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Tales of the abyss another
作:魔蘿姫



Seventh 傍観者と改変者




準備の整った六神将とアシュニアはアシュニアが徹夜で仕上げた転移譜陣の前に立っている。

転移譜陣は超振動を応用したもので(一般の人間では制御、及び書くことさえ不能)複雑怪奇な紋様となっているのはダアトへの情報転移そして肉体転移をスムーズ(情報、肉体転移が遅くなると解離を起こすおそれがある)に行うための措置だ。

あまりの技術力にディストは狂喜乱舞しアシュニアを熱烈に勧誘したがリグレットにいつの間にテンションをあげていたのかオーバーリミットし、『プリズムバレット』でディストを黙らせた。
「これに乗ればすぐにダアトに着きますが良いですか?」

ディストは早く試したいのか、ウズウズしていること以外は問題なく、みな頷いた。
全員が譜陣に乗るとアシュニアは詠唱を始める。

「『гоържщкцитюхсЭ』座標認識完了。移転座標確定。移転開始」
その言葉に譜陣が反応し、輝きを持つそして…アシュニアたちと共に消えた。






「言っていなかったことがあります。移転座標は、ダアト……上空です。だから皆さん、落ちますよ」

「ハァ?!着地方法は?」












「自力でお願いします」








結局、アリエッタの魔物たちに助けられた一団は住民の奇異の目を避けるようにローレライ教団オラクル騎士団本部へと入っていく。

「先に言っといてよね」

「すいません。シンクさん」

嫌味を丁寧に返されてしまったシンクはばつが悪そうにそっぽを向く。ラルゴとリグレットはその様子に苦笑し、アッシュは鼻で笑う。
シンクは、しゃくに触ったのかアッシュに喧嘩をうっていたが一団はそれを気にすることなく進むのだった。






修練場に通されたアシュニアは指導していた男、ヴァンに礼をする。
「初めまして」

「初めまして、私はヴァン・グランツです。この度は強引な形でお呼び立てして申し訳ありません」

「気にしていませんよ。ダアトは初めてなのでいい体験をさせていただきました」

「それは安心しました。……指導はこれまで!これより自身で鍛練するように!」

ヴァンは修練場の兵たちにそう叫ぶと
「此方です」とアシュニアを先導した。



ヴァンの自室に入り、椅子に座る。ヴァンは机を隔て反対側に座ると真剣な顔になる。
アシュニアもその姿を見てすぐに真剣な顔になる。

「アシュニア殿は予言をどう思います?」
アシュニアは少し困惑したがありのまま答えた。
「興味がない」と

この世界に来て、予言に触れたが自分の予言は読めないが故に気にしていなかった。
この世界でそれは異常だとも人々の生活を見て分かっていた。予言に固執しているとも。
だがそう聞いたヴァンはことの他嬉しそうだ。ヴァンはさらにこう切り出した。

「この世界は予言に固執し過ぎていると私は思っているのですよ」

ローレライ教団上層部の人間の発言とは思えなかった。いや、もはやこの世界では禁句である。それをヴァンは易々と言ってのけたのだ。
意味がわからない。

「私はこの世界を予言から解放したいと思っているのです」


ヴァンの言葉で私は悟った。私に協力してほしいと言っているのだ。
予言に固執した世界。未来が、運命に潰される世界。
私も助けたい。しかし






エルフは他の世界の運命を変えてはいけない。なぜなら時空に歪みが生まれるからだ。時として、それは世界を崩壊させる。故に未来を変えることは未来に通常なら縛られない人間のみ関与できる。魔物や自然は運命に忠実。だから世界を変革できない。その摂理、故に亜人であるエルフ、自分はこの話にのることは出来ないのだ。
私は傍観者。
少しだけ悔しい。


「ごめんなさいヴァン。私は手伝えない」

アシュニアがそういうと悲しげに聞く。

「なぜです?」

「私は貴方の邪魔はしない。協力もできない。ごめんなさいヴァン。私は傍観者にしかなれないの」

なぜか、など答えられるはずがない。
本当は助けたいの。でも、私にはその資格がない。


「この事は誰にも言わないわ」

「そうですか、残念です。リグレットも落胆するでしょう」

「本当にすみませんヴァン」

アシュニアが頭を下げるとヴァンはいえ、いいんですよ。と言い、席を立つ。アシュニアもならって席を立つ。
すると外に出ようとしたヴァンは振り向き、
「ここへはいつでもお越しください。リグレットやアリエッタが喜ぶでしょう」

「はい。喜んで」

アシュニアが笑いかけるとヴァンも微笑み返し、出ていく。アシュニアもすぐに出ていった。



アシュニアは月に一度、六神将に会いに行くことが常となった。
彼等との絆は深まる。

楽しい時間は過ぎるのが早い。そういわれる。物語の中、アシュニアはただ傍観者として行く末を見続けた。
唇の端を何もできない悔しさで噛みながら、彼等の一生を心に刻む。



そして、物語は終末へと行き着いた。途中、赤毛の少年ルークと栗色の髪の少女ティア、導師イオン、守護役アニス、赤目の軍人でディストの親友ジェイド。彼らはヴァンたちと違った世界革変を起こそうとしていた。

世界は混迷を深め、そして彼らは消えて逝った。














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