3.誘拐・拉致・監禁?
3.誘拐・拉致・監禁 そして
「小林虎人 19歳 ハーバードへのトップ合格を果たすも入学後休学して帰国
俳優 結城聡史の付き人兼新人俳優として芸能界活動を開始
数カ国語に精通し 専門は政治経済・・・・と
父親は現在国立大学教授・・・ね 出世したもんだ・・・・
母親は文筆業ね・・・その妹は世界的トップデザイナーで独身・・
となると・・・やはり彼しかいないワケですね・・・」
「そうです 今はどうしても彼が必要なんです
彼の優秀さをもってすれば 必ずや現在の苦境は乗り越えられるハズ
会長は どうしても彼を 小林虎人を迎えるようにとおっしゃっておられます」
「手段は選ばない・・・と」
「その通りです 来週には株主総会も控えております
それまでに どうしてもっ どうしても 虎人様が必要なのですっ!」
それは その名を知らぬ者はない某財閥系大手商社の社長室
口角泡を飛ばしているのは社長秘書の佐藤という紳士だ
そして その相手は かのライカのカメラの男だった
「社長の病状はそんなに深刻でいらっしゃるのですか?」
「残念な事に 主治医の先生のおっしゃるには もうあと
もって半年かと・・・・」
「そうですか・・・それはお気の毒に・・・
でも 社長にお子様はおられなかったのですか?」
「いえ・・・ご子息がおられました 確か今年25歳になられます・・・」
「それなら そのご子息がしかるべき手続きの後に・・・」
「いえ・・・それが社長はもう10年も前に離婚をされておられまして・・・」
「ああ・・・それでお嬢様の・・・」
「はい 会長には社長の他に二人のお嬢様がおられましたが
長女の恵様は学生時代にどこぞの貧乏学生と駆け落ち同然に
お屋敷を出ていかれました・・・・妹の香様はいまだ独身でおられますし・・・」
「で その貧乏学生だった小林氏が今は某国立大学教授で・・・」
「はい・・・会長の直系のお孫様は虎人様お一人なのです」
「なるほどね・・・財閥企業の泣き所ってやつだね」
「はい・・・こうしてあなた方にお願いしております理由でございます」
「手段は選ばず・・・ね」
「はい なんとしても虎人様をお連れ頂きたいのです」
「本人は知らないんだろ?そんなことは」
「はい 恵さまは気性の荒いお方です 今度の事もお知らせは
致しましたのですが けんもほろろにとりつくしまもございませんでした
虎人様に 社長の・・・恵様のお兄様の後を継いで欲しいと
お願いいたしましたのに 恵様はご承知下さいませんでした」
「悪い話じゃないだろうに・・・・不思議だな?」
「調べさせた所によりますと・・・・どうやら虎人様がいまなさっている
お仕事というのも そもそもは恵様がご友人方と示し合わせて
ご自分たちがご贔屓にしている俳優の結城聡史に近しく置きたいと
虎人様を芸能事務所に送り込んだとかこまないとか・・・・」
「へぇ〜・・・おもしろい母親もいたもんだな・・・」
「とにかく・・・我が社の社運をかけて 次期社長として虎人様が必要なのです」
「判りました お力になれるよう努力いたします」
「よろしくお願いいたします」
「場所は」
「お屋敷の方へ」
「了解しました」 |