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  氷室研究所 作者:優楽
001 メンバー
 とある大学の研究室…。今年の4月から大学生になる。といっても、短大から系列の大学に試験的に編入する制度を始める事になり、その一人目に選ばれたのが私田丸由宇(ユウ♀)だ。ただ単位の関係で2年生からの編入となった。
 その中の一人に選ばれたのも、遠縁の氷室教授がいたからだ。遠縁と言っても、私の記憶の中では一度も登場したことがない。
 そして御礼というわけではないが、春休み返上で研究室に手伝いにきているのだ。そこで私は大変な事に巻き込まれてしまう…。


「失礼します。」

「どうぞ。」

 こっちを見る視線は3つ。男性2女性1の視線。

「どうぞ中入って、田丸さんですよね?」

「はっ、はい。」

「先生から聞いてますよ。とりあえずここ座って。」

「すみません。」

「私は葵ひかり。学年は1つ上だけど年は同じだからよろしくね。」

「田丸由宇です。みなさんよろしくお願いします。」

「葵って呼び捨てで構わないから、気軽に呼んでね。」

「はぁ…、じゃ慣れるまで『葵さん』で…、」

「『さん。』とかいらないって!」

「はぁ…。」

 ちょっとボーイッシュな感じの気さくな子だ。同じ年齢の女の子がいるのは心強いし、有り難かった。でも初対面で呼び捨ては…。

「よろしくね。インスタントしかないけどコーヒー飲むでしょ?」

「うん。ありがとう。」

「で、あっちで色々準備してるのが、ここのリーダー引き継いだ真木翼君。私はマッキーって呼ばせてもらってる。で、こっちの男の子が、」

「三崎司です。4月から同じ学年なんでよろしくお願いします。それに俺も今日からなんで。」

「どうも。」

「真木君は私と同じ学年なんだけど2浪してるから、私達より2つ上よ。」

「はぁ…。」

「おい!何も今バラす事ないだろ?」

「いずれはバレるんだからいいじゃん!」

 『チッ。』と舌打ちしてる。

「はい、コーヒー。」

「ありがとう。」

「で、来てもらってあれなんだけど、先生1週間位休むってさ。」

「えっ?」

「なんでも沖縄に魚取りにいくとかで、さっき連絡がきてね。」

「さっ、魚?そうですか…。」

「だからここには4月からきてくれれば構わないから。」

「えっと…、じゃ、今日は?」

「あ〜…、もし用事とかあれば帰ってもいいよ。

「…。」

「暇だったら、これからマウスに薬を投与するから見ていけば?」

「先生いないんですよね?」

「ファックスで指示きてて、それやったら帰れるから真木君が巻きでやってるとこよ。」

 『真木が巻き…。』葵は渾身の親父ギャグのつもりか…?しかも笑顔でこっちを見てる。ハニカミ笑いしか出来なかった…。

「葵ダジャレかよ?それつまんねぇよ。田丸さんも困ってるじゃんか!」

「私なりに和むかと思って気を使ったつもりだったんだけど…。」

「困らせてどうすんだよ?」

「だね…。」

「いや…、困ってないです…。二人のやり取りも面白いですし…。」

「フォローしてくれるなんて田丸さんって優しいね。で、どうする?見てく?」

「はい。是非。」

 この選択が私にとって凶と出たのだ。


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