忘れていた存在
3日目、朝。
「う・・ん・・・。」
3日目の朝を迎えた。
「ん・・・?なんだ?みずたまり・・・?」
みずたまりがあり、顔がぬれて、目の辺りが乾いている。
「涙・・・?」
昨日の涙が、溜まっていた。
「こんなに涙って出るものなのか・・・。」
不意に、内田のことを思い出した。
私も好きだった。今まで楽しかった。ありがとう・・・。
その言葉が、頭から離れない。
それを、思い出すと、涙が出てくる。
昨日の夜は、5,6回は大泣きした。
しかし、今は泣けない。涙が枯れたということか・・・。
もう、内田のことを、余計なことを考えるのはやめよう。
先へ進もう。・・・俺って、決意弱いなぁ・・・。
「長いなぁ・・・。もう2,3時間歩いてるんじゃないか?」
長く続いている道を、テレビを持ちながら、たびたび休みながら、歩いた。
やっと曲がり角に着いた。
「やっと着いたか・・・。」
日は、もう、真上にある。
「さて次は誰だ?」
しかし、誰もいない。
「まだ来ていないのか・・・?」
そして、よく目を凝らすと、遠くに人が倒れている!あれは・・・
「う、牛島先生!!」
「・・・・・。」
「先生どうしたんですか?」
「・・・・・。」
「誰に、誰にやられたんですか!?」
俺がそう問うと、見慣れた行動を始めた。
「野球のサイン!?」
先生が俺に、何かを必死で伝えようとしている。
「バット・・・で・・・ぁ・・・ぐられ・・・て・・・。」
バットで殴られたんですか!?」
先生はコクッと頷いた。
「まさか・・・そいつって・・・・・、
桜庭ですか!?」
先生は「あぁ」と、口を動かし、
かすれた声で言った。
「・・・やつは・・・死んでる・・・かもしれん・・・。」
「何でですか!?」
「・・・やつは・・・俺を殺さず行った・・・。」
「あ!で、でも・・・。」
「高田ぁ・・・もし・・・ぐふっ!おえぇ!」
「先生!もういいです!しゃべらないで!」
「あぁ、良かった。俺はもう死ぬ。桜庭は生きているはずだ・・・。」
「しゃべらないで下さい!!」
「ふふっ・・・いい・・・じゃないか・・・もうすぐ死ぬんだし、最期まで、
お前と、話させてくれよ・・・。」
「先生・・・。」
「高田・・・頑張れよ・・・あぁ、お前の三振を取った時のあの、
見てるこっちが恥ずかしくなるような決めポーズ・・・。」
先生が涙を流し始めた。
「もっと・・・もっと見たかったなぁ・・・!
お前らが成長するのを、もっと・・・もっと見ていきたかったなぁ・・・!
もっと一緒に・・・野球をしたかったなぁ!
笑顔を見たかったなぁ!」
「先生・・・!!」
枯れたはずの涙が・・・また流れた・・・。
「先生!死なないで!」
その次の瞬間。
「がふっ!!ぐあぁ・・・・・!!」
ガクンッ!
「先生!?」
「・・・・・・・・・。」
「先生・・・・!」
俺は、手を合わしたあと、先生に一礼し、その場から立ち去った。
迷ったら、前へ進め。
これは先生がいつも口にしていた言葉だ。
「先生・・・僕は絶対、あなたのことを忘れません・・・!」
しかし・・・あいつ・・・
「桜庭め・・・死ぬつもりか?生きようとする気はないのか?」
自分の武器で自殺はできない・・・
殺し合わなかった場合、どちらかが殺される・・・
よく考えたら、これは・・・このゲームの攻略法か!?
いや・・・あいつの一か八かの賭けかもしれないな・・・。
夜・・・
ふぅ、今日はなんだか、目が痛いなぁ。
・・・泣きすぎか・・・。
カァン!
金属音がした!
ドスッ!
「ぐぁぁ!!」
寝転がっていた俺の、脇に何かが、当たった。
激痛が走った!
「い・・・てぇぇぇ!!」
ぼ・・・ボール!?
「武士!立て!」
この声は・・・!
「桜庭ぁ!!てめぇ!!」
「武士!生き残ったやつが分かったぞ!」
「なにぃ!?」
「生き残ったのは、俺とお前と、国塔大輔と、浩次だってよ。」
「浩次!?浩次が生きているのか!?」
元木浩次、俺の恋女房。
「でも、お前が何でそんなことを・・・?」
「エックスから聞いたんだよ!」
「な、何!?」
俺も聞けばよかった・・・
「そこでだ、俺は今から、お前と・・・。」
「わかった。」
「・・・今までありがとう・・・武士・・・!」
ブン!!
ガッ!
「うわぁぁ!!」
腕が折れた・・・か?
「武士!!」
「おいおい!心配なんかすんなよ!続けろ!」
ブン!!
今度はうまくかわせた!
「っ・・・!やべ・・・!」
今だ!
テレビを持ち上げ、桜庭の目の前に差し出した。
「グゥォォォォォォォォォ!!」
よし、きた!
「悪いな・・・その武器は、牛島で攻略済みだ!」
「何!?」
ガスッ!
ゴッ!
バキ!
「ギャァァァァァァァ!!」
「な・・・!?」
怪物が戻っていく・・・!?
「な、こいつって、本当は弱いんだぜ!知らなかったろう!?」
「なんだと!?」
だとしたら俺、勝ち目ないじゃん・・・!
「武士!苦しまないように殺してやる!」
「まだ死ぬわけにはいかねぇんだよ!」
ブゥゥン!
「!?」
「またテレビがついた!?」
「グォォ?グ・・・ゴァァァァァァァァァァ!!」
さっきより、でかい手が出てきた!
ギュアア!ガシッ!
「う・・・くそ・・・速い・・・!!」
まさかこいつ・・・親!?
しかも、俺の意志で動いてるのか、こいつ?
俺が思った通りに動く・・・。
「く・・・動けない・・・!」
「そうだろう、こいつは、俺の意志で動くみたいだぜ?」
「・・・そうか。死ぬのか俺は・・・。」
桜庭は、涙を流し始めた。
「あぁ、そうだ。俺もこんなことしたくないが、仕方ないんだ・・・。」
「あぁ・・・じゃあ、最後に教えてやるよ。」
「何をだ!?」
「エックスはなぁ、俺だけに、教えてくれたんだよ・・・。」
「だから何を!?」
「生き残ったやつは助かるって言ってたのは、覚えてるな?」
「あぁ。」
「これは嘘なんだってよ。」
「なんだって!?」
「いや、嘘じゃないけど・・・う〜ん・・・」
桜庭は少し目をつぶった後言った。
「生き残れないってことらしい・・・。」
「どうゆうことだ!?」
「最後まで生き残っても、エックスの前に、”ダーク・デビル”とか言う、
”AMIDA”最強のモンスターがいるそうだ・・・。」
「”AMIDA”最強!?」
「そうだ・・・。」
「・・・そんなの、やらなきゃわかんねぇだろ!」
「ははっ、武士らしいな・・・。」
「桜庭・・・!」
「おい、ところで、お前、気づいてたか?」
「なにを?」
「エックスの声、聞き覚えないか?」
「え・・・え〜と?」
「ふぅ・・・堀口龍だよ!」
「あ!そう言われてみれば・・・。」
「あいつ、風邪で休んだろ。」
「あ!そうだっけ?気づかなかった!」
「お前・・・そりゃ、かわいそうだぞ・・・。」
「でも、なんであいつが・・・?」
そう言った直後、どこからか、声がした。
「教えてあげるよ。」
!!
「おい!お前、本当に堀口か!?」
「あぁ、そうだよ。」
「おまえ、どうやって・・・!?」
「桜庭君。」
「なんだ?」
「君にはもう用はない。」
「分かってる。秘密をしゃべった時点で、俺の死は確定してるんだろ?」
「その通り。そこまで分かってるなら、もう決心したな?」
パァン!
カランカラン!コトッ
「桜庭・・・!!」
「さて、残りはお前だけだな。」
「俺だけ?国塔と浩次は!?」
「あぁ、あの二人は、俺は好きじゃないから殺したよ。悪い?」
「てめぇ!」
「あいつら、俺のこといじめていたろ?他に俺が殺したやつも、
俺のことを軽べつしたり・・・。」
「牛島もか!?」
「そうだよ!あいつも俺のこと信じない!」
「お前・・・!!」
「そこで寝て、一夜明けたら、まっすぐ進め。そこに、”ダーク・デビル”
を用意する。夜が明ける前に進んでたら、お前を殺す。」
「まて!桜庭はどうするんだよ!?」
「あぁ、今処分するよ。」
シュン!
「き・・・消えた!?」
「楽しみにしているよ♪」
「・・・・・・・・。」
俺・・・1人になっちゃった・・・。
堀口・・・!
「お前こそ楽しみにしていろよ!」
俺は、明日のためにすぐに寝た。 |