璧に復唱できる。
一つ、覗く側は薄手の布一枚しか身に纏ってはならぬ。武器や道具も携帯不可とする。
一つ、覗く側は相手からのいかなる攻撃に対しても、反撃を禁ズ。
一つ、掠る程度はセーフとするが、怪我を負う程度の打撃や、お湯や水を喰らった場合、即座に降伏し、諦めること。
一つ、露天風呂に入った覗かれる側は布で体を隠さず、その裸体を晒すべし。
「この露天風呂を作ってルールを定めた転移者の人……頭おかしいだろ」
呆れた口調で大きく息を吐く土屋さんの隣で、ゴルホも頷いている。
おいおい、このルールの素晴らしさが理解できないなんて、やっぱ土屋さん枯れているんじゃねえか?
「何言ってんだよ。覗きは浪漫じゃねえか! 女性に手を出すのはアウトだが、相手に気づかれることなく覗くのは相手も傷つかず、自分は満足できる。それに、相手から身を隠し、潜入するというのは立派な技術だ。相手が警戒をしているところに忍び込む……これは、隠蔽能力を磨く訓練でもある筈だぜ」
俺がそう言うと、今まで全く興味のない素振りを見せていたゴルホの瞳が、一瞬こちらに向けられた。
これは……上手くやればいけるか。
「それにだ。オーガは気の扱いに長けている。相手の気配を察する能力が高い。そして、今、露天風呂にはオウカがいる。彼女は気のレベルが高いのはゴルホも知っているよな。そんなオウカに、もし気づかれることなく覗きを成功させたら……それは、超一流の隠蔽技術を持つという証にもなると思うぜ」
「超一流……隠蔽……」
ゴルホが俺の誘いに乗ってきそうだ。
いつもは無口で感情の薄いゴルホだが、ギリースーツと隠蔽の技術にだけは誇りを持っているのを俺は知っている。
そんなゴルホが覗きに参戦してくれたら、成功率は格段に跳ね上がるだろう。
ここはどうしても、仲間に引き入れたいところだ。
「ゴルホも犯罪者の口車に乗せられない。どっちにしろ、これが本当なのか、確証がないからな。権蔵を先に行かす気は……」
「権蔵の言っていることは本当だ」
土屋さんの言葉を遮って現れたのは――リオウ。タイミングはばっちりだ。
気が逸って単独先行をしそうになったが、実は今日の覗きには同行者がいる。それが、リオウ。
「この村では、露天風呂を覗くことは大人になった証とされており、誰もが一度は経験する通過儀礼のようなものとなっている。私も踏ん切りがつかなかったが、権蔵の熱い説得により、共に進むことを決めた」
「純粋な相手への刷り込みって、恐ろしいものだな」
額に手を当てて、頭を左右に振っている。土屋さんは物事を真面目に考え過ぎだと思う。
折角、都合のいい展開なのだから、欲望を解放し、その身の赴くままに行動すればいいのに。
「はぁ、リオウが嘘を言っているということは無いか。なら、好きにすればいい……あ、リオウ。失敗した場合、何かデメリットと言うか罰則はないのかい?」
成功した時のことしか考えていなかったが、そういや失敗した場合のリスクを聞いていなかった。
「ふむ。まず、相手側に防がれた時点で大人しく降伏し、逃げることは禁じられている。そして……まあ、それは捕まった後に知ればいいことだ。成功すれば、お咎めはない」
なら、成功すればいいだけの事。言い淀んだ部分が気にならないと言えば嘘になるが、失敗を恐れるなんて、俺らしくねえ!
「どうよ、土屋さん! 俺の行為が間違っていないことが理解してもらえたか」
「行為自体は間違っているが、まあ、俺は止めないよ。男としてわかる部分もあるからな……ゴルホも行くのかい?」
「隠蔽技術がオウカに通用するか興味ある」
ギリースーツを既に着込んでいるゴルホは準備万端のようだ。
リオウもその場で屈伸運動をして、体を温めている。
「ゴルホ、忍び込むのにギリースーツは無しだ。さあ、行こうか、勇者たちよ……まだ見ぬ、サンクチュアリへ!」
「おうっ!」
塀へ向かって進む俺の背に大きなため息を吐く音が届いたが、気にしないことにした。
俺は覗きの正式な衣装である腰布一枚を装着し、土屋さんに捕まった場所の付近から、再び侵入を始めようとしたのだが、肩をリオウに掴まれた。
「ここはダメだ。この塀は三つ並んでいて、ここを越えた先は罠と監視者が多い。こっちにこい」
情報に精通している地元の仲間がいるのはありがたい。
リオウは生真面目な顔をしているが、やっぱりこいつも男のようだ。興味のない振りをしながらも情報を収集していたのだろう。
きっと、その性格が災いして自分から行動には出られなかったが、誰かに誘われたら渋々な振りをしながらも同行するつもりだったのじゃないか?
「なんだ、権蔵」
「いや、別に」
リオウは塀沿いを進み、人気のない木々が生い茂る地点まで移動した。
といっても、木に登り露天風呂に忍び込むことも、覗くことも不可能なのだが。
「頭おかしいんじぇねえか……ここだけ塀が高すぎるだろ」
見上げた先には高さが10メートルはある壁が反り立っている。
「一番狙いやすいポイントだからな。ここだけは壁も強固で高い。だが、その分、先の警備は手薄だという噂だ。この露天風呂の塀は、村の外壁を担当してくれた転移者によって作られている。露天風呂を掘った者と仲が悪かったらしく、嫌がらせの為に本気で作ったらしい」
いやいや、本気出しすぎだろ。
塀――いや、壁だなこれ。そっと手を触れてみるが、かなりの厚みがあるようだ。破壊は無理だろうし、破壊できたとしても音で相手に気づかれる。
「任せて」
珍しくギリースーツを脱いで、俺と同じく腰布一枚のゴルホが歩み出ると、地面に手を突いた。
そして、土使いの能力を発動させ俺たちが余裕で通れる程度のトンネルを、地面に掘ったようだ。
「上が駄目なら下からいけばいい」
「さすが、ゴルホだ! 有能だな!」
ゴルホを連れてきたのは正解だった。この力があれば、どんな難関も余裕でクリアーできる。
「皆、行く」
ゴルホを先頭にして、俺、リオウの順番に進んでいく。
「厄介。深い場所まで壁がある」
トンネルはかなり急な斜面だというのに、地面深く壁が潜り込んでいるらしく、トンネルの先には強固な壁の基礎があった。
「ゴルホ、この下何処まで繋がっているかわかるか?」
「土から伝わってくる感触だと――上と同じぐらい」
おいおい、気合入りすぎだろ。
となると、壁沿いに斜め下に向かって掘り進んでもらい、下を潜るしかないか。
俺が作戦を口にすると、ゴルホが何も言わずに頷いている。
「精神力は足りそうか?」
「大丈夫。でも、その後は、あんまり力使えないと思う」
そうか……今はこの難所を乗り越える――潜り進むことが先決だ。ゴルホには頑張ってもらうしかない。
「だああっ、ようやく地上か」
体についた土を落とし、新鮮な外の空気を肺一杯に吸い込む。
何とか壁の下を潜り、第一の塀を突破した俺たちの眼前には第二の塀があった。
「これは、壁と言うより縄?」
縄を網目状に張り巡らせただけの塀。
途中杭が打ってあり、そこに縄を絡ませ塀としているようだ。鉄条網の鉄じゃないバージョンだな。
高さも四メートル程だ。身体能力の上がっている今の俺なら、簡単に登って乗り越えられるだろう。
「まて、権蔵。この縄に触れてはいけない。この縄に何かが触れると、瞬時に連絡が行き渡り、警備の者たちがやってくる」
何だと……くそ、ここに土屋さんがいれば、縄を操ってもらい簡単に突破できたのだが。
「ゴルホ」
「精神力に余裕がない」
回復を待つのも手だが、それだとオウカが風呂から上がる可能性が出てくる。第一の関門で思ったより時間を取られたのが大きい。
「少しでも触れたら、それで感づかれてしまう」
となると、全く触れずにここを乗り越えないといけないのか。
走って飛び越えるか?
確か走り高跳びの世界記録が3メートルもなかった筈。身体能力が上がっている今なら、これぐらい何とか飛び越えられそうだが。
俺が助走を取る為に後方へと下がっていくと、何を思ったのかゴルホが塀の少し前に歩み出て、その場にしゃがみ込んだ。
「もう、役に立ちそうにない。踏み台として進んで」
何、だと……ゴルホ、お前。自分はここで犠牲になって俺たちに先へ進めと言ってくれるのかっ!
「お前ってやつは……その想い、受け取ったぞ!」
俺とリオウはゴルホの熱い意思を受け継ぎ、彼を残し前へと進むことに成功した。
縄の塀越しに見えるゴルホは、静かに佇みながらこちらへと手を振っている。
「ゴルホ、必ず成功させるからなっ!」
あいつの想いに報いる為にも、俺たちは立ち止まるわけにはいかない。
「権蔵! そんなに大きな声を出すとっ!」
リオウの慌てた声に、自分が何処にいるかを思い出し慌てて口を噤むが、時すでに遅し。
最後の塀を目の前にして、無数の警備担当者が現れた。
全員露天風呂の従業員のようで、頭に三角巾のようなものを被り、体には割烹着を身に着けている。全員オーガの女性のようだ。
その手には長い棒や、木刀、投げ縄、弓を持つ者までいる。
「ふふふ、久々の獲物よっ!」
「ココマデキタノ、イッカゲツブリ」
「この時の為に働いているのよねぇ」
「生身にめり込む感覚が、タマラナイィィィィ」
全員が嬉しそうに顔を歪め、目がギラギラと怪しい光を湛えている。
それどころか、手にした得物を舐めている者までいるぞ。
何で、このオーガ店員共は異常なまでに好戦的なんだ。
「ここの警備を担当している店員の大半は、合法的に男を叩きのめすのを目的としている者が多くてな……欲求不満をぶつけられると、この仕事場、女性に人気があるのだよ」
そ、れ、を、早く言え!
「さあ、簡単に当たらないでよ」
「逃げ惑え、逃げ惑え!」
「キエエエエエ! カリダ! カリダ!」
うおおおおっ! 俺は負けないぞ、こんなところでやられはしない!
迫りくる相手を『縮地』を使い潜り抜け、『邪気眼』を発動させて相手の気を探る。
「権蔵、お前だけでもっ、ぐはあああっ!」
「リオウゥゥゥゥ!」
振り返る余裕もないが、お前のことは忘れないぜ!
ゴルホ、リオウ。お前たちの死は無駄にしない。必ず、俺は覗きをやり遂げて見せる!
「はあ、はあ、はあああああぁぁ……よ、よし、振り切ったか」
相手の攻撃を紙一重で躱し、相手の包囲網を潜り抜け、俺は従業員のいない場所に逃げ込むことに成功した。
「しっかし、この露天風呂どんだけ広いんだよ」
かなり走ったというのに塀の終わりが見えない。ここが、最後の塀だというのに、下手したら東京ドームぐらいの大きさはありそうだ。
まあ、東京ドームに行ったことは無いが。
何にせよ、あとはこの三メートル程度の塀を乗り越えれば、夢の桃源郷。
「うわぁ、オウカって本当に大きいというか、巨大過ぎるわ……羨ましいどころか、妬ましい!」
この声は桜姉さんか。
「揉んでいい?」
「べ、別にいいけど、楽しい?」
これはサウワだな。二人も入っているのか。
正直、二人の裸はどうでもいいが、比較対象があることによりオウカのスタイルが際立ち、より価値が増すと考えればいい。
「やわらかーい」
「ちょっと、私も触らせて!」
「ダメっ、そこは先っ」
何だこの悩ましい声は! 脳内の妄想がとんでもないことになってきた!
よ、よっし、行くぞ!
塀に手を掛け、興奮を抑え込み、ここで見つかっては元も子もないと慎重に登る。そして、出来るだけ気配を殺し、そっと塀から顔を出す。
そこには――
「やだああーもうぅ、えっちぃー」「きゃはきゃは」
と女声を使い分ける、裸体のオーガマスターがいた。
衝撃映像に全身の力が抜け、塀から落ちそうになったが、何とか堪えられたのは俺の残された執念だったのか。
「おう、ようやくきたか権蔵よ! どうだ、わしのスキル『声真似』の実力は。戦闘では使えんスキルだが、こうやって遊ぶのには適しておるのだよ」
「……何で?」
あまりの光景に、言葉を失った俺が何とか口にできたのは、その一言だけだった。
「うむ。お主は気づいておらんようだったが、行動は筒抜けだったのだぞ。お主の隣にいる者によってな」
へっ、何を言っているんだ。俺の隣に何て誰も――うおっ!?
塀の上に立つサウワが蔑んだ目で俺を見下ろしている。こいつ、いつの間に……。
「サ、サウワさん、いつから、いらっしゃったのですか?」
「一番外の塀の前で騒いでいる時から」
あの時から潜んでいたのかっ。くそっ、全く気付いていなかった。
「では、お話は全て……」
「うん、皆に伝えて、警備の人にこっちへ誘導してもらうように頼んだ」
こっちが手薄だったのは、そういう事だったのか。
「あの、この件に関して桜姉さんや、オウカはご存知でいらっしゃるのでしょうか」
俺の問いかけに、サウワは能面のような顔を珍しく緩めると、にっこりと笑いこう告げた。
「いらっしゃる」
「懲りないわね、権蔵君は」
「ふっ、易々と覗かれる訳にはいかないよ」
サウワの言葉を肯定するように塀の上に姿を見せたのは、桜とオウカだった。二人とも私服のままで、風呂に入っていた形跡は何処にもない。
「さてと、じゃあ、お仕置きの時間かな。オウカ、リオウも捕まえているのよね」
「ああ、桜。既に逮捕済みだ。あの場所に運んでおいた」
あの場所って何だ!? 嫌な予感しかしないんですがっ!
「ここはお互い痛み分けということで、見逃すというのは――」
「ない」
女性三人の声がハモった。
「ですよねぇ」
俺は塀から飛び降りて逃げようかとも思ったのだが、徐々に集まってくる女性オーガの従業員を見て……観念するしかないか。
俺は男性用露天風呂に浸かりながら、夜空を眺めている。
日本では見たこともない、満天の星。星が落ちてきそうだ、という表現を聞いたことがあるが、今の状態は正にそれだ。
この湯船の中にいるのは俺とリオウのみで、いわば貸し切り状態なのだが、これっぽっちも落ち着かない。
何と言うか全身がもぞもぞしてしまう。
正面のリオウは仏頂面で、じっとお湯に視線を落としている。
「悔しい、でも何だか興奮する自分が怖いっ!」
「羞恥心しかないのだが」
俺の背後と側面には塀が半円に配置されているのだが――その上に、ずらりと女性のオーガが並び、ニヤニヤと厭らしい表情を浮かべ、俺たちを視姦している。
そう、これが覗きに失敗した者への罰ゲームだ。
自分たちが入浴するシーンを女性のオーガへ公開される。覗く者は覗かれる覚悟もしなければならない、ということらしい。
「くそっ、次こそはっ!」
「ああ、覗きに失敗した者は半年、覗き行為を禁止されるぞ。もし、禁を破った場合、今度は本格的な罪として裁かれるのが村の掟だ」
リオウの言葉に俺は、ため息を吐くしかなかった。
ちなみに、後で気づいたのだが、ゴルホは全く気付かれることなく潜み続け、オウカにすら悟られずにミッションをクリアーしたらしい……正直、かなり羨ましい。