〜第十六話〜
そしたら、優稀が部屋から出てきて
「ゴメン〜!」と私にウソをついたことに対して、必死に謝ってきた。
でも、私が部屋から出た理由は違ったのだ。
たしかに、優稀に騙されて怒って出て行ったとか、騙された自分に恥じらいを感じたのもあるが、まず第一に親に連絡しなきゃいけなかったから。なのに、私が出て行った理由の知らない優稀の行動に、私は思わず笑ってしまった。
優稀は、キョトンとしている。
それが、また面白くて笑ってしまう。
そうして、私は一人で笑っていた。
すると、優稀がやっと口を開き
「何か、俺笑わせるようなことした?」と言って、状況をつかめないようだ。
当たり前だが……。
そして、私は必死に笑いを堪えながら
「だって、優稀がついてくるんだもん!」と教えた。
すると、優稀の表情が暗くなり
「だって…麗華、いきなり出て行っちゃうんだもん……。俺、麗華に見捨てられるかと思って……。」と言う、優稀の体はかすかに震えている。
普段は、あまり気にも止めない私だったが、今はどうしてもほっとくわけにもいかず
「ゴメン!」と謝った。
すると、意外にも優稀の口からは
「何で謝るの?悪いのは俺じゃん?麗華は悪くないよ。」となぜか味方してくれる。
そんな優稀が、私には天使のように思えた。
そして、私はなぜか罪悪感を感じ
「私こそ、いきなり部屋出ちゃってゴメンね!でもね、親に連絡したかったんだ……。」と理屈っぽい言い方をしてしまった。
でも、優稀は私を責めることもなく
「そうだったんだ!俺、麗華が怒って出て行っちゃったかと思ってた……。バカだなぁ、俺。」と言い、照れ笑いを浮かべている。
私は、その可愛い優稀の顔を、ずっと見ていたかったがそういうわけにもいかず
「そしたら、連絡してくるね!」と言い、階段を駆け足で降りて行った。 |