愛しい―――愛しい―――。
ただ愛しい。それだけ。
愛しすぎたんだよね。
だからあなたは…あなたは……。
―――消えた。
「真菜!帰ろーぜ!!」
「うんっ!!」
秋から冬に移り変わる季節……。
そんな時、私達はいた。
京輔。
私の好きな人で、彼氏。
私達は付き合って一年になる。
変わる事のない気持ち。
だから私達は今まで一緒にいれた。
側にいた。
大好きな…大好きな京輔。
笑顔が可愛くて、かっこ良くて、でもバカで。
私の一番大切な人。
失いたくない人。
ねぇ京輔。
私達は離れないよね?
私は離れたくないよ。
京輔は?
京輔の気持ちが知りたいです。
…ううん。大丈夫だよね。分かってる。
お互いが……大好きだよね。
私達は高校受験を控えている。
だからいつも勉強。
あまりラブラブ出来ないのが辛いけど。
同じ高校行くって決めた。その時にラブラブしようね。
楽しみだな……。
「真菜!ここ教えて?」
「もぅ…しょうがないなぁ…どこ?」
「ここ!!」
いつもこうやって私に質問してくる。
犬のようなあなたは可愛くて良いんだけど。
受験大丈夫?
不安だよ…。
絶対受かろうね。
「京輔…」
「ん?どした真菜っ」
私は小指を差し出す。
京輔は理解出来ず、首を傾げた。
「……約束だよ。絶対一緒に受かって、同じ高校行こうね」
「…あぁ!!頑張ろうな!!」
私達は…お互いの小指を結んだ。
一生消えないで。
この約束―――。
そして季節は冬へと移り、もう受験間近。
私達は正月に神社へ行き、御守りを買った。
そして神様に祈った。
どうか私達が受験受かりますように……。
神様…聞いてください。
祈った……いつまでも祈った。
……日は経ち、待ちに待った受験日。
京輔と電車に乗って受験会場へ向かう。
京輔……一緒に受かろう。
大丈夫。神様に祈ったから。
絶対受かるよ。
そして……。
「終わったあ!!」
「どうだった?手応えは」
「んー…一応全部書いたけど…分かんない所あったしなぁ。微妙かも」
「そっかぁ…でも大丈夫だよ!!一緒に受かれるよ!!」
「あぁ!!そうだよなっ!!」
私達は微笑んだ。
幸せだった。
この時は――…。
季節は春に変わった。
私達は……無事同じ高校に受かった。
嬉しかった。すごい嬉しかった。
そして今日は久しぶりのデートの日。
まだ桜が咲かない季節。
京輔と会える。
気分は弾む。顔がニヤける。
私は駆け出した。
大好きなあの人の元へ。
京輔の元へ……。
時刻は10時。待ち合わせ場所は駅前。
私は着いたんだけど、京輔はまだ来ない。
でもその内来るよね。
…………。
「…遅い…もう12時だよ?連絡もないし…どうしたんだろう。あっ電話してみよっ」
プルルル……
虚しく機械音が鳴るだけ。
胸騒ぎがする。
京輔…!!
「真菜……」
「!!京輔…!!」
目の前に居たのは、京輔。
笑ってる。
いつもの笑みで。
良かった…来てくれた。
……あれ?
変だな。何で涙が…。
京輔の顔がぼやけて見えるよ…。
嫌だ…京輔。
京輔が……消える。
「真菜……会いたいよ」
「京…っ!!」
プツッ
『真菜ちゃん!?京輔の姉の加織です!!あのねっ落ち着いて聞いて?京輔が……京輔が…事故に遭って、意識不明の重体だって…!!」
「――――……」
京輔………。
「京輔……」
「真菜ちゃんっ…」
「加織さん……京輔は…」
「……真菜ちゃんとのデートに行く時よ。いつも通ってる十字路に…車が突っ込んで来て、それで……っ…車と壁に挟まれてたって…即死にならなかったのが奇跡だって…」
「……京輔……」
「――――…」
「……痛かったよね?ごめんね…すぐに来てあげられなくて…だから京輔が来てくれたんだよね?京輔……」
死なないで――…。
私を一人にしないで……お願いだから…京輔――…。
「――――…」
夢の中……とても良い夢を見たの。
京輔が居た。私が居た。
笑ってた。
「真菜……俺さ…、駄目だ!やっぱり…辛いよ」
京輔…?
「でも……頑張るからな。だから……ずっと側に居てくれよ」
「っ……うんっ…ずっと側に居る。頑張って…京輔。また一緒に…ずっと一緒にいようね」
「あぁ!!俺真菜に会って元気出た!!頑張るからっ!!」
「京輔……」
私は小指を差し出した。
「…あぁ」
京輔の小指と私の小指が絡まる。
ずっと一緒に……。
約束――…。
「真菜ー!!早くっ!!」
「待ってよ京輔!」
「遅刻だって!電車間に合わねぇ!走るぞ!!」
「あっちょっとー!!」
……京輔は、無事退院出来ました。
今はもうすっかり元気で、昔のように笑ってくれる。
良かった…。
あ…また涙が流れた。
京輔に見られちゃ駄目だね。
だって…京輔が目を覚ました時、私すごいいっぱい泣いたもんね。
その時に京輔が……。
『泣くな…俺…真菜の泣き顔見たくない…笑え―…』
って…言ってくれたから。
だから京輔の前では泣かないよ。
それでも…ばれちゃうよね。
だけどその時はまた……笑ってください。
あなたの笑顔で、私は笑える。
だから京輔…笑ってね。
――神様は、叶えてくれた。
約束を……。
ありがとう…今、この気持ちでいっぱいです。
ありがとう……。
京輔を救ってくれて。
また私達を一緒にしてくれて。
もう…離れません。
離しません。
約束したもんね。京輔。
京輔……。
「何やってんだよ真菜!!行くぞーっ!!」
「うんっ!!」
私は京輔の腕に飛び付いた。
「ねぇ京輔…」
「ん?」
「私ね、京輔の事…大好きだよ!!」
「真菜……俺も、大好きだ…」
私の唇と京輔の唇が重なった。
幸せだね、京輔。
幸せだよ。
…永遠ってあるよね。
私達は……永遠だよね。
ずっと一緒だよ、京輔。
約束……。
二人の約束。
永遠の約束。
終わる事のない約束。
京輔…聞いて?
愛しています……永遠に――…。 |