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小道の花
作:betymogu


生きてるとさあ、何でこんなにもいっぱい試練があるんだろう、って思うよね。
世の中不条理なことが多くて、何の罪もない子供が死んで、
悪事を働いている悪人が裕福に暮らしている・・・おかしいよね。
何度神様に悪態ついたか・・・

子供の頃ね、本当の両親は何処かにいて、何時かきっと迎えに来てくれる。
現実を受け入れたくなくて、そんなこと思ってたよ。
もっと裕福な生活に憧れて、優しくて美しい母親像を描いていたんだ。
罰当たりだったよ、ほんとに・・・

でもね、ある時気が付いたんだ。
貧乏な事も、辛かった事も、楽しかった事も、
どれひとつ欠けても、今の自分がいないことに・・・

そりゃあ、全部が好きなわけじゃないよ。
特に、だらしがないところなんて嫌いだよ。
でもさあ、嬉しい事や楽しい事があった時に笑えるのも、
そんな一人一人の自分がいたから笑えるんだよね。

今だって泣くこともあるし、後悔だっていっぱいあるよ。
でもね、生まれて来た事を後悔はしていないよ。
ほらっ、今こうして君と話しをしているじゃない。
色んな人と出会って、素晴らしい景色に巡り合い、
色んな事を知って、少しづつ感謝の数が増えているよ。

辛い事があって、初めて楽しさを理解出来るのかな?
比較しないと分からないよね、良いことも悪い事も。
だからさあ、悪い事が起きた時は、嬉しい事を知る材料が出来たって、思おうよ。

辛い時にそんなこと思えないって?
そうだよね、難しいよね。
でもさあ、人間って都合良く出来てるのかなあ、
悲しくて俯いて歩いていると、道端に小さな花を見つけたり、
遣り切れない気持ちで見上げた夜空に、ポッカリ真ん丸いお月さんが浮かんでいたりすると、
優しく見守ってもらえている様な、そんな気持ちになれたりする。
知らず知らずのうちに、自分を慰めているよね。

辛い時にこそ、普段見落としている小さな幸せを見つけられるんだよね。
上手いこと出来てるよ。
そして、あんなに辛かった事も、ほらっ振り返ってごらん。
なんでもなかったように、ほろ苦い色の花を咲かせている。

まだ泣き足りなかったら、泣いてていいよ。
幾ら泣いたっていいよ、怒りたければ怒りな。
でも、自分の人生だけは恨まないでな。
僕だって、未だに見えないこの先の道のことを考えると、
不安で不安で、一人で生きて行くのが心細く思える。
座り込んで、泣き通したいと思うこともある。
胸を張って歩いていても、泣き崩れて座り込んでいても、
時は容赦なく流れて行く。
厳しいけれど、それも現実なんだよね。

さあ、そろそろ行こうか?
遠慮しないで、手をお出し・・・
これから、どんな事が待ち受けているか分からない不安な道だけど、
少しの間、手を繋いで歩いて行こう。
暗い夜道は二人で希望の星を探して、未だ見ぬ明日の話を語り明かそう。
夜が明ける頃には、きっと笑顔が戻っているさ。

あの角を曲がるとお別れかも知れないけれど、
それでも良かったら、一緒に歩いて行こう。
僕は、それでも後悔はしないよ。
だって、君とのこうした時間も何時かきっと、
僕の生きた道に花を咲かせているから・・・

またひとつ、「ありがとう」の花が増えたよ。
「ありがとう」出会ってくれて・・・


生きているって事は、それだけでありがたい。













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