エピソード33 幽霊に会いたい!!
今日リアン達は、クラスメートでありお寺の住職の娘でもある石川道子の家、石川寺にやって来た。
帝丹幼稚園の頃から石川と仲良しである歩美達3人は、夏休みの時期になると毎年お寺に遊びに来ていたらしい。
そんなワケで、リアンと哀、たくまとマリアも参加する事になったのだが・・・
「それじゃあみんな、覚悟はいいな?せーの・・・」
「たのもーっ!!」
ギイ・・・
石川道子(コナン達のクラスメート)「皆さん、ようこそいらっしゃいました!!」
リアン「スゴーい!何だか緊張しちゃうね!!」
道子「それじゃあ、そろそろ始めましょうか・・・夏休み最後の良いお話は、ある檀家さんのお話です・・・」
「石川のこれを聞かなきゃ・・・夏休みは終わんねーもんな!!」
マリア「・・・え?・・・え?良いお話なんやろ?えっ?」
道子「その方は、息子さんを亡くしたばかりで、毎日のようにお墓に通っていたそうです・・・そんなある日、1人の少年に出会ったそうです・・・そして次の日も・・・雨だというのに傘も差さずにそこに立っていたそうです・・・」
『こんな所で何をしてるの?』
『待ってるの・・・お母さんの仕事が終わるまでここで待ってる約束だから・・・』
『約束?』
道子「それ以上何を聞いても、男の子は答えてくれなかったそうです・・・」
リアン「何で?」
哀「いいから黙って聞く!」
道子「毎日のようにそこにいて、寂しげな表情を見せる男の子・・・いつしかその方は少年の笑顔が見てみたい、そう思うようになっていったそうです・・・でもその男の子に何を語りかけても、寂しげな表情は変わらなかった・・・そんな事が続いたある朝・・・」
『おばさん!今までありがとう!やっと明日お母さんに会えるの!』
『よかったわね!』
『うん!』
道子「そう言って笑った少年の顔を見た時、とても幸せな気持ちになれたそうです・・・めでたしめでたし・・・」
「えっ、それで終わり?」
哀「何か拍子抜けね・・・」
リアン「ウソーン!」
マリア「ええ話やない・・・」
道子「実はこの話には後日談があるんですよ・・・」
リアン「そうこなくっちゃ!」
マリア「あ〜っ!!」
道子「それから何日か過ぎたある日・・・」
カラン!
『!?あの男の子に何かあったんですか?』
『男の子?亡くなったのは宅の主人の奥さんでございます・・・』
道子「その墓前には、あの時自分に見せてくれた少年の笑顔があったといいます・・・亡くなったのは、息子さんを小さい時に亡くしたお医者様で・・・」
『先生、急患です!』
『申し訳ありませんが、他の先生に・・・』
『お母さん・・・行ってあげて・・・』
『でも・・・』
『ボクは大丈夫だから、患者さんを助けてあげて・・・お母さんの仕事が終わるまで、ボク待ってるから・・・約束するから・・・』
『わかったわ・・・すぐ戻って来るから!』
『うん・・・』
道子「でも母親は少年の死に目に会う事はできませんでした・・・」
『ううう・・・母さん、約束するわ・・・これ以上あなたのような子を増やさないように頑張るから・・・』
道子「母親は少年との約束を守り、たくさんの患者を助け・・・少年は母親の仕事が終わるのをずっと待っていたのです・・・」
「イヤ〜ッ!!」
マリア「イヤやぁ!!」
「マリアちゃん?」
マリア「そやかてその男の子、幽霊なんやろ!?お母さんを迎えに来たって事やろ!?」
哀「いい話じゃない・・・」
「オマエが一番怖ぇよ・・・」
「東尾、後ろに何かいる!」
マリア「ヒ〜ッ!!アカン〜ッ!!」
「右肩にも何かいるぞ!!」
マリア「イヤイヤ!!もうアカン・・・」
ヒクヒク・・・
「ハハハ・・・」
道子「その柱に近づかない方がいいですよ・・・」
「・・・ハ?」
道子「いるんですよ、そこに1人・・・」
「1人?」
「ギャ〜ッ!!」
リアン「やっぱ、道子ちゃんが言うと迫力が違うな・・・」
マリア「ムリムリ!あんなお話の後に肝試しやなんて!!」
リアン「ああいう話の後だから楽しいんじゃない!」
哀「オバケなんて出るワケないって!」
ブンブンッ!
リアン「マリアちゃん、怖くなったらマジョルアを思い出すのよ!マジョルアに比べたら、幽霊なんてカワイイものよ!」
哀「そうよ!あの底意地の悪さ、幽霊以下だわ!大丈夫だって!」
マリア「そやね、何か勇気が出てきた!」
リアン「その意気よ!怖くなったらマジョルアよ!」
「行ってらっしゃーい!」
「ランララララ〜!」
「オレ達ゃお笑い3人組だい!!」
ドロドロ・・・
「!!」
「何か音・・・した?」
バーン!
「ギャアーッ!!」
「出たんだよ!ありゃ絶対本物だって!ばあさんの格好した・・・」
道子「その話は本当だと思います!おそらく2人が見たのは、私の祖母だと思います。」
哀「祖母って、おばあさん?」
道子「ええ。2年前に亡くなったのですが成仏できないようで・・・檀家の方が何度か見かけたらしいのですが、どういうワケか私の前には姿を見せないのです・・・」
「出たわよ!スゴいのが!!」
「マジィ!?」
「首がニョキニョキ伸びる白髪のおばあさんが・・・」
リアン「いてないいてない・・・」
「ダメよ、リアンちゃん!もっと盛り上げなきゃ!!」
リアン「気持ちはわかるんだけど、次の番がねぇ・・・」
マリア「マジョルアマジョルアマジョルアマジョルアマジョルア!!」
ドドドド・・・
たくま「おい、東尾!さっきから何ブツブツ言ってんだ?」
マリア「・・・え?」
たくま「マジョルアって何だよ?」
マリア「あ、おまじない・・・リアンちゃんが教えてくれたんや・・・」
たくま「効くのか?それ。」
マリア「こう呟くと怖くなくなるんよ!」
たくま「本当かよ・・・」
ポゥッ・・・
マリア・たくま「!!」
たくま「なぁ、何か感じねぇか?」
マリア「見たらアカン!!」
スゥッ・・・
マリア「マジョルアァァッ!!」
マリア・たくま「マジョルアマジョルアマジョルアマジョルアマジョルアマジョルアマジョルアマジョルアマジョルアマジョルアマジョルアマジョルアマジョルアマジョルアマジョルアマジョルアマジョルアマジョルアマジョルアマジョルアァァッ!!」
ドドドド・・・
マリア・たくま「ハァハァ・・・」
哀「今度は私の番ね!」
マリア「哀ちゃんは怖くないん?」
哀「だって、道子ちゃんの前には幽霊出ないって言ってたでしょ?私道子ちゃんと一緒だから・・・」
道子「ハァ・・・」
哀「道子ちゃん、歩くの速いよ!」
道子「すいません・・・」
哀「やっぱり夜のお墓ってゾクって来るわよね・・・」
道子「大丈夫ですよ、どうせ私の前には出て来てくれないんです・・・」
哀「道子ちゃんもしかして、おばあさんの幽霊に会いたいの?」
道子「謝りたい事があるんです。祖母が亡くなった時、ヒドい事を言ってしまって・・・もし会えるなら幽霊でも会って謝りたい。お寺の娘がこれじゃ、ちょっと不謹慎ですよね、アハハ・・・」
哀「・・・」
哀「2人共ちょっとつき合って!」
マリア「道子ちゃんがそないな事を・・・」
リアン「そういえばおばあさんの話してる時の道子ちゃん何か寂しそうだったものね・・・よっし、いっちょやったるか!」
哀「マジカルステージね!」
マリア「ちょっと待って!それって魔法でおばあさんの霊を呼び出すって事!?」
哀「イヤだなぁ、マリアちゃん!」
リアン「そうよ!」
マリア「ホホホホ!!」
リアン「これも人助けよ!」
マリア「ホホホ!!」
マリア「ホケケケ・・・」
哀「マリアちゃん、いくよ・・・」
リアン「大丈夫かしら・・・プ〜ルカプルリカ和やかに〜・・・」
哀「レイレイシャ〜イニー華やかに〜・・・」
マリア「スィールク〜ジェルク〜清らかに〜・・・」
カァッ!!
「うわぁ!」
詩織「スクープよ、スクープ!」
リアン・哀・マリア「マジカルステージ!!道子ちゃんをおばあさんの幽霊に会わせてあげて!!」
ポウ・・・
コト・・・
リアン「・・・馬?」
「出やがった!!今度は向こうのお墓で何かが光りやがった!!」
ダッ!
「石川!!」
ザッ!
リアン・哀・マリア「ヒィ!!道子ちゃんどうしたの?」
道子「この辺で怪しい光を見たって聞いて・・・」
リアン「み、見なかったよ・・・」
道子「そ、それは!!」
ガラッ・・・
哀「わーっ!スゴイ数の竹細工・・・」
道子「全部祖母の作った物です。」
リアン「それじゃあさっきの馬も?」
道子「ええ。私って小さい頃からおばあちゃんっ子だったんです。忙しい父や母に代わって、祖母がいつも私の相手をしてくれていましたから・・・」
道子『おばあちゃん・・・』
『ん?』
道子『何を作っているのですか?』
『ホラ!』
道子『わぁ、お馬さんだわ!!』
『完成したらあなたにあげよう!!』
道子『本当ですか?』
『私がウソを言った事があるか?』
道子『いいえ!ありません!!』
『よし、あなたが学校から帰って来るまでにはできるでしょう!行っておいで!!』
道子『はい!!約束ですよ!絶対作っておいてくださいね!!』
『ああ、約束じゃ!』
道子「でも、おばあさんは・・・」
ガラッ!
道子『約束したじゃないですか・・・私が帰るまでに作り上げるって約束したじゃないですかぁ!!おばあちゃんなんか・・・おばあちゃんなんか大嫌いだ!!』
道子「この馬はその時の物なんです。すいません、先に戻っていてもらえますか?」
バタン!
道子「おばあちゃん・・・どうして出て来てくれないんですか・・・」
「道子・・・」
道子「!?・・・!!おばあちゃん・・・!?」
「久しぶりじゃの・・・」
道子「どうして・・・どうして2年間も姿を見せてくれなかったんです!!ずーっと会いたかったのに・・・会って・・・会って謝りたかったのに!!ヒドい事言ってごめんなさい・・・」
「謝らなければいけないのは私の方じゃよ・・・約束さえちゃんと守っていれば、こんな事にはならなかった・・・」
道子「それじゃあやっぱり私との約束のせいで・・・!?」
「それはちがうよ・・・私があなたとの約束を守りたかったんじゃ・・・その馬を完成させたくてそりゃまぁいろんな人に声をかけたが、私の顔を見るたびにみんな逃げてしまう・・・まぁ、当然と言えば当然か・・・」
道子「私なら逃げなかったのに・・・」
「・・・ん?ウフフ・・・」
道子「アハハ・・・教えてください!!この馬は私が完成させます!!」
「うんうん・・・」
道子「こんな感じですか?あ、なるほど・・・」
ヒョコ!
道子「はい、わかりました!アハハ・・・」
詩織「1人で何しゃべってるのかしら?」
リアン「やっぱり何とかしてあげられないかしら?」
哀「だったら、おばあさんの幽霊に変身するってのはどう?」
リアン「あぁ、グッドアイデア!」
詩織「何やってるの〜?」
リアン「ヒッ!!」
詩織「あのね、道子ちゃんが変なのよ!1人でブツブツしゃべって・・・まるで誰かと話しているような・・・あれ?」
コト!
道子「できました!おばあちゃん・・・」
「ありがとう道子・・・ようやく約束が果たせたよ・・・」
道子「おばあちゃん!まだ行かないでください!!私はまだ話したい事がいっぱいあるんですよ!!もっといろんな事だって教えて欲しいし、もっともっと一緒にいたいのに・・・」
「いるよ・・・私はこれからも、ずーっとあなたの側にいるよ・・・」
道子「おばあちゃん・・・それって約束ですか!?」
「ああ、約束だ・・・」
フゥッ・・・
道子「約束ですよ・・・おばあちゃん・・・」
「ありがとう・・・」
リアン「・・・え?何!?」
哀「うん・・・」
マリア「聞こえた・・・」
ゴォッ!!
リアン・哀・マリア「!!」
哀「今のって、道子ちゃんのおばあさんかしら・・・」
リアン「とっても優しい感じがした・・・」
マリア「怖なかったわ・・・」
『石川家之墓』
道子「今日も良い天気ですよ・・・おばあちゃん・・・」
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