Fourth エルフ族の歴史
“遥か昔、創西暦のザオにおいて”
“大いなる力を持ちたる種族、在り”
“予言を詠めぬ唯一の種”
“異端の存在、世界は赦さず”
“日が三度上りし時”
“ザオの地、砂漠へ変わりたり”
“自然に愛さる其の種族”
“自然は嘆き悲しみて”
“黒き哀しみ、吐き出した”
“種族の名、イスパニアにて”
“自然に愛さる者”
“エクセリア=ルミネ=フェイシフォンに冠さるるは”
“エルフ”
頬に感じた冷たいものを拭うと涙だった。
これを見つけたのは偶然だった。
セントビナーの古い本屋の奥の棚、普通なら気づかない古ぼけた場所。
譜術の禁書と共にその歴史書がおかれていた。
惹かれるようにその本を開いた。
そして、知った。
悲しい事実、この世界のエルフはもういない。
少し孤独感にさいなまれたが恨みはしなかった。
エルフは強い種族だ。
傲慢で高潔、自尊心が強くエルフ族を世界で一番の種族だと思っている。
人族とエルフ族は相入れない存在なのかもしれないとさえ思う。セリエはそんなことないと、怒るかもしれないが
これで益々エルフであることを知られる訳にはいかなくなった。
悩みが増える一方のアシュニアであった。
結局、その歴史書と譜術の禁書を購入した。
禁書は役にたちそうだ。
アシュニアは帰ると直ぐに音素を感じる練習を始めた。
本によれば七種類、闇、地、風、水、火、光、そしてユリア=ジュエが発見したこの世界を支配する予言の元、第七音素である。第七音素は未だ全て解明されていない特異な音素だ。これは才能がないと使えないらしいが……
「できた」
こんなに、あっさりできていいのだろうか。
『ヒール』が発動。
マナを繰る感覚と似ているのでコツが掴みやすかった。
こう考えるとマナは万能だったのだと感じてしまう。
音素を繰り、詠唱をする。禁書を広げ、出来るだけ力を弱める。コントロールも大切だ。
“断罪の剣、七光の輝きを持ちて降り注げ”
『プリズムソード』
目の前が輝くと半径十メートルが吹き飛んだ。
手加減したのに。
一人で練習していて良かったと思う。
結局、日が暮れるまで練習を続けた。
エルフである自分の体をめぐる莫大なマナを使えば、以前の世界の術を発動できる。こういうのを役得だと思う。
すでに音素は手足のように扱えるようになったアシュニアだがその特異性に全く気付いていなかった。
そして……
クルシスの輝石が大きな変化を迎えようとしていた。
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