挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

ブックマークする場合はログインしてください。

新粒子発生

世界に蔓延る粒子

作者:風実
初投稿です。システムとかよくわかりません。タグとかキーワードとか違ったら教えてくれるとありがたいです。ただちょっと怠け者なので、感想とか書いてくれても返さないかも、です。許して。
 いつかどこかの世界。その世界には宇宙帝国やら宇宙共和国やらと、宇宙に進出した人々が国を作っていた。学問は進み、世界の根源——形作る要素はすべて判明し、あと少しで世界の法則は丸裸になるところだった。

 そんな中、ある研究所で新粒子の開発が行われた。その新粒子は重力を伝える粒子と光を伝える粒子、そして物質を形作る粒子が正面から三つ同時に衝突することで生まれた。この粒子はほかの粒子に影響を与え、変化させる効果を持っていた。

 この粒子を作った研究所は共和国の軍事研究所で、この成果に軍部は狂喜乱舞した。粒子から変化させるのだから、防御不能の破壊効果を有する兵器が作れるはず——。だから軍部は研究を命じた。共和国は戦争する気はなかったが、外交の切り札が欲しかったのだ。命令を受けた研究所はその新粒子をさらに作った。たった二つ三つの粒子では研究もままならないから。

 新粒子を作り始めて三日後——その研究所は消滅していた。その研究所のあった恒星系も含めて跡形もなく。一日前に軍部は異常に気付き調査隊を派遣していたが、研究所周辺は全く観測ができなかった。

 この異常事態を重く見た共和国政府は、周辺の合衆国や首長国に緊急通報を発し、大国の連邦、連合王国などにも異常発生と救援を要請し、自らも対処のため最精鋭の軍隊を送った。事故や災害、テロによる支配ならともかく、観測不可能というのはこの科学が発達した世界では余りにも異常な事態なのだ。

 そうして異常発生から二日たち、研究所近くに国境の面した首長国は国境近くの立ち入り禁止を行い、周辺の宇宙船や恒星系の住民の避難を行い、合衆国も異常を国民に向け発表。そして連邦や帝国は独自の調査団を派遣した。また、共和国軍は研究所のあった座標の周辺に到着したが——突然、共和国の最精鋭軍は消滅し始めた。慌てて連絡通信を送ったが、途中で途絶えてしまった。その連絡文は、「真黒い線がぶつかる度に光も何もかも、き——」これを聞いた大国の調査団や共和国政府は、あまりに異常さに自分の頭をまず疑った。当時の観測は観測機器から送った特殊な粒子の反射した後の帰ってきたものを観測するので、黒とは粒子が返ってこなかったことを示す。あり得ないのだ、そんなことは。この粒子は「すべてのもの」に反射するから、宇宙空間の微粒子すら観測し、薄い色で表す。黒とは、すべての粒子を吸い込むブラックホールぐらいしか表さないのだ。そのブラックホールが線となり、能動的に動く。これもまた、あり得ない。仕方がないので、調査団は移動を開始し、また慌てて共和国は周辺の過去の情報や研究所の残留資料をあたった。

 共和国軍が消滅して二日後——調査団は消滅した。直前の連絡は、「観測不可能な粒子群を発見。この粒子は他の粒子に衝突すると衝突した粒子を消滅させる模様。よって名称をannihilaterとする。共和国軍消滅はannihilaterが原因と推定される。また、どうやらannihilaterのある地域は拡大——」であり、こちらも途中で途切れていた。 共和国、連邦、連合王国、合衆国、首長国は共同で研究を開始することを宣言し、annihilaterに対する対策を考えていった。

 共同研究開始から四日後——annihilaterの脅威はすでに共和国領土の半分を支配、また首長国にも及んでいた。早期から危険性を予想していたため人的被害は少なかったが、物資、経済的にはあまりに巨大な被害となっていた。Annihilaterの脅威は、国を亡ぼすほどになっていた。このため共和国はもはやかつての強国としての影もなく、研究費の提供どころか国民保護さえ危うい状況であった。そうして未だ研究体制も整わないうちから共和国は共同研究から離脱した。

 そのような状況から連合王国、連邦は連名で非常事態宣言を発表。Annihilater対策に全力を注ぐ、とした。具体的には、annihilater研究の費用に対する国の援助と全世界から各分野の優秀な研究者、識者の招聘、annihilaterの浸食による難民の無条件受け入れ、などであった。また、他の国々への協力要請も行った。この宣言は、長らく連合王国や連邦などと戦争状態にあった帝国とその同盟諸国にも受け入れられ、史上稀な全世界連合の確立が行われた。これは逆に事態がそれほど異常であることも示していた。

 そうしてAnnihilater対策が完全に成立したのは、初期共同研究宣言から早一か月、すでに共和国と首長国は宇宙地図から消滅、合衆国や多政府同盟にもannihilaterの脅威が及んでいた。多政府同盟は新興国で弱小国家の同盟であり、ほぼ参加で決定していたものの意思統一が間に合わず最も遅く世界同盟に参加した勢力であった。また脅威の理解が浅かったために避難が間に合わず、annihilaterによる初の大規模被害となった。その多政府同盟の所属民は混乱したまま難民となり、国境の面した王国へ大量の民衆が流れ、王国はあっと言う間に混乱状態になり、連邦や連合王国の援助を受けることになった。こうしてannihilaterは世界に猛威を振るっていった。

 その後二か月たち合衆国と多政府同盟、王国が消滅したころ、ようやくannihilaterの概要がつかめた。その効果は、衝突した粒子をannihilaterに変化させ、同一粒子の運動に干渉を受け、全宇宙に広がる、というものだった。この発表を聞いて、すべての国家は絶望した。また、この情報が一般市民に流れたが最後、暴動がおこることが予想された。何せすべての粒子がannihilaterにぶつかり次第annihilaterに変化するのだ。防ぎようがない——。

 しかし人の口に戸は立てられず、情報は流れ、帝国とその所同盟を除くすべての国家で暴動がおき、世界は混乱に満ち溢れた。帝国とその所同盟だけは、その統制により続々と避難させながら、研究を続けることができた。研究成果が出て一か月後のことだった。

 そのうち暴徒化した民衆が連邦、連合王国両政府を崩壊させてしまい、もはや連邦、連合王国による秩序は破壊されてしまった。おりしもannihilaterの脅威が両国に迫る時期であった。連邦の周辺国は第二共和国が残るのみ、また連合王国周辺の「無の宇宙空間」さえももはやほとんど侵略されていた。暴動発生から二か月が過ぎていた。

 帝国は研究を続けていたが、研究施設で事故が発生。annihilater保管装置、ひいては防御装置の開発に成功していた、と思われていたが、浸食は確かに起きていて、保管装置は消滅、次いで研究所も消滅し、帝国総統府は研究所の近くだったので直ちに消滅した。もはや帝国すらも崩壊してしまった。

 人々は世界の無秩序に戸惑った。世界を形作る粒子が、物質が消滅していった。世界の法則は乱れに乱れ、形作られた学問体系は意味をなさなくなった。そうして人々は消えながら、混乱していた。人の体も同じく物質——粒子とともに変わり、消えていった。古い粒子は消え新しい粒子が生まれ、新しい粒子は世界、宇宙に拡散して更に秩序を消滅させていった。

 そんな世界の変遷の中、連合王国のさらに向こう側の小国では、一人の学者が逃避を考え、新しい世界を生むことにした。そのための実験——仮想世界の変遷実験。この仮想世界は物質でなく、概念で作られた。というのも物質の世界はannihilaterにより浸食、消滅してしまうのだ。学者は仮想世界を観察しつづけた。

 仮想世界は形になりつつあった。学者はそこに秩序を与え、世界にした。また、annihilaterが出現してもいいように、秩序に影響されない根源素を与えた。仮想世界はできつつあった。

 Annihilaterの浸食は続いた。帝国とその所同盟は消え去り、広大な連邦は消滅し、発達した連合王国の都市はもはや見ることもできない。世界に、宇宙に広がる通信網は意味をなさなくなり、艦隊も兵器も消滅する。そして学者のいた小国も、もはやannihilaterに飲まれた。かの学者の試みは道半ばで失敗した。

 そして全宇宙はannihilaterのみとなった———。


 そのannihilaterに変化が生じる。徐々に、渦を巻き、annihilater同士が衝突し始めた。それにより変化しない新粒子が生まれ始めた。新粒子群は新たな秩序を作り出す。世界はまた形になる。それは学者の考えた仮想世界と同じであった。

 Annihilaterは新しい粒子に変わった。新しい粒子はぶつかり、まとまり、伝え、世界を再構成する。途中で消し去った学者の中にあった概念に基づいて————。

評価や感想は作者の原動力となります。
読了後の評価にご協力をお願いします。 ⇒評価システムについて

文法・文章評価


物語(ストーリー)評価
※評価するにはログインしてください。
感想を書く場合はログインしてください。
お薦めレビューを書く場合はログインしてください。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ